
8月14日(土) 17:00~21:50
■PE'Z、Buffalo Daughter、ゆらゆら帝国、UA
BLACK BOTTOM BRASS BANDにしろ、勝手にしやがれにしろ、やたらサックス、トランペット、トロンボーンがブリブリ唸る金管部隊の大活躍が目についた今回のライジング・サン。〈SUN STAGE〉に現れたPE'Zも勿論、例外ではないのですが。彼らの場合、美メロディなテーマ~発狂アドリブ~テーマという流れの連続のなかで交錯するトランペット&サックスは勿論のこと、キーボード、ヒイズミマサユ機のキレっぷりがすごかった! 全力疾走級のステップを踏みながら、鍵盤を叩き付けるようなアドリブから綺麗にテーマに終息するプレイはかなり希有。椎名林檎ファンの方は東京事変への参加を身をもって納得したのでは?

BUFFALO DAUGHTER
さて〈RED STAR FIELD〉のLOSALIOSのトリオでのダイナミックなロック・セッションが進む中、夜空に花火が。雨天~快晴という流れといい、いちいちミラクルが訪れます。〈GREENOASIS〉ではLONDON NITEが開始しMCが煽りつつロックな夜を煽動し、〈MOON CIRCUS〉ではサイケなライティングの中LOOPA NIGHTがテクノ・モードに会場を引っ張る中、まさしくその中間地点〈RED STAR FIELD〉に登場したのはBuffalo Daughter。ジャーマン・プログレ流儀のギターに怪しげな音響コラージュを織り交ぜつつ、ラストは10分以上にわたる伝家の宝刀“303 Live”で会場をトバしてくれました。(原田リョウ)
2年前のRISING SUN出演時は、機材トラブルにより演奏を中断。今年はその雪辱戦の意味も込められたライヴになるだろうと予測していたのだが、ゆらゆら帝国はやはりいつもどおり。まるで観客なんていないかのようなマイペースっぷりでライヴをスタートした。演奏のほうは、彼らが取ってきた〈淡々と狂っている〉態度を崩さず、ラストまでじわじわと狂度を増すというセッティング。初期傑作“グレープフルーツちょうだい”からラストの“貫通”で3人が3様のノイズを撒き散らすまで、およそ北海道の自然に似つかわしくないどろどろのディープな演奏を響かせていた。最近のゆらゆら帝国を見ていると、ちょっと不安になることがあった。彼らが持っている〈予定調和から逃れるための逸脱〉が、いずれは予定調和になって、そこからまた逃れるために逸脱して……、という無限ループにはまっているように見えなくもなかったからだ。が、やはり彼らは自分たちの立ち位置なんてどうでもいいのだろう。ただ〈淡々と狂っている〉だけなのだ。
続くUAのステージは予想通り、観客が会場をはみ出してあまりあるほどの超大入り。アルバム『SUN』収録の、エスノ~ジャズを行き来しつつも、ヴォーカルに焦点を当てた“そんな空には踊る馬”で幕を開けると、そこからは鈴木正人、外山明、菊地成孔らの手により、UAの表現がどんどん拡張されていくドキュメントを見ているようだった。奄美島唄“太陽ぬ落てぃまぐれ節”が夕景に溶け込む瞬間は、今フェスのハイライトの一つとして多くのオーディエンスの記憶に残っていくのではないだろうか。(ヤング係長)
▼文中に登場したアーティストの作品を紹介