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第11回 ─ 〈RISING SUN ROCK FES〉高速レポート!

第11回 ─ 〈RISING SUN ROCK FES〉高速レポート!(2)

連載
オレらの 夏 フ ェ ス 予習・復習帳 04
公開
2004/08/19   19:00
更新
2004/09/24   19:54
テキスト
文/原田 リョウ、ヤング係長

8月13日(金) 15:00~18:30
■早川義夫・佐久間正英 with ミト、Polaris、BLACK BOTTOM BRASS BAND、グループ魂、V∞REDOMS

 日は沈んだが、ここから30時間後の日の出までがライジング・サン。〈RED STAR FIELD〉にて暗闇の中で真っ赤なライトに包まれ、ガタガタ身体を震わせて“父さんへの手紙”を歌う早川義夫の言葉が聴衆にダイレクトに飛び込みます(そういえば、この時節はお盆でした)。幻想的な世界を演出したミトの空間的なベース&佐久間正英のギターも効果的。(筆者も含め)彼を初めて見たであろう若人が、感極まった拍手を寄せました。

 そして個人的には初日ベスト・パフォーマンス、本サイト連載でもおなじみのPolarisが登場。キーボードに原田郁子、スペシャル・ゲストには永積タカシが登場するという当夜のパフォーマンスは初日〈RED STAR FIELD〉の総括ともいえるナイス・ステージ。変拍子から4拍子に変形していく粋なリズム遊びからはじまり“瞬間”、新曲“太平洋”などなどを披露。終盤の“流星”で上を見上げれば満天の星空が見えちゃうわけで、「キンモチイーー、キンモチイー」とご機嫌宣言を連発するオオヤユウスケのコーラスがこりゃまた、キモチイイ。新作『cosmos』も楽しみなところ。さて、〈GREEN OASIS〉には裏ベスト・アクト、ニューオリンズ発大阪経由の熱いブラス・サウンドを聴かせてくれる、BLACK BOTTOM BRASS BANDが登場。“ワッショイ★ブギ”でのワッショイ・コール&レスポンスで会場のテント内は埃であふれるほどの盛り上がり。彼らは翌日も会場内をチンドン屋のごとく練り歩き、祭りの熱狂を演出してくれましたよ。(原田リョウ)

 やや遅れ気味に〈GREEN OASIS〉に付くと、既にグループ魂が“就職しやがれ”を熱唱中。テントのキャパの2.5倍はいるんじゃないかという人の数に圧倒されつつも前に出ようとすると、前方の柵が崩壊したとのアナウンスが……。阿部サダヲは「下がってください、僕らが後で怒られます!」と、アクシデントすら笑いに転化し、以降もテンションの高さとバカバカしさをキープしたままキラー・チューン“竹内力”に突入。観客の盛り上がりも最高潮に達したこの曲では、スシ詰め状態の会場の密度がさらに高まっていく。会場内はそのテンションをさらにキープしたままラストまで突っ走る。最後まで笑いを忘れないサービス精神と、観客の幸福そうな笑顔が印象的なライヴだった。


V∞REDOMS

 すっかり夜も更け「なんて言っていいかわかんないけどとにかくヤバイ」と話題のV∞REDOMSを見るべく〈MOON CIRCUS〉へ。しばし寒さに堪えながら待っていると、EYヨが両手に謎の発光体を持って登場。突然両手を振り回すと、動きに合わせて左手から「ヴォ~ン」という低音が、そして右手からは「ギーン」という金属音が! 縦横無尽にステージを暴れまわるEYヨに合わせて会場を突き刺すインダストリアル音。宇宙と交信しているようにしか見えないインプロヴィゼーションで会場は既に興奮のるつぼに。続いて3ドラムがトライバル&プリミティブなリズムを生成し、会場をトランスさせていく。EYヨはリズムに乗せてキーボード&サンプラー&エフェクト&原始の咆哮を次々に繰り出してくる。生物としての根源的欲求を煮詰めたようなすざまじい演奏に、宇宙神サン・ラー様も空の上から微笑んでいたのでは?(ヤング係長)

▼文中に登場したアーティストの作品を紹介