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第23回 ─ 佐野元春

佐野元春を知るための6枚

連載
NEW OPUSコラム
公開
2004/08/12   12:00
更新
2004/08/12   17:19
ソース
『bounce』 256号(2004/7/25)
テキスト
文/ダイサク・ジョビン

『Heart Beat』 エピック(1981)
  デビュー作『BACK TO THE STREET』から今作を挟んで大ヒットした超ポップ大作『Someday』まで、ロックンロール、AOR、ジャズ、ブルースなどを昇華させた高品質なポップ・チューンの数々は、瞬く間に驚異と熱狂と興奮を巻き起こして社会現象にまでなった。


『VISITORS』 エピック(1984)
  単身NYに移り住み、現地でヒップホップの洗礼を受けて制作された問題&衝撃作。ファンクやラテン的要素も盛り込んだ強烈なビートの数々に、ラップ的手法による日本語での独自の歌唱法など、その革新的なサウンドはいつ聴いても恐るべき鋭さと煌めきに満ちている。


『Heartland』 エピック(1988)
  87年の横浜スタジアムでのライヴを収録。それまでのヒット・ナンバーを中心に、どの曲もスタジオ録音とは違ったライヴならではのダイナミックなアレンジによって演奏されている。大編成バンドによる分厚いサウンド、そして元春の爆発寸前のエネルギー迸るヴォーカルに圧倒される。


『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』 エピック(1989)
  ロンドンにてパブ・ロックの腕利きたちと録音された、まるでスタジオ・ライヴのようにワイルドでロッキンな一枚。彼が持つふたつの側面――激しさと優しさ――が今作ではより大きな振れ幅を見せている。ポエトリー・リーディングも2曲収録。


『Sweet 16』 エピック(1992)
  タイトル・ナンバーはフレッシュなドライヴ感が痛快なロックンロール。昔の自分にさよならするかのように吹っ切れた、暗喩と示唆に満ちた歌詞はさらに冴えを見せ、サウンド的にもネガティヴな状況を笑い飛ばす楽観的な力強さと陽気さに溢れている。


『Fruits』 エピック(1996)
  軽快なロックからフォーキーなナンバー、そしてラップ、ポエトリー・リーディングまで、ビートルズの〈ホワイト・アルバム〉的ヴォリュームとヴァラエティーに溢れた大作。日常に近い視点で書かれた歌詞が多く、全体的にはリラックスして穏やかな聴き応え。

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