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第49回 ─ 多様性を深めるR&Bを堪能するなら、インディー・アーティストに注目すべし!!

メジャー出身アーティストたちもこんなに……いま、インディー産R&Bが熱い!! その2

連載
360°
公開
2004/07/29   17:00
更新
2004/07/29   17:13
ソース
『bounce』 256号(2004/7/25)
テキスト
文/出嶌 孝次



ACE 『Simply...』 Ace(2003) パブリック・アナウンスメントのメンバー、エースの放った初ソロ作。ほぼ全曲が自作で、スマートなコーラスに乗ってノビノビ歌いまくる様子が妙に楽しげ。R・ケリー仕事で名高いピーター・モクランがミックスしたシカゴな逸品です。なお、2001年の『No Holding Back』(RCA)以降停滞しているものの、グループは存続中。

EN VOGUE 『Soul Flower』 Beat Exchange /33rd Street(2004) 不動の4人組時代はいまだ鮮烈ですが、メンバーの脱退や加入の果てにトリオ編成となったこの通算5作目も若々しく溌剌としたハーモニーは健在です。かつてロドニー・ジャーキンスの秘蔵っ子として『Rhona』(Darkchild/Epic)でデビューしたローナも新メンバーとしてしっくり馴染んでいます。

CHICO DEBARGE 『Free』 A Love/Koch(2003) 70年代のニュー・ソウルから大きく影響を受けた自作自演サウンドでカムバックしてきたチコさんも、自身のレーベルを設立。繊細なファルセット・ヴォーカルがひたすら心地良い今作は、文字どおり自由な環境でじっくり制作された名品。友人のジョーもメジャー時代の『The Game』(Motown)から連投してます。

DEANNA RANSOM 『Never Say Never』 7(2004) 流通はメジャーですが。メアリーJ・ブライジ仕事で名高い職人、ハーブ・ミドルトンが送り出した歌える新人。90年代っぽいブルーな空気を醸すハーブの手捌きが冴えまくった佳作。メルバ・ムーア(!)との“Rise, Sister”が凄い。

VAL WATSON 『Urble』 Thump(2004) これも流通はメジャー。嗄れヴォイスで繰り出すクセのある歌い方がファンキーな彼女、何とクラブ・ヌーヴォーの人だそう。ブーツィーがトーク・ボックスで絡む“The Real(Do-Do)”とか最高です。こういう気さくな共演もローカル作ならでは。


BIG JIM 『Commitme-nt Episode 1』 AMR(2004) ファーが暑そうなこのジムさん、日本でも特別な人気のあったグループ、3フロム・ザ・ソウルのメンバーだった人! ド頭の“Without Your Love”から言葉も出ず、哀愁で口の中が甘苦くなる濃密ソウルの大傑作。まだの人はすぐ!

JESSE POWELL 『Jesse』 D3/ビクター(2003) 長らくサイラス~MCAで活躍してきたこのジェシ・パウエルも今作よりインディー・ベースに。マイケル・ジャクソンにデバージという趣味全開なカヴァー選びからもわかるように、本人が気分良く歌ってる様子が浮かぶ力作ですね。