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第3回 ─ 〈WIRE 04〉、超速復習レポートをお届け!

第3回 ─ 〈WIRE 04〉、超速復習レポートをお届け!(2)

連載
オレらの 夏 フ ェ ス 予習・復習帳 04
公開
2004/07/21   15:00
更新
2004/09/24   19:53
ソース
『bounce』 255号(2004/6/25)
テキスト
文/aokinoko、サノ'dodie'ユタカ

さて二日目。緑色のレーザーライトで埋め尽くされたフロアの中、一番手のモニカ・クルーズはオープン直後で興奮していたクラウドに呼応するかのように飛ばす。アンダーワールド“Born Slippy”まで飛び出し、早くもピークを迎えた。続くKAGAMIのライブは意外にもディスコテイストは控え目ながら、これまた飛ばしまくり。ギターを持ち出すパフォーマンスも飛び出した。続いて登場したエレン・アリエン~卓球もフロアを絶妙の温度で引っ張り上げていく。

 一方でセカンドも開幕。初登場のトビアス・トーマスはケルン色全開で緩やかにグルーヴを紡ぎ上げていくさすがの手腕。続くトーマス・ブリンクマンのライヴはこちらも持ち味の変態グルーヴで突っ走る。そしてロックが登場。腕から見えるタトゥーの凄みとサウンドでジャーマン・テクノの裏番っぷりをアピール。この後レゴウェルト~田中フミヤ~パスカルF.O.E.S~トビー(kabuto)も持ち味を充分に発揮させ、度々入場規制がかかる盛況ぶりだった。

 22時半、メインフロアのステージにあのライト付きメガネが暗闇の中に登場した。今回がラスト・ライヴとなるオービタルは、自分たち自身が一番楽しむかのように、“Halcyon”(ボン・ジョヴィ・ネタとのマッシュアップ!)、“Box”など往年の名曲たちを繋ぐことなく1曲ずつ丁寧にプレイ。やぐら状に組まれたセットを照明が鮮やかに照らし上げ、クラウドがハンズアップする姿は往年のレイヴの雰囲気を思い出させる。アンコールの“Chime”の至福の鐘が鳴り響いた時、会場は言葉に出来ない雰囲気に満たされていた。

 その余韻をスクラッチで見事に掻き消してくれたのが、初来日のバッド・ボーイ・ビル。バリバリのスクラッチ&エフェクト使いで、いつもの〈WIRE〉の雰囲気に引き戻すと、続くルーク・スレイター~オルター・イーゴ~クリス・リービングの流れはフロアを終始ハードに攻め立て続ける。これについて来るのが〈WIRE〉のお客さんの凄いところ。特にオルター・イーゴのライブは、ノイジーかつブリブリなベースサウンドで会場全体を揺らす揺らす! 今年の〈WIRE〉アンセムともいえる“Rocker”も当然プレイして、フロアの熱気はまだまだ下がる気配無し。そしてトリのジェフ・ミルズは、まさに宇宙人DJ。DVDJでドナ・サマー“I Feel Love”、リップス・インク“Funky Town”などのディスコネタを映像とシンクロさせてミックスしつつ、さらにTR-909のスネアロールでまくし立てる超絶プレイで7時近く(!)までプレイするという独断場。〈WIRE〉に新たな歴史を刻みつけた。

 今年の〈WIRE〉は初の2デイズ開催でしたが、照明やサウンドシステムも強化されていたし、電気の復活、オービタルラストライブからバッド・ボーイ・ビル、ミシェル・デ・ヘイなど初来日の大箱向けDJらの活躍など見所がたくさんあり過ぎて、二日間という長丁場を簡単には飽きさせない内容になっていたのではないのでしょうか。惜しかったのはセカンドフロアの入場規制くらいか。もう今から来年に備えて体力付けて置きましょう。see you next year wire05 !!(サノ"dodie"ユタカ)


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