ヴェルヴェット・テディ・ベア!?
〈ヴェルヴェット・テディ・ベア〉と聞いて、肌触りのいい高級なぬいぐるみだろうと想像するでしょう? ゲスト審査員として〈American Idol〉に出演した、かのグラディス・ナイトからそんなニックネームを授けられたのが同番組の2代目チャンピオン、ルーベン・スタッダード。憧れのルーサー・ヴァンドロスも所属するレーベル、Jと契約し、デビュー・アルバム『Soulful』が全米で140万枚もの大ヒットとなったまさにアメリカン・ドリーム一直線の、身長190cm、体重158kgという巨体に愛くるしい笑顔、そしてヴェルヴェットのような歌声を持つアラバマはバーミンハム出身の25歳だ。実はフットボールの実力も相当なもので、大学へはフットボールの奨学金で入学してしまったほど。それでも「フットボールはただの趣味。自分が音楽の道へ進むことには一寸の迷いもなかった」とかなり冷静に将来を見据えていたよう。
「大学中退後、仲間とソウル・バンドを組んでいた。地元じゃいちばんホットなバンドだったんだよ」──そのまま活動を続けていても道は拓けていたのかもしれないが、バンドの女の子から付き添いを頼まれ何気なく訪れた〈American Idol〉のオーディションが彼の運命を変えた。
「フットボールをやっていて競争心は人一倍強かったからね」と、緊張どころか競争を思いっきり楽しむそのマイペースさが逆に功を奏したようだ。
「視聴者にとって馴染みのある曲を」と番組で自分を勝利に導いたカヴァー4曲と、「スタッフといっしょにジックリ考えて決めた」というアンダードッグス、ジャジー・フェイ、スウィズ・ビーツといった錚々たるプロデューサー陣を迎え、タイトルどおりソウルフルでありながらジャンルを超えてアピールする作品の仕上がりに本人も大満足のよう。なかでもゴスペル界の巨匠フレッド・ハモンドとの共演は、「彼の音楽は子供の頃から聴いていたし、できるだけ彼に近づきたいとがんばってきた。その夢が叶って最高」と話す彼ではあるが、「R・ケリーとは次のプロジェクトで共演、夢はアリシア・キーズとのデュエット!」と貪欲な素顔も見せる。これからが楽しみな文字どおりの大型新人だ。(Kana Muramatsu)
RUBEN STUDDARD
Soulful
19/J/BMGファンハウス
ソウル・スピリット充実度 **********
意外にもチャンピオン度 *****
ゴハンのおかわり度 ***********
ワタシ 髭はまだ早いから、家で剃ってもらいなさい!
情オジサン 歌えるジャガイモ顔!! マジで好きだね