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第46回 ─ 77年のロンドンを震撼させたパンク──そのド定番をザッとおさらい!

『LONDON PUNK 1977 Tribute Album』でカヴァーされたオリジナル盤&参加アーティストによるコメントをお届け! その2

連載
360°
公開
2004/03/25   17:00
更新
2004/03/25   18:17
ソース
『bounce』 252号(2004/3/25)
テキスト
文/鬼頭 隆生、松永 豊吾

THE CLASH 『The Singles』 ソニー クラッシュのシングル曲をリリース順に収録。パンクをスタイルではなく、アティテュードで実証する軌跡だ。初期の荒々しいガレージから中期のダブ~レゲエへとサウンドは変わっても、その精神と言葉の強さは揺るぐことはなかった。ジョー・ストラマーはかつてこう言った。〈すべては歴史が証明してくれる〉。(鬼頭)

和田 唱(TRICERATOPS)クラッシュは、一連のロンドン・パンクのなかでも俺的には、いちばんスマートでクールなバンドとして君臨してる。まぁ、そう思ってる人は多いだろうし、今回の企画でもクラッシュの楽曲は人気殺到するだろうなと思ってはいたけど、今だからこそ、この〈反アメリカ〉はカヴァーしておきたかった。アレンジもヘンに変えるんじゃなく、俺たちが聴いてきた〈あの感じ〉を大事にした。ただ、オリジナルよりちょっとスロウでヘヴィーにやろうとしてたんだ。ところがいざ曲がスタートすると勢いづいちゃって、オリジナルより速くなっちゃった! でもイイ感じだったからそのテイク1を使った。パンクだしね!

川上つよし(東京スカパラダイスオーケストラ) 僕にとってパンク、といえばセックス・ピストルズとクラッシュ。今回カヴァー曲を決めるにあたって両者を聴き返してみて改めて感じたのは、ピストルズは時代を切り裂く気概、〈ジョニー・ロットン〉ことジョン・ライドンの類希なキャラクターそのものがパンクなのだが、純粋に音楽的に野心的な試みをしているという点でパンクなのがクラッシュだ。デビュー当時からいち早くレゲエやダブをサウンドに採り入れていたことは知られているが、クラッシュの曲からは表面的なリズム形態やサウンド・エフェクトなどの部分だけではなく、例えばストレートなロックンロールのなかにもレゲエの持つ一種独特の自由奔放な反骨精神に溢れた〈ムード〉が感じられる。“I Fought The Law”もそんな楽しくもパンクな匂いがプンプンする楽曲だ。そんなクラッシュに敬意を表して、バンドで楽しく自由奔放にアレンジさせてもらいました。

THE JAM 『In The City』 Polydor 単に反体制を掲げるだけでなく、スタイリッシュなモッズ・スーツに身を包み、スモール・フェイセズを思わせるメロの良さを併せ持っていた。その点で、他のパンクスとは一線を画していた、ポール・ウェラーを中心とする3ピース・バンドのファースト・アルバム。タイトル・ナンバーは歴史的な名曲!(松永)

SHAM 69 『Angels WIth Dirty Faces』 Essential Oiパンクの土台を築いたシャム69。ド直球のシンガロング・コーラスとアジテーション、ワーキングクラス出身という身近さもあって、リアルなストリートからの支持を集めた。しかし、共に彼らのファンであったパンクスとスキンズとの対立が激化、バンドも解散してしまうが、88年に復活を遂げる。(鬼頭)

THE SEX PISTOLS 『Never Mind The Bollocks』 Virgin 過激なまでの反権力を掲げ、たび重なる放送禁止措置にも関わらず堂々のチャート1位を獲得したファーストにして唯一のアルバム。後世パンクのサウンド/ヴィジュアルだけでなく、一般カルチャーにまで圧倒的な影響力を誇った彼らの生き様がここに。邦題は〈勝手にしやがれ〉!!(松永)

BUZZCOCKS 『Another Music In A Different Kitchen』 EMI パンク史上初となる自主制作盤を発表するなど、そのDIY精神を体現したバンド。そんな彼らのファースト・アルバムは圧倒的にメロディック。この疾走感は時を経た現在でも新鮮に響いてくる。現在のメロディック・パンクだけでなく、USオルタナティヴ・シーンにも多大な影響を与えた傑作。(松永)