ゴスペルという音楽に対する誤解もいい加減に解けてきているはずなので詳細は省くけど、いわゆるアーバン・ゴスペル（≒コンテンポラリー・ゴスペル）が世のR&Bやヒップホップとまったく同じサウンドを持って作られている以上、オーガニック・ソウルがあればそれと同種のヴァイブを持ったゴスペルもあって然るべきでしょう。その代表格が、昨年の『My Diary, Your Life』で注目を集めたリサ・マクレンドン。このたびメジャー・リリースされた新作『Soul Music』も、アレンジの幅を増した上質な生のヴァイブに、ローリン・ヒル似とも評されるザラザラ加減が心地良いヴォーカルに聴き惚れる仕上がりです。
で、いま名前の出たローリン……といえばフージーズですが、彼らを彷佛とさせるオーガニックなヒップホップ・スタイルでゴスペルを奏でていたのが、人数／男女比も同じスピリチュアル・ピーセズ。アルバム2枚で惜しくも解散した彼らですが、メンバーのフォンスはソロ・デビューを果たしたばかり（ディスクガイド↓を参照）。人気のアーバン・ゴスペルと、定着したオーガニック・ソウル、その両要素を満たす〈オーガニック・ゴスペル〉作品は今後も増えていくことでしょう。
