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第6回 ─ P2Pネットラジオの大本命「PeerCast」のしくみ

第6回 ─ P2Pネットラジオの大本命「PeerCast」のしくみ(2)

連載
デジタルミュージックガイド
公開
2003/03/13   12:00
更新
2003/03/20   17:59
テキスト
文/四本 淑三

P2P接続でネットラジオを聴こう その1

さて、ここからがようやく本題。そうした技術的問題を一挙に解決するのが、ここで紹介する「PeerCast」というアプリケーションなのだ。
 
PeerCastはネットラジオのレシーバーである。と同時に、送信するためのサーバーでもある。この1台2役の機能がミソなのだ。まずPeerCastを起動すると、インターネット上にいる他のPeerCastユーザーを探し始める。他のユーザーが見つかると、そのユーザーが受信しているチャンネルの情報をゲット。めでたく貴方はその放送を聴くことができるようになる。

 一方、貴方がゲットしたその情報は、さらに他のPeerCastユーザーへも中継されている。そして貴方から情報を受け取ったユーザーは、さらにまた他のユーザーにその情報を……。という具合に、ユーザーを順繰りに中継していくことで、PeerCastの放送は成り立っているのだ。こんな風にユーザー間で成り立つネットワークの仕組みを「P2P」と呼んでいる。同じ仕組みを使ったソフトとしては、ファイル交換ソフトのGnutellaが有名だが、PeerCastにはファイル交換の機能はなく、オーディオストリームを中継するだけだ。

 いずれにしても、P2Pのメリットはアクセスが1箇所に集中しないこと。PeerCastの場合は、大規模なサーバーや太い回線がなくても、大勢のリスナーに音声の配信ができることだ。必要なソフトウェアも無料で使えるし、設定も簡単。誰にでも使えるのがいい。だから「そんな風に説明されてもよくわからん」という人には、さっさと使ってみることをお勧めする。
 
現在のところLinuxとWindowsでしか使えないのが残念だが、ここではWindowsを使うことを前提に、どんなものなのかを簡単にさらっておこう。以下、お約束の前置きだが、ここで紹介するソフトウェアはユーザーの自己責任においての利用となる。これらのソフトを利用することで仮にあなたが不利益を被ったとしても、誰も責任を負ってくれないのでそのつもりで(編集部注:音楽ファイルを著作権者・著作隣接権者の了解を得ずにインターネット上で配信することは著作権法で禁じられています)。
 


PeerCastのwebインターフェイス画面

 まず何はなくともPeerCastのインストール。PeerCastを起動すると、モニター画面右下のタスクバーに、メガホン型のアイコンが表示される。これがPeerCast稼動中のサインだ。これを確認したら、webブラウザを起動してURL欄に[http://localhost:7144]とタイプする。これでwebブラウザにPeerCastの状態が表示される。
web画面の「All channels」をクリックすると、放送中のチャンネル一覧が出るはず。何も表示されなくても焦らなくていい。あなたの存在を、他のPeerCastホストに伝えるのに時間がかかっているのだ。チャンネルの数は絶えず増えたり減ったりを繰り返しているが、これは放送を始めた人、途中で止めた人が絶えずいるため。だからいい調子で聴いていても、いきなり放送が終わってガックリくることもある。まあ、放送している側の都合というのもあるだろうから、あまり目くじら立てないように。