1年以上在籍したバンドはフー・ファイターズのみ
1995年には、ニルヴァーナのドラマー、デイヴ・グロール(ちなみに、もとTower RecordsワシントンDC店のスタッフ)が、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズでのドラマーを短期間務めた後、フー・ファイターズを結成し、そこではギタリスト兼ボーカリストを務めるようになった。グロールはサブポップ・レーベルのバンド、サニーデイ・リアル・エステートにも参加していたパットをセカンド・ギタリストとして採用。しかし、1997年9月4日の「MTV Video Music Awards」での演奏の真っ最中にバンドから脱退するアトラクションを敢行、その場で後任者にギターを手渡し、新メンバーで演奏を終わらせた。ジャームス以来、パットが1年以上在籍したバンドはフー・ファイターズのみだ。彼によると、メジャーレーベルに在籍する数々のバンドを経験しながらも、彼自身はメジャーレーベルと契約したことがないそうである。
最近では執筆作業に勤しみ、間もなく出版されるであろうその本 『If These Guitars Could Talk』には、彼が所有する約100本のギターの写真やそのギターに関わっている人々との逸話が盛りこんである。にもかかわらず、驚いたことにそれらのギターのいくつかを、ネットオークションの「eBay」にかけているらしい。
そういえば、結局リリースされることのなかったニルヴァーナの楽曲“ユー・ノウ・ユーアー・ライト”はライブパフォーマンスでは演奏したものの、2002年11月リリースの『BEST』(ニルヴァーナのベストアルバム)のバージョンには参加していない。しかし一方で、1994年にカート・コバーンの自宅で録音した音源に、ギターをパットが、ベースをホールのEric Erlandsonが、ドラムスとボーカルをカートが担当したものが発見されている。“Dough, Ray and Me”というタイトルの楽曲が収録されているらしい。
パットは甘い物好きで、テレビ鑑賞とボクシングが大好きだ。しかしインタビューは大の苦手。めったに受けることはない。
ソニック・ユースの“Screaming Skull”のコーラスでくりかえし名前を歌われているのが、パット・スミアである。