THE BEATLES
『Live At The BBC』Apple/EMI
ほかのバンド同様、世界のアイドル4人組だって、初期は〈ヤァ!ヤァ!ヤァ!〉とライヴをしまくっていた。62年から65年の間に残したこのライヴ音源には、後期にみられる緻密なポップ・センスはない。初期のヒット曲、彼らがこよなく愛したロックンロールの荒っぽいカヴァーでジョンもポールも唾吐きまくり!(米田)
LED ZEPPELIN
『BBC Sessions』Atlantic
これまでブートでしか聴くことのできなかった69年のセッションと71年のライヴ音源からなる2枚組。これほどまでにBBC音源の公式リリースが待ち望まれ、衝撃的だったものはほかにないのでは? 69年6月のセッションで聴ける3テイクの“Communication Breakdown”にロックのなんたるかを思い知らされるはず。(石田)
SMALL FACES
『The BBC Sessions』Strange Fruit/ゾンバ
永遠のモッズ・ヒーローがデビューして解散するまで、65年から68年にBBCに残した黒い軌跡。R&Bからの影響を吐き出した初期、フラワーな時代に生み落とされたサイケデリックな後期、すべてスタイリッシュにダイナミックに演奏されている。ポール・ウェラーも聴いていたはず。(米田)
BADFINGER
『BBC In Concert』Strange Fruit/ソンバ
名作『Straight Up』と4作目『Ass』がリリースされた期間、72~73年のBBCプログラム〈In Concert〉でのライヴ音源を集めた一枚。過渡期の録音だけに、ヒット曲は〈元祖パワー・ポップ〉の代名詞“Come & Get It”のみを収録。隠れた名曲“Suitcase”のライヴ版が聴けるので、ファンは必携。(木村)
DR.FEELGOOD
『BBC Sessions 1973-1978』Grand/MSI
全21曲のうち、13曲が初代ギタリスト、ウィルコ・ジョンソン時代(73~75年)、残りの8曲が二代目ジョン“ジッピー”メイヨ時代(75~78年)の録音。ギターの音色は変わっても、ライヴで本領発揮するタイトな演奏は、いつ聴いても素晴らしい。全盛期&円熟期を真空パックした一枚。(木村)
DAVID BOWIE
『Bowie At The Beeb』EMI
BBCに残された数多くの音源のうち、68~72年のものから厳選。一介の才能ある流行歌手から孤高のグラム・ロック・スターへと覚醒していく軌跡を捉えた名作2枚組。〈デヴィッド・ボウイ的〉としか形容できない、強烈な妖気をまき散らしながらの演奏は鳥肌の連続。ロック史の展開点を体験できます。(木村)
THE JAM
『At The BBC』Polidor
ギリギリのテンションを保ちながら、爆発的なスピードで進化していったジャムの姿を見事に捉えた2枚組。初期衝動全開の77年パンク期と、ソウル/ファンク色を強めながら唯一無二のバンドへと変貌する過程であった79年から81年の期間を、〈John Peel Session〉と〈In Concert〉からセレクト。(木村)
QUEEN
『At The BBC』Hollywood
名ライヴ盤『Live Killers』(79年)からさかのぼること6年。デビュー間もないクイーンのナマ録。すでにスケールの大きさを感じさせる音の佇まいは、もうスタジオから飛び出しそうな勢いで。オリジナルのスタジオ盤やライヴ盤をすべて含めても、こんなにホットなロジャー・テイラーのドラムプレイは聴いたことがない。(久保田)