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第2回 ─ まだまだ健在、ディクテイターズ

第2回 ─ まだまだ健在、ディクテイターズ(3)

連載
Sonically Speaking
公開
2002/08/01   16:00
更新
2002/08/08   15:27

僕らの観客には、モヒカン刈りの18歳がいるかと思うと、子連れの45歳もいる

──ツアーはどんな調子ですか。

 ここまでのところ、順調だね。僕らは<パーティーバンド>だから、週末しかやらないんだ。みんな日常から逃避するために来てくれているようだね。酔っ払って、拳を突き上げて、そして一緒に唄ってくれるんだ。だから、月、火と水曜日はやらない。ほとんどの人が、次の日に仕事があって、汗をかいたり酔ったりしにくいからね。

──どんな客層が来ているんですか。

 18歳から45歳ぐらいまで、まぜこぜだね。そういえば、あるプロモーターに言われたよ。<観客に、モヒカン刈りをした18歳の若者がいるかと思えば、一方で子連れの45歳のおじさんがいる、そんなバンドは君たちぐらいだね>って。

──ディクテイターズが特にスペインで人気があるのはなぜ?

 自分でもよくわからないよ。おそらく、バンドの持つ人生観がスペインのライフスタイルに合うんだろうね。スペインといえば、世界の中でもパーティー国だろ。彼らの哲学というのは、生きるために働く、というものなんだ。アメリカ人は逆で、働くために生きているようだけどね。スペイン人は楽しく時間を過ごすのが好きで、僕らはそれを与えているんだ。

 9月には、スペインのヘレスで、更生したハノイ・ロックス、それとバックヤード・ベイビーズ、スーパーサッカーズ、ヘリコプターズ、さらにサザン・カルチャー・オン・ザ・スキッズと一緒にイベントに出るよ。どのバンドも、世界規模では僕らよりも多くのCDを売っているだろうけど、スペインでは僕らがメインアクトをつとめて、トリもやるんだ。

──最近は、自分たちのレーベル、Dictators Multi-Mediaからディクテイターズの作品を再発していますが、自分のレーベルを運営するのは、どんなかんじ?

 仕事はずいぶんと増えたけど、ゴマをすることも、人に媚びへつらうこともないし、何よりも儲かるね。

──ディクテイターズのどのメンバーも、各々個人でも活動をしているようだけれど、それは主にどんなもの?

 僕自身は、ワインのコンサルティングをやっている。ハンサムは自分のバー、を経営してるし、ドラマー“サンダーボルト”パターソンはテレビ役者をやってるね。あと、ギターのスコット・ケンプナーはロスのレコード店Rhino record storeで働いているし、ロス・ザ・ボスは奥さんとニューヨークで自営業をやっているよ。

──ジョーイ・ラモーンのソロ・アルバムは、どうやって実現したのですか?

 これは、ずいぶんとゆっくりとした長い過程だったね。ジョーイはソロで出したいって、15年間も言いつづけてきたんだ。ラモーンズが活動を終えて時間はできたんだけど、残念ながら持病か、あるいはそのための薬物の副作用に苦しんでいることが多かったんだ。たくさんの曲を書いてはいたんだが、ようやくそれを10曲に絞りこんでレコーディングをしたんだ。リハーサルの時点で調整をすませてたから、レコーディングそのものはスムーズに、簡単にできたよ。最高のアルバムに仕上がってぼくも大好きだ。あとは、ジョーイ本人がこの成功を一緒に喜べたらよかったんだけどね。

──ディクテイターズのこれからは?

 もう6月だし、アメリカとカナダのツアーはすべて終えたところ。今年の夏は、次出すライブCDのために、テープを聞きまくっているよ。8月にはオーストラリアに、9月にはイベントのためにスペインに行くし、その後11月には、スペイン中をツアーする予定になっているんだ。