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第2回 ─ まだまだ健在、ディクテイターズ

連載
Sonically Speaking
公開
2002/08/01   16:00
更新
2002/08/08   15:27
テキスト
文/キース カフーン

パンク誕生以前からパンクを奏でていたディクテイターズ(The Dictators)。いわば時代の<生き証人>でありながら、伝説として葬り去られることを拒否し、いまもリアルタイムで積極的に活動を続けるオリジネイターである。その現在の立ち位置を、キース・カフーンが、インタビューを交えてレポートする。──継続はパンクなり!?

 これを読んでいる誰よりもパンクな彼ら。それもそのはず、パンクが生まれる前にパンクロックを奏で、そして1975年頃にニューヨークで始まった<パンクロック>を、世にたたき出したのも、彼らなのだ。ディクテイターズはこれまで、そして今でも、偉大なる<しかるべき称賛を受けていない>パンクロックのヒーローたちのひとつであり、認知されることすらほとんどない。

 1974年に結成されたこのバンドは、最初はストゥージーズ、ザ・フー、ビーチボーイズやプロレスの影響を受け、鋭いユーモアを絡めたアグレッシブなロックを演奏していた。音的に、彼らをニューヨーク・ドールズとラモーンズの<つなぎ>のように話す人もいる。しかし、ニューヨークで先に有名になったのは、実はラモーンズではなく彼らであり、またメジャーレーベル、エピックと契約を交わしたニューヨークパンクバンドたちの先駆者となったのも彼らなのである。

 デビューアルバムの『Go Girl Crazy』は当初はわずか6,000枚しか売れなかったうえに、何人かの気取った音楽評論家からは不快とまで言われたが(デイヴ・マーシュ、君のことだよ)、今日では伝統的なパンクアルバムとして捉えられている。