崩壊、再結成、そして現在進行形のロックバンドに...
その後彼らは、引き続き2枚のスタジオ録音のアルバムを製作したが、どちらかというと一部熱狂者向けのバンドでありつづけた。活動を始めた当初から、ドラマーが頻繁に変わるなどしていたが、3枚目のアルバムのあたりからバンドは本格的に崩壊し始めた。
当時の日雇いベーシストマーク・メンドーザはツイステッド・シスターに、またリードギターのロス・ザ・ボス・フニチェロ/フリードマンはシェイキン・ストリート、それからマノウォーに参加する一方、リズムギタリストのトップ・テン・ケンプナーがデル・ローズを結成し、アンディ・シャーノフはプロデューサーとして活動を始めた。ボーカルのハンサム・ディック・マニトバは、シャーノフがプロデュースしたもとのバンド、マニトバズ・ワイルド・キングダムとともに再浮上し、その後のディテクテイターズの活動を支援する形となった。バンドの核であったシャーノフ、マニトバ、フリードマンとケンプナーはその後も交友を続け、時折再結成のライブをすることもあった。それらのライブの一つの音源が、『Fuck 'em If They Can't Take a Joke』という名でROIRからリリースされている。
またバンドとしては、多くのベテランパンクバンドとも交流を持ち、例えばジョーイ・ラモーンなどとはパフォーマンスをともにすることもあった。再結成は非常に好評で、それをきっかけにスペインでのライブや、彼らのトリビュートアルバムなど様々なオファーがくるようになる。そこで、<オールディース>入りしたくないと考えた彼らは、新しいアルバムのレコーディングをするべく、スタジオに入ることを決意、リリースされた作品は『Dictators Forever, Forever Dictators』と名づけられ、現在発売中である。
これが、また素晴らしい! 若干ロカビリーテイストを帯びた曲“What's Up With That”は、すでに映画「Boys Don't Cry」で使用されており、アルバムそのものは新聞各紙の2001年のランキング上位10位以内にあげられ、「プレイボーイ」誌では、10点中9点の評価をされている。音は少しずつ変化を持たせてあるが、すべてロック、八百長ものの曲は一切ない。個人的には“Pussy and Money”と“Jim Gordon Blues”がとくに気に入っている。ディクテイターズが現在行っている、アメリカとカナダのツアーはべた褒めの批評を受けている状態だ。
そんなディクテイターズの黒幕、アンディ・シャーノフとメールでやりとりしてみた。