BRIGHT EYES
『Letting Off The Happiness』(1998)
若きシンガー・ソングライター、コナー・オバーストを中心とする不定形ユニッ ト。前作は宅録で初期音源集という意味合いが強く、これは2作目ながら実質 的なファースト・アルバムだといえる。また半分は地元ネブラスカ、残りはア センズでエレファント6周辺の面々と録音された興味深い作品となっている。 19歳とは思えないほどに深い絶望や悲しみを湛えた震える声、そして絶叫はか つてのヘイデンもかくやというほど、こちらの心を掻きむしる。(畠山)
LULLABY FOR THE WORKING CLASS
『Song』(1999)
ブライト・アイズのみならずいろんなところに顔を出し、秘かな超重要人物で あるマイク・モーギスと、カーシヴでギターを弾くテッド・スティーヴンスを 中心とする大所帯バンド。バンド名の由来はトルストイの文学作品から。これ はオルタナ・カントリー風のサウンドに、よりシカゴ音響派に通じる繊細さを 獲得した3作目。ラムチョップあたりに通じる実に芳醇なサウンドを聴かせて くれる。CDはバー/ナンから発表されている。(畠山)
CURSIVE
『Cursive's Domestica』(2000)
レーベルの看板バンドでもあり、常にリアルなエモーショナリズムを追求して きた彼らのサード・アルバム。カオティックなニュアンスを踏まえながらもロ マンティックな唄を聴かせてくれるこのバンドは、〈激〉と〈静〉を区別し、 そのコントラストでアピールするのではなく、あえて対峙する両者を同居させ ることによって、独自の世界観を確立している。そんななかから生まれたやす らぎの唄は、シーンでも強烈な個性を放っている。(斎郷)
SON,AMBULANCE
『Euphemystic』(2001)
ブライト・アイズの元メンバーであるジョー・ナップがスタートさせたバンド。 ブライト・アイズとのスプリット・アルバムを経て、昨年秋にリリースされた デビュー・アルバムが本作品。ブライト・アイズと同様にフォーキーな唄心モ ノなのだけど、アチラに比べると幾分軽やか。ピンバックあたりに通じるチー プかつ巧みなサウンド・センスのなかに、ピアノを中心とした70年代のシン ガー・ソングライター~AORもののエッセンスが感じられる。(畠山)
THE FAINT
『Dance Macabre』(2001)
いまやブライト・アイズを越えるほどの人気バンド。なんとノー・ダウトが気 に入っちゃって、いっしょにツアー回ってるっていうんだから! 驚異のエレ ポップ・スタイルはゲイリー・ニューマン~デュラン・デュラン~ヒューマン・ リーグ~デペッシュ・モードも真っ青。ヴォーギングでダンスダンス!でございます。しかしコレが全くダサく感じなくなっちゃってるから、時の流れって 不思議よねぇ。ネブラスカの問題児3作目!(小林)