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第12回 ─ SADDLE CREEK

連載
U.S. LABEL GUIDE
公開
2002/05/16   00:00
更新
2002/07/22   16:39
ソース
『bounce』 231号(2002/4/25)
テキスト
文/小林 英樹

にわかに騒がしくなってきたネブラスカ発のレーベル

 さてさて、今回はサドル・クリークを紹介しましょう!……とはいっても、〈ピン!〉と来る方は少ないかな~。ではコレでどうでしょう?〈ブライト・アイズが在籍する……〉。どうです、ビンビン来ちゃいましたか!? そんな彼らが所属しているオマハ州ネブラスカのレーベルです。どうしても彼らがデカい存在なので、そっちのほうに目が行っちゃうのは仕方ないんですけど、それを上回るほどの激もんリリースがこのところは続いているのです。そう、確実にアメリカを代表するインディー・レーベルのひとつになったんですねぇ~。

 レーベル・オーナーはロブ・ナンセル。その設立は93年というから意外とベテラン。大学生のときに活動を始め、よくあるパターンのカセットテープ・リリースで本格始動。しかし、一発目がコナー・オバースト君(ブライト・アイズ)のソロなんですね。ちなみに彼は当時14歳でありました。のちにポールキャットやスマッシュ・マウスなどの作品を経て、6発目には伝説のコマンダー・ヴィーナスを発表。なんとこのバンドは、ロブとコナー君が在籍するパンク・バンドなのでした。その後もカーシヴ、ララバイ・フォー・ザ・ワーキング・クラスと現在のレーベルを代表するバンドの作品をリリース。しかし当時レーベルは、ランバー・ジャックという名で活動をしていました。個人的な憶測になってしまいますが、オハイオに同名のディストリビューターが存在するので、名前を変えたのではないかと……。その名残りもあって、現在もサドル・クリークのレコード番号は〈LBJ〉で始まります。

 98年、新たなスタートを切ったサドル・クリーク。その一発目はブライト・アイズのアルバム『A Collection Of Songs Written And Recorded 1995-1997』。その後はフェイント、サン・アンブランス、グッド・ライフと地元のバンドをサポートする形で着実にリリースを重ね、最近ではアセンズから二つのバンド、アズール・レイ、ナウ・イッツ・オーヴァーヘッドもリリースし、さらなる広がりを見せています。今後もメイデイ、ジェシ・サイクスといった新顔や、看板、ブライト・アイズの新作も控えているようなので、これからもサドル・クリークには目が離せません。