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第8回 ─ Krankey

レーベル・ディスク・ガイド(1)──クランキー、とっておきの10枚をご紹介!!

連載
U.S. LABEL GUIDE
公開
2001/12/06   00:00
更新
2002/07/22   16:37
ソース
『bounce』 227号(2001/11/25)
テキスト
文/小林 英樹、畠山実、柳沢祐至


PAN AMERICAN
『Pan American』1998


めっちゃ海底系。ラブラッドフォードのギタリスト、マーク・ネルソンによるソロ・ プロジェクトの1作目です。壮大でゆったりとした波のグルーヴと、ブクブク海上を めざし舞い上がり続ける優しいビート。視界は変わらずとも、確実に舟はドンブラコ 、ドンブラコと進んで行くのです。美しく安らかな独りぼっち電子旅行は北の上の上 のほうへ……。トラディショナル、クラシカル、エレクトロニクス、すべてがあいま って実現した至福の世界。(小林)

GODSPEED YOU BLACK EMPEROR!
『Lift Your Skinny Fists Like Antennas To Heaven』2000


あれよあれよという間に日本盤もリリース、そして来日公演まで果たし、レーベルへ の注目度を一気に高めた、カナダはモントリオールの9人組インストゥルメンタル・ バンドのセカンド・アルバム。バンド名は日本の暴走族映画から。2枚組全4曲という壮大な構成を、弛緩と緊張の絶妙な狭間で駆け抜ける。ハードコアの精神と映画音楽にも通じるスケール感を併せもった希有なバンド。次作はスティーヴ・アルビニがプ ロデュースの予定!(畠山)   


LABRADFORD
『Fixed::Context』2001


リッチモンドで結成されて以来、6作目となる本作は、スティーヴ・アルビニのプロデュースのもと、シカゴの名スタジオ、エレクトリカル・オーディオで録音された気 合いの一枚!タイトルが物語るように本作は、2編の関係によって成立するコンセプ ト色が強いもの。序盤はアコースティックなギター・インストの音響的な世界だが、 ラストの16分におよぶ反復ビートに幾重にも重ねられたループ/コラージュが、壮大 かつ荒廃的な空気を放っている。(柳沢)

LOSCIL
『Triple Point』2001


〈熱力学、すなわち物理的な科学の概念に基づく……〉ってコンセプトで、ニュージ ーランドのレーベル、インヴォルヴからもシングルを発表しているヴァンク-ヴァー のスコット・モーガンのソロ・プロジェクト。だけど、難しすぎて……??(笑)。そこに感じるのは、クーラーの下で背中に寒気が走る瞬間や、暖房の傍でボ~っとして るときのまったり感みたいな、ベーシック・チャンネルあたりのテクノ系の霧雲のな かにいるような、視界ゼロの世界。(柳沢)


JESSICA BAILIFF
『Hour Of The Trace』1999


同郷であるロウのメンバーと仲良し……ってなわけで、今作にもメンバーがプロデュ ースおよび参加しています。ミネソタ産サイケデリック歌姫の2作目。エレガンス・ ビューティーなアコースティック+ファズ+エレクトロニカ・サウンドに包まれて、 姫は妖艶ロリータ・チックに切々と声を発してくれます。それも耳元でやんわりと。 マジー・スターとアザリア・スネイルの中間といったところでしょうか。ロウと双璧 を成すクランキー歌心派。(小林)

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