ニュース詳細

ルーツを観て思う、ヒップホップの〈あの頃〉と〈これから〉(from NEW YORK)

 Hip hop year is like dog years――〈ヒップホップの1年は犬並みに進むのが早い〉とはよく言ったもので、5年前の話なんて遙か彼方。5月18日と19日の両日、最上級ステータスのラジオ・シティ・ミュージックホールで、ルーツと仲間たちがマイクを回すのを見ながら不思議な感慨に囚われた。ブラック・ソートの横にスクラッチはいないけどラーゼルが戻っていて、アンダーグラウンドの代名詞だったモス・デフはいまではハリウッドで活躍している。あ、天国に旅立ったジェイ・ディー(J・ディラ)のトリビュートにスラム・ヴィレッジが出てきた。この人たちのファーストは大騒ぎして探したっけ、スキルズやビラルも久々、デイヴ・シャペルはTVで一躍有名になったし、目玉のエリカ・バドゥは……ああ、歌が上手くなっている。ロウカス、ソウルクェリアンズ、オーケープレイヤー、〈Black Lily〉、ネオ・クラシック・ソウル、フィリー・ブーム。お祭りのレッテルはいろいろあったけど、大切なのはルーツが音を出し続けていること。どのアーティストも90年代後半を飾った名曲と共に最新の成果を披露していること。ラストはハスラーから社長に昇り詰めたジェイ・Zがルーツをバックに“Encore”。ええ、あなたたちには何度でもアンコールしますよ、いっしょに歳を取っていきましょう。犬並みのペースは困るけど。(レポート/池城美菜子)

掲載: 2006年06月26日 12:00

更新: 2006年06月26日 22:07

  • ただいま開催中のおすすめセール&キャンペーン
  • KAWAII SALE ~TOWER RECORDS WINTER SALE 2025-2026~
  • Mikiki - music review site