無差別級・音楽の異種格闘技戦!?(from OSAKA)

　今年もこの季節がやってきました。インターナショナルなアヴァンギャルド～即興音楽が一堂に会する、大阪名物〈FBI（Festival BEYOND INNOCENCE）〉。音楽家の内橋和久が96年にスタートさせ、今年で早9回目を迎えるイヴェントだ。いかにもそのテな催しかと思いきや、特に4年前、大阪の新世界〈ブリッジ〉に場を移して以降は〈無知への挑発、無垢への挑戦〉といったメッセージに呼応するように、あふりらんぽ、ZUINOSIN、OORUTAICHI、半野田拓といった〈ゼロ世代〉がゾクゾク参戦。彼らが持ち前の反射神経で即興シーンの大御所にも臆することなく渡り合う、スリリングで風通しの良い場が生まれている。

　開催は12月9日（金）～11日（日）の3日間。詳細は〈www.beyond-innocence.org/〉を見てほしいが、エリオット・シャープ、ハンス・フェレスタッド（映画「MOOG／モーグ」の監督!）、カール・ストーンといった海外の現代音楽家から、山本精一の、Hacoの新ユニットが、はたまたオシリペンペンズ、SUSPIRIA、ドラびでお、三田村管打団?までもがいっしょに観れちゃう異種格闘技っぷり。〈即興音楽は人前で演って、現場の反応を採り込んでナンボ〉の精神は、いまやリング外の聴衆にも広がって……。3日目の恒例選抜セッション大会の〈巻き込まれる快感〉を体験したら、アナタの音楽観が変わっちゃうかも?(レポート／井口啓子)