注目の〈BET Awards〉が発表!!　でも、（やっぱり）いろいろあったようで・・・

　NAACPの〈Image Awards〉や、〈Soul Train Awards〉など、黒人による黒人のためのアウォード・ショウのなかでは第2回と新しいものの、ケーブルTV局が主催しているだけに注目度が高い〈BET Awards〉が先ごろ行われた。BETとは〈Black Entertainment Television〉の略、ということで、音楽のみならずスポーツや映画の分野で活躍した著名人にも賞が贈られるのが特徴となっている。

　今年は功績賞にあたる〈ヒューマニタリアン・アウォード〉にモハメド・アリが輝くと同時に、娘のライラ・アリも〈最優秀女性アスリート〉に選ばれて、親子で受賞。また、〈最優秀グループ〉にアウトキャスト、〈最優秀男性R&B〉にアッシャー、〈新人賞〉がアリシア・キーズと人気アーティストが順当に受賞した。さらに、さまざまな賞にノミネートされながらも、実際に受賞する機会がほとんどなかったジャ・ルール（最優秀男性ヒップホップ）とインディア・アリー（最優秀女性R&B）が雪辱を果たしている。〈最優秀アクター〉は、オスカーをデンゼル・ワシントンに渡したウィル・スミスがこちらでは勝者に、〈最優秀アクトレス〉はまたしてもハリー・ベリー（日本ではなぜかハル・ベリーと表記されている）が獲得。〈ライフ・タイム・アチーヴメント〉はアース・ウィンド&ファイアで、ジェラルド・リヴァートとトゥイートがオープニングを飾った彼らのメドレーがこの夜いちばんの盛り上がりとなった。またパフォーマンスでは、自分自身のパートのほか、アシャンティとメアリーJ・ブライジの曲で共演したジャ・ルールが最多登場を記録。視聴者の人気投票で1位だったB2Kもマイケル・ジャクソンのステップを盛り込んだパフォーマンスで喝采を受けた。

　一方で、緊迫する場面もあった。出所した（デス・）ロウ代表のシュグ・ナイトが、スヌープ・ドッグの近くに迫って口論を吹っかけたのだ。生中継だったためにその場面もしっかりカメラの端に捉えられてしまい、その後ステージに上がったアリシア・キーズが「私たちは、いままで多くの尊い命を理由もなく失ってきたのだから、これ以上そういう間違いをしでかす必要はない。この賞は亡くなった人たちに捧げます」と機転の利いたスピーチで事を収めた。また、2年連続で受賞したアウトキャストのビッグ・ボーイは、ダンジョン・ファミリーの仲間であるクージョー（グッディー・モブ）が前日に交通事故に遭い、片足を無くす事態になったのを受け、この賞を彼に捧げた。アウトキャストの片割れ、アンドレ3000はクージョーに付き添うため、出席しなかった。