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インタビュー

清塚信也

カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2012年10月29日 19:14

ソース: intoxicate vol.100(2012年10月10日発行号)

取材・文 東端哲也

©Hirofumi Isaka

クラシック界のマルチピアニストから、さらに唯一無二の高みへ!

リサイタルなどの演奏活動に加えて、様々な分野の才人たちとのコラボ、TVやラジオ出演、エッセイの連載など、複数の分野で異彩を放つマルチピアニスト、清塚信也。7月にはチャージ・アップ(疲労回復)をコンセプトに、ガーシュウィンの名曲から日本映画のテーマやゲーム音楽、自身のオリジナル楽曲まで〈気分をアゲる〉ピアノ・サウンドを集めたアルバムをリリースし好評を博した。

「以前友人に、クラシックで聴きたい曲がないか訊いた時に、久石譲さんや坂本龍一さんの映画音楽が挙がって、なるほどなって妙に納得したんですね。クラシックって実は定義が曖昧で、もはや新しいか古いかでは線引きできないと思う。だから自分は難しく考えないで、ガーシュウィン作品も映画やゲームのための音楽も、ピアノで弾ける美しい曲は全て、クラシックの演奏家として積極的にとりあげたい。1台のピアノで繰り広げられる、いろんな性格の音の風景を楽しんで元気を出してもらえたらと思って、作ったアルバムです」

2007年のCDデビュー前に、人気TVドラマ『のだめカンタービレ』で玉木宏演じる〈千秋真一〉のピアノ演奏音源をすべて担当。映画『神童』では松山ケンイチ演じる〈ワオ〉の吹き替え演奏とピアノ指導にあたったことで知られる彼だが、2013年初春に全国公開予定の映画『さよならドビュッシー』の〈岬洋介〉役での出演が決まっている。映画の原作は2009年に宝島社の“このミステリーがすごい! 大賞”を受賞した中山七里の同名小説。

「まだ映画の話が出る前に、著者の中山さんから『読んで感想を聞かせて欲しい』という手紙と一緒に、直々に本を送っていただいていたんです。後に、映画化されるんだけどって聞いて、僕はてっきり中山さんが推してくれたのかなと思っていたら、オーディションのスタッフは特に何も知らなかった。とにかく〈岬洋介〉というキャラクターは、将来を有望視されているピアニストでありながら名探偵というユニークな人物。僕は司法試験にトップで合格する程優秀ではないけれど、割と冷静で理屈っぽいところが似ているかもしれないなって。自然体だし、少なくとも『のだめ』の千秋よりは全然共感できる(笑)」

映画では橋本愛演じるヒロインにピアノを教える役柄であり、撮影現場で彼女の演奏を指導する役目も担った。

「今回は、自分の芝居から現場の裏方まで全面的に関わることができて嬉しかった。映画好きなので利重監督とは専門的なやりとりもできたと思う。それに、ピアノを弾けない役者さんをスクリーンでそれらしくみせるノウハウにはかなり自信があります。その辺りの実績も買われて起用されたのかも。上手く音を出すことよりも動き方やタイミングが大切で、特に手首の波打つような柔らかい動きがポイントで…って、これで一冊本が書けそうですね(笑)。ぜひ、橋本さんのピアノ演奏にも注目してみて下さい。また、監督が非常に音楽的なこだわりを持っているので、それちょっと映画にしては長過ぎないですか? って思うくらい、音楽をじっくり聴ける作品に仕上がっていると思います。ちなみに〈岬洋介〉がピアノを弾いてセリフを喋るまで、ワンカットで(手元もしっかり映しつつ)撮ってあるのも、ピアニストものの音楽映画としては画期的ではないでしょうか」

生誕150周年を迎えて、何かとドビュッシーが話題な今年。来春の映画公開に向けて絶好のタイミングだ。

「僕はルネサンス以降、西洋文明の根幹にあるのは、芸術であれ科学であれ宗教であれ“ハーモニー=調和”だと思うのですが、ドビュッシーの魅力もあの絶妙なハーモニーです。しかも和声に作為的にせよ恣意的にせよ東洋的なものを感じさせる。だからもっと日本では一般的なレベルで親しまれてもいいはずなのに、なかなかこれまで主役になれない作曲家なのが残念でした。映画を観たら絶対、ドビュッシーが聴きたくなりますよ」

11月にはCDデビュー5周年を記念するリサイタルを東京と横浜で開催する。

「30歳の誕生日でもある13日は昼夜2回の公演で“名作映画とクラシックの出会い”がテーマ。個人的に映画とクラシックのコラボで最強だと思うのは『ベニスに死す』のマーラーですが、物語とオペラの持つ悲劇性がシンクロしていた『ゴッドファーザー Ⅲ』の《カヴァレリア・ルスティカーナ》も見事だと思いました。21日の横浜公演ではドラマやCM、そしてゲームの音楽も演奏します。ゲーマーとして云わせてもらうと、ゲーム音楽って日本が発展させた素晴らしい音楽文化のひとつだと確信しています。テクノロジーの進化と比例してサウンドの幅も劇的に広がってきたし、今やファンの数としては映画音楽より確実に多いと思う。今後も期待して損はないですよ!」

LIVE INFORMATION
『K's PIANO SHOW 2012』

11/13(火)〈第1回(昼)〉14:00開演 〈第2回(夜)〉19:00開演
会場:ヤマハホール
11/21(水)19:00開演
会場:横浜みなとみらいホール  大ホール
http://shinya-kiyozuka.com/

FILM  INFORMATION
映画「さよならドビュッシー」

原作:中山七里「さよならドビュッシー」
監督:利重剛
出演:橋本愛、清塚信也
◎2013年初春 全国公開予定




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