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インタビュー

INTERVIEW(2)――スポーツのビート感

カテゴリ : ニューフェイズ

掲載: 2011年07月27日 18:00

更新: 2011年07月27日 18:39

インタヴュー・文/土田真弓

 

スポーツのビート感

 

MONICA URANGLASS_A2

 

――なるほど。他のメンバーの皆さんは、68さんが持ってくるトラックの変化に何か感じるところはありましたか?

GEORGE「うちの母ちゃんとかよく言うんですけど、〈なんでも自信を持ってやれ〉って。だからもう、なんでもやったらいいと思って」

――突然母ちゃんが出てきましたが……まあ、ともかく支持すると。

68「そういうメンバーです(笑)」

――例えば、メジャー・レイザー以降のディプロはダンスホールな方向により傾倒していった印象もありますが、68さんの場合はどうなんでしょう? リズムを作るにあたって参考にしたサウンドなどは。

68「最近好きなのは、コンゴトロニクスとか。アフリカの」

――ああ、親指鍵盤の。〈フジロック〉で来日しますね(コンゴトロニクスVSロッカーズとして出演)。

68「はい。それと、前のアルバムのときもそうでしたけど、モードセレクターとか」

――こちらは、次作でふたたびトム・ヨークとコラボするっていう情報が出たばかりですね(10月に新作『Monkeytown』をリリース予定)。どちらもタイムリーなアーティストです。

68「はい。あとはピーナッツ・バター・ウルフとかも好きで。昔のオールド・スクールの人って、サンプラーを手でこうやって(両手で繋げる仕草)ビートを作ってて、その人の癖とかおもしろいですよね。参考とかではないけど、そういうところはたぶん、根付いてる。そこにプラスして……スポーツ。サッカーとかやってて、GEORGEは。で、僕もいっしょにフットサルを教えてもらってて、サッカーの試合とかをYouTubeで観たり……意外とそういうところっておっきいかもしれない」

――スポーツのリズム感を音楽に採り入れているということ?

68「うん、スポーツのビート感。バスケとかもそうだし……俺だけかもわかんないけど、今回のレコーディングのときは、YouTubeのサッカーのスーパープレイみたいなのを延々流しながらベースを弾いてもらったんですよ。結局、演奏に集中できなくなっちゃったんですけど(一同笑)。でも、そういうのを流しとくとちょっと違いますよね。俺が全部トラック持ってるんですけど、あとで聴いて、なんでだろう?って」

――どう違います?

68「手数が多いとことか、グッと力が入って硬くなったりするところをスポーツ風にやってもらうと、スッといったり」

――しなやかになるということですか?

68「うん。逆に普通のルートっぽいところは、けっこうドッシリさせてたり。頭で考えちゃうとちょっと真面目になっちゃったりするところが、自然にいったりしてるな、って」

――より感覚的になってるんですかね?

68「うん。ベースってキモなんで、GEORGEにはそういうふうになってほしいっていう想いは強くて。本来持ってるビート感とか、スポーツで養った筋肉の、さっきおっしゃってたしなやかな動きとか、そういうのを使ってほしいってやけに思ってたところはあるかもしれない。でも、なんにも言わなくてもクリアしてたっていうか。なんか、これ(本作)聴いてみんなが踊るのに、演奏者が硬い演奏してるのはいかがなもんかなって思ったんで……それはライヴ感を出すとかとは全然違うんですけど」

――理性を排したフィジカルさが欲しかった、ということですよね。そういう意図はGEORGEさんにも伝わってました?

68「サッカー・シューズとか履いてきてたから、感じてくれてたと思う。ユニフォームも着てきてたし(笑)」

GEORGE「母ちゃんには〈ここ〉で感じろって言われてましたからね」

――(笑)はい、〈ハート〉でね。ベースラインはどなたが考えてるんですか?

68「今回もう、GEORGEに丸投げしました。で、俺、思うんですけど……(GEORGEに向かって)家で踊ってない? たぶん」

GEORGE「ああ~……踊ってる、踊ってる。踊って疲れて、寝るパターンですね(笑)」

 

リズムの隙間に歌が入ってる

 

――(笑)踊りながらラインを考えてるわけですか?

GEORGE「そういうのはあるかもしれないですね。踊りながらっていうか、ノッてる感じで」

68「その感じ、めっちゃ出てたよ、今回(笑)」

GEORGE「(笑)あまりにも考えてる感じって、苦手なんですよね。特に今回は、あとになって〈じゃあ曲を仕上げよう〉ってなって、ギターとか生ドラムとかが入って歌メロが乗ってきたときに、フレキシブルに動けなくなるのも嫌だったし」

68「俺たち同じ小学校なんですけど、低学年の頃からヒップホップを聴いてたんですよ、近所のお兄ちゃんとかに教えてもらったりして。で、小さいときから日本の歌を聴いてる人っていうのはたぶん、その歌を聴いて歌えるじゃないですか、日本語だし。でも、俺たちが聴いてた音楽は英語で。だから歌えないし、メロディーもないし、っていうことで、たぶん踊ってたんだと思うんです。そういうのが染み付いてるかもしれない」

GEORGE「それはすごいあるかもね。俺、音楽をバン!って聴いたときに、歌メロもトラックのひとつとして聴くっていうか。でも他の人って、けっこう自然と歌メロを中心に聴いてますよね。そういうところはなんか、感覚のギャップがあるなって。リーダーはけっこう歌メロのこととか言うよね?」

68「(リーダーを指して)ジャパニーズ・ミュージックも大好き。リーダーは、そういう日本の音楽を俺らに教えてくれた人で」

GEORGE「だから、リーダーは楽曲と歌を別物として捉えてるんだなっていう。俺は全部いっしょ。リズムの隙間に歌が入ってる。ラップとかってそうじゃないですか。ビート感っていうか」

68「XA-VATって知ってます?」

――唐突ですね(笑)。はい、知ってます。

68「俺、好きなんですけど、石井(秀仁、XA-VATのトラックメイカー)さんって、そういう感覚が俺と似てるんじゃないかと思ってて。XA-VATのアルバムとか聴くと、歌も全体のなかの一部にしてるというか」

――はい。歌もトラックのうちのひとつなので、歌だけを取り出してどうこうって言うのはちょっと違うんじゃないか、というようなことをおっしゃってました。

68「うんうんうん、そういう捉え方もありますよね。そのなかでどこをフィーチャーして、どこのウェイトをおっきくして1曲を完成させるか、とか。そういう話は一切したことないんですけど、似てると思いました。感覚的に、うん。スポーツやられてたって言ってたから、石井さんも」

 

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