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インタビュー

INTERVIEW(3)――変われずにそこにいる

カテゴリ : ニューフェイズ

掲載: 2011年07月06日 18:00

インタヴュー・文/宮本英夫

 

変われずにそこにいる

 

――全7曲、どれも外せない良い曲ばかりなので全部聞きますね。まずは“あの嫌いのうた”について。

「嫌いと好きは同じものだと思ってるんですよ。北野武が書いた、好きな詩集があるんですけど、そのなかに〈生きるということは死に向かうことだから、生きろ生きろというのは死ね死ねということといっしょだ〉というような詩があって。それにすごく衝撃を受けて、嫌いと好きもそれに近いなと思っていて。どんどん好きになっていけばいくほど、嫌いになる確率も高くなるし、すごい嫌いな人でも、何かの瞬間に好きになったりして、そういうもののほうが長く好きでいられることもある。人のなかで自分のことがいちばんわからないし、でも自分というものは嫌いになれないし、好きだし――ということを歌いました」

――次の“欠伸”は本当にいい曲で、メロディーも歌も最高ですけど、歌詞が大きな声では説明しづらい(笑)。これ、〈なんでアクビなんですか〉とか訊かれたらなんて答えてるんですか。

「いやぁ、ちょっと答えづらいですけどね。ヤバイですよね。しかもリード・トラックですからね(笑)。でも何だろうな、例えば映画を観ていて、すごくいい内容なのに最後に主人公が死んじゃったりして、別にそんなことしなくても楽しい映画で終わればいいじゃないかと思ったり、そういうものと同じだと思うんですよ。別にこういうことを歌わなくても、普通の歌詞でも絶対良い曲になると思ったんですけど、いざ自分が表現するとなると、やってしまうんですよね。ここでこんなこと歌ったら、みんな〈あれ?〉と思うだろうなって。歌詞がエロいってよく言われるんですよけど、まぁ確かにエロいけど、そういうことじゃなくて、もっとちゃんと聴いてもらえたら嬉しいなと思います。これはもともと“イノチミジカシコイセヨオトメ”という、ピンサロ嬢のことを歌った曲があって、自分のなかですごく大事な曲なんですよ。その主人公が、前の曲では〈店を辞めて自分を変えたい〉という曲だったんですけど、今回は〈変われずにそこにいる〉っていう曲なんです。それで〈よかったらまた来てください〉っていう。でも、それは絶望的なものだけではないと思っていて。自分のいまの心境に近いというか、常にモヤモヤして、かといって別にそれが嫌ではない。ずっとそれと付き合っていくんだなっていうことですね」

――次は“バブル、弾ける”。

「タワーレコード新宿店のバイヤーで、ずっとお世話になっていて信頼してる人がいるんですけど、その人が低い声で歌う曲を作ってほしい〉ってずっと言ってたんですよ。じゃあ作ろうと思って、自分が絶対使わないキーに無理矢理下げて作った曲です。そしたら何か、必死じゃないぶんいろんなものが見えてきて、出来た曲もすごく良かったんですよ。それこそ作家的な気分で、誰かに提供するような気分で初めて作れた曲です。これも結局、高級風俗店に行く人の歌なんですけど。お気に入りのすごく高いお店が〈あの頃の僕にとってすべてだったんだ〉という」

――“愛は”は、アルバムのなかでも、もっともストレートなギター・ポップ調の曲で。

「これはテープレコーダーやCDプレイヤーと、人間の恋愛とを重ねてます。さらっと設定だけ出てきて、決められた短い歌詞のなかでどうやって書くかすごく頭を使って、自分の思うように書けたと思います。AIWAというメーカーに思い入れがあって、ずっと曲にしたかったんですよ。テープレコーダーもAIWAだったし、よくラジオやCDを聴いてたコンポもAIWAだったし。しかも、バレても怒られなさそうじゃないですか。名前使っただろって、訴えられないと思うし(笑)。でも一応“愛は”にしてみました」

 

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