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インタビュー

凛として時雨 『still a Sigure virgin?』

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年09月15日 17:59

更新: 2010年09月15日 18:03

ソース: bounce 325号 (2010年9月25日発行)

インタヴュー・文/牧野りえ

 

マイペースな活動ながら、すっかり日本のロック・シーンで大きな存在感を示す彼ら。作品を重ねるごとにみるみる音楽的な引き出しを増やして楽しませてくれるが、今回もやはりその魅力の虜になってしまう!

 

 

──ニュー・アルバム『still a Sigure virgin?』はより深く、また色彩感に溢れた作品ですね。最初に全体的なヴィジョンはありましたか?

TK(ヴォーカル/ギター)「いつも通り、なかったですね(笑)。前回こうだったから今回こうしよう、って意図的に作ることってなくて、本当にその時の感覚だけで作るので。その時の自分たちが作ったものであって、それ以上でもそれ以下でもないっていう」

──例えば昨年11月のツアー〈Tornado Z〉で披露された“replica”や前回のツアー・タイトルと同名で、全公演で演奏された“I was music”、SPACE SHOWER TVとのコラボ企画でチラッと断片を見せた“シャンディ”がアルバムの方向性に繋がるような曲だったのかなと。

TK「そうですね、“I was music”“replica”“シャンディ”、あと“this is is this?”の4曲は前から出来ていて。もちろんブラッシュアップはしたんですけど、結果的には軸になりましたね。“replica”は『just A moment』を作ってる時にスタジオでセッションして出来た曲です。“I was music”と“this is is this?”は前回のツアー前に、珍しくリリースの予定のないなかで作って(笑)。“シャンディ”は時雨とは関係なく個人的に作ってたんですけど、時雨でやったらおもしろいかな?と思って持ってきた曲。それ以外は、イギリスでのライヴ(今年5月、ブライトンで行われた〈THE GREAT ESCAPE〉などに出演)を終えた後に作りはじめましたね」

──あがってくる新曲に対して、いままでと変わったなと思うところはありましたか?

345(ベース/ヴォーカル)「毎回カッコイイなって思います(笑)」

ピエール中野(ドラムス)「デモとかリフを聴いた時に、〈あの曲と同じだな〉って思うことが一切ないから。毎回、新鮮でカッコイイなっていう印象ですよね」

──今回色彩感を感じたというのが、いままでにないサウンド・アプローチからなんです。例えば“this is is this?”は12弦ギターが使われていたり、“シャンディ”は反復するピアノ・リフが印象的ですよね。実験的な意味合いが強いんですか?

TK「“シャンディ”は時雨でやろうと思って作ってたら実験的だったと思うんですけど、息抜きで作った感じなんで。いまとなっては全然息抜きの曲には聴こえないんですけど(笑)。ただやっぱ実験的に見えるだけあって難しかったですね。〈ピアノを入れました〉っていう感じにならずにちゃんと形にするっていうのは」

──確かに時雨サウンドに違和感なくインパクトを与えています。ちなみに、“eF”では中野さんがエレキ・ギターを弾いているのも新しい試みですよね。

ピエール「ドラムを入れてもハマんなくて……」

TK「淋しそうな視線を僕に送るんですよ(笑)」

ピエール「しょんぼりしてたら、〈ギター弾いてみる?〉って声をかけてくれて、〈うん!〉って。弾けねえのに(笑)! 〈教えてよ〉って言って教えてもらって。いまオーダーでギター作ってます。その1曲のために(笑)」

──ライヴが楽しみですね(笑)。それぞれプレイや音作りはいかがでしたか?

345「曲によってですけど、すんなりできたものもあるし、時間がかかったものもあります。TKがアドヴァイスをしてくれるので、良い感じで作業を進めることができましたね」

ピエール「どの曲も共通して言えることなんですけど、タイコが持ってるいちばんいい音にして、その曲とかフレーズに反応して叩いてるだけですね」

──TKさんがエンジニアとしてミックスまで手掛けていますが、音の印象ってだいぶ変わってますか?

ピエール「変わってるの?」

TK「録りながらミックスしてるので、印象は変わってないと思いますね」

──録りながらミックスするんですか!? 普通は1曲をすべて録り終わった後にミックスしますよね?

TK「それがスタンダードというか、あたりまえですよね。僕はミックスも曲作りの一部だと考えてるので。100%ミックスした状態ではないですけど、最終型に近い音が見えた段階でレコーディングを始めるんです。生音でやっててもお互いにイメージが湧かないし、音色で叩くフレーズも変わってくると思うし」

345「変わります。何よりイメージしやすいですよね」

──あと時雨サウンドの特徴でもありますが、“a symmetry”をはじめ、複雑に入り込んだ曲構成は予測不能なおもしろさ、カッコ良さですね。

TK「そのフレーズがどう行きたいのかを考えて、ハマるまで何回でも作り直しますね。ラフの段階ではもっと複雑だったりして、それをシンプルにする作業も結構しました。

──曲構成から音作り、プレイまで、本当に1曲1曲、緻密に作られているんですね。

TK「かなり適当な緻密ですけどね(笑)」

ピエール「外から見ると相当緻密に見えると思うんですけど、それがもうあたりまえになってるっていう」

──なるほど。TKさんの変幻自在なギターもやはり緻密に作られているんですか?

TK「僕、わりと他の2人の録りやミックスしてる時間が多くて、ギターを録ってる時間って異常なぐらい短いですね」

──意外ですねえ。

345「あんまりギターを録ってる姿を見ない(笑)」

──345さんの歌声も表情豊かで、肩の力を抜いて歌っている印象を受けました。

345「メンバーがエンジニアをやっているという点ではもちろんリラックスして歌えますし、もう一人のエンジニアさんもメンバーと同じ感覚でいられるエンジニアさんだったんで、歌う時もストレスなく歌えましたね」

──TKさんの歌声もまた、歌詞と相まって鬼気迫るものがありました。

TK「僕、歌詞を書くのがすごい苦手なんで、歌と言葉を同時に吐き出す感じなんですよ。いままではレコーディング・スタジオでやってたんですけど、今回は自分のスタジオで本チャンまで録ったんです。歌いたいなって思ったらセッティングされてる状態なので、その時間がナチュラルに持てるようになったのは良かったですね。夜な夜な叫んでました(笑)」

ピエール「外に漏れてたらヤバイね(笑)」

──アルバム・タイトルの『still a Sigure virgin?』は、時雨サウンド未体験者に対して、〈聴いてみてほしい〉と〈まだ聴いてないの?〉という2つの意味合いあって、後者は挑発的にも取れますね(笑)。

TK「タイトルは純粋に、聴いたことがない人にも聴いてもらいたいなっていう思いを込めてます。だからといってすごい聴きやすいわけじゃないんと思うんですけど……気持ちとしては(笑)」                           

 

▼凛として時雨の作品を紹介。

左から、2005年作『#4』、2006年のミニ・アルバム『Feeling your UFO』、2007年作『Inspiration is DEAD』、2008年のシングル“Telecastic fake show”(すべて中野)、2008年のシングル“moment A rhythm”、2009年作『just A moment』(共にソニー)

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