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インタビュー

ロング・レヴュー:spirit page 『Periodic Sentence』

カテゴリ : ニューフェイズ

掲載: 2010年01月27日 17:59

更新: 2010年02月10日 19:00

文/金子厚武

 

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札幌、この地はいつだって特別だ。blood thristy butchersとeastern youthを祖先に、COWPERS、NAHT、キウイロールなど、USインディーを源流とする日本のハードコア~エモ・バンドを多数輩出した〈エモーショナル・ロックの聖地〉からは、いまも新しいバンドが次々と現れている。2003年に結成され、2008年に現在Discharming manのサポートを務めるギタリストが加入し、4人組となったspirit pageもその流れに位置するバンドである。

とは言え、彼らの音からは、前述のバンドたちのようないい意味での暑苦しさはあまり感じられない。乾いた音色のツイン・ギターによる絡み、コード感やフレージングからはエモの流れが確かに感じられる。だが、変拍子などのギミックは最小限に抑えられ、伸びやかな歌を全面に押し出した彼らのギター・ロックからは、むしろsyrup16gやBUMP OF CHICKENといったバンドに近い印象を受ける。

昨年リリースされたcolla discの10周年記念コンピにも収録されていた“Caravel rock”は爽やかな〈ラララララ ラララルラ〉のメロディーが印象的だし、8分に及ぶスケールの大きな“春の底は水溜りの中”にしても中心にあるのはあくまで歌で、その強弱に演奏が寄り添うことで展開が生まれている。〈君だけはそばにいてよ〉と歌う“All”など、葛藤や不安をダイレクトに綴った日本語の歌詞も含めて、エモを通過した歌ものギター・ロックの王道を、堂々と歩むバンドと言っていいだろう。

 

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