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インタビュー

サカナクション(2)

カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2009年01月15日 18:00

更新: 2009年01月15日 18:42

文/土田 真弓

――セントレイ

――3曲目は、先行シングルとなった“セントレイ”ですね。

山口 “セントレイ”はアルバムの中心になる曲で、この曲に寄り添うのか、それともこの曲を浮かせるのか、すごい迷いましたね。結局は浮かせるほうにしたんですけど、“セントレイ”をきっかけにしてこのアルバムを買った人が、ほかの曲も聴いていって、いろんなテイストの音楽を好きになる――そういうコンセプトの基準になった曲かな。最初、草刈がアレンジを持ってきたときにはドン引きしたけど、いまは僕らにとってもライヴのなかでイチ押しの曲になってきてるし、お客さんの反応を見ても、「ああ、こういう曲が求められてたんだな」って思いますね。

――草刈さんは、ロックがお好きなんですか?

山口 どっちかというと苦手なんじゃないかな。ロックのベーシストって引きの美学があるけど、ファンクとかジャズとかダンス・ミュージックのベーシストは前に出る。表に出ていくエネルギーが凄いんですよね。草刈は、あきらかに後者のタイプだから。

――逆に、そういう方に〈ギター・ロック風で〉っていうお題を出したからこそ、ロック感がデフォルメされて出てきたんですかね?

山口 そう、それがまさに狙い。彼女にない部分を広げようと思って、こういう選曲にしたんですよね。ほかの曲も、たとえばフィーチャーしたい楽器があるときには、敢えてそれ以外のパートの人にアレンジを担当してもらっていて。“Ame(B)”だって、ギターをそんなにフィーチャーする曲じゃないですしね(笑)。だから、いい意味でお互いに刺激し合うことはできたんじゃないですかね。“セントレイ”は、そこが一番はっきりと出てると思う。

――この曲は、パートで言えばシンセが鍵ですかね?

山口 そうですね。シンセの音飾が命だと思ったんだけど、岡崎がなかなか作り込むことができなくて、レコーディングの本番当日もまだ決まってない状態で。とりあえず録ってみたけどやっぱり何か足りない、っていうことになって、急遽、音をもうひとつ足したんですよ。それが、草刈の声。ホーンとかいろいろ試したけど合わなくて、どうしよう?ってなってたときに、パッドの代わりに声を入れたらいいんじゃないか?っていう話が出て、入れてみたら結構ハマって。それで一気に解決。今回のアルバムって、偶然の産物っていうか、どの曲もリアルタイムでアイディアを練ることが多かったです。いろいろな奇跡が生まれましたね。

――ネイティブダンサー

――そして次は、リード曲の“ネイティブダンサー”ですね。

山口 これは僕が作ったんですけど、僕にとっては大爆笑の曲です。ピアノと歌だけで始まって、サビでいきなりテクノへ振り切るっていう曲にしたかったんですよ。サビでいきなりシンセが前に出てくるっていう。あとこの曲は、音源とライヴの違いをはっきり出すっていうのもテーマになってます。この曲、ギターが入ってないんですよ。だけどライヴではギターを弾くっていうのもアリだし、弾かないなら、そのあいだ岩寺は何をしようか?っていう選択肢が増えますよね。

――ライヴの楽しみがまたひとつ増えましたね。あとこの曲は、音自体から広がるイメージが、ネガティヴ寄りの思考が美しく昇華された歌詞とすごくシンクロしてると思います。

山口 そうですね。言葉とメロディーがきれいにハマってますよね。情景が見える。その冷んやりとした質感がシンセのフレーズと合ってるな、って思います。シンセにしろベースにしろ、いままでだったらメンバーに託さなきゃいけなかったところが、この曲では全部自分で出来たから、ひとりで打ち込みやってた頃の感覚に戻れたっていうか(笑)。サカナクションというバンドで山口一郎が発表した、みたいな感じの曲ですね。

――minnanouta

――“minnanouta”は、唯一のインスト曲ですね。

山口 これはもう、江島がすべてでしたね。元々は、僕と草刈で“涙ディライト”のアレンジをしてたんですけど、結局使わなかったフレーズがあって。それを江島に再構築してもらって、まさに「インスト作ってちょーだい!」みたいな(笑)。で、彼はものすごい悩んでました(笑)。

――江島さんに激しく同情します(笑)。

山口 それで出来たものを聴いてみたら、構成が少し弱かった。クラブ・ミュージックって、「どこで(展開が)変わるんだ? どこで変わるんだ? ……あ、ここで変わるんだ」みたいな〈ループによる気持ち良さ〉がありますけど、その感覚がちょっと足りなかった。どこを聴かせたいのかがはっきりしてなかったから、もう一回、作り直してもらったんですよ。と言っても、僕が「ここはこうした方がいいよ」って指摘した部分に対して素材を足したり尺を変えたりしただけで、ほとんど江島がひとりで作った曲ですね。

――前作で言えば“マレーシア32”的な位置付けの曲ですよね。こういう曲をいち作品ごとに一曲は入れ込みたい?

山口 最初、入れるつもりはなかったんですけど、“セントレイ”でサカナクションを初めて知った人を(このアルバムの)ほかの曲へ誘導するために、前半と後半できっちり分ける必要があったんですよ。それでインタールード的なインストが必要になって、江島に託したんです。いま、音楽制作ソフトを使ったりするのがメンバーのなかで一番好きだし、あと、クラブ・ミュージックを一番知ってほしいパートでもありますし。彼は、飛躍的な成長を見せたと思います。僕が「こうして欲しい」って言ったときに、リクエストどおりの音がすぐ出てくるようになった。この曲は、微妙な古さがいいですよね(笑)。ギリでセーフ!みたいな(笑)。

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