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インタビュー

エルマロの万華鏡なスタイルに共通する類い稀な皆さん

 エルマロの音楽性は当初から多面的で、テクノ、オルタナ、ヒップホップ、ガレージ、ジャズなどをポスト・モダンな精神で解体し、万華鏡のようにまとめ上げてきた。そんなサウンドにおける耳で聴いた繋がりというと、ヒップホップ、レゲエ、ハードコアのミクスチャーからダンス・ミュージックにも傾倒するBACK DROP BOMB、同じくさまざまな音楽エレメンツをクラブ系サウンドへ発展させたSKBのShigeo率いるthe samos(甘い声も含めて)にもっとも近似が見られる。また、エルマロは多くのアーティスト・プロデュースでも才気を発揮しており、なかでも會田が手掛ける髭(HiGE)への影響は顕著。彼らのサウンドに対する実験精神やシニカルな歌詞、カラフルでポップな音楽性、グルーヴ感といった共通点は興味深い。また、海外でエルマロと似た存在感を放っているのがUKのシミアン・モバイル・ディスコ。アークティック・モンキーズやカサビアンのプロデュースも行うジム・アビスと機材マニアのジェス・ショウの活動は、ジャンルレスな音も含めてエルマロの在り方とダブってしょうがない。もう少し眺めてみると、同じくUKにホット・チップなんておもしろいバンドがいる。クラブ・ミュージックとブラック・ミュージックをポスト・パンクの前衛性で解体し、ポップにまとめる尖鋭的なスタイルはエルマロと比べるに相応しい存在だ。構成は難解だが耳触りはポップ。そんなエルマロを透かしてみたら、まさに万華鏡のような相関図となった。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年03月27日 16:00

更新: 2008年03月27日 17:42

ソース: 『bounce』 297号(2008/3/25)

文/冨田 明宏

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