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インタビュー

Raheem Devaughn(2)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年02月14日 15:00

更新: 2008年02月14日 17:50

ソース: 『bounce』 295号(2008/1/25)

文/林 剛

ブラック・ミュージックの未来

 今作では同じく地元ワシントンDCのプロダクション、ワン・アップにも制作を仰いでいるが、そうした身近な仲間との交流もラヒームの音楽を人情味溢れるものにしている要因のひとつだろう。もちろん、以前からラヒームを後押ししてきたケニー・ドープもふたたび参加。ケニーとは、「大統領選挙のシーズンに向けてリリースしたい」と意気込むポリティカルなアルバム(DC仲間のW・エリントン・フェルトンやビラル・サラームも参加)の制作にも着手し、インディアの英語アルバムにも共同で関わっているようで、ふたりの絆は固い。

「彼とは一気にたくさんの曲を作るんだ。何日かいっしょにいてジャム・セッションしたりね。ビジネスの話は後回しさ。彼が作ったばかりのスタジオは居心地が良くて、俺の部屋もある。ひとつの部屋ですべてを録っていた70年代みたいな感じの、オールド・スクールなスタジオなんだ。アナログの機材もあるし、最高だよ」。

 そのケニー・ドープ経由でフィリー勢とも密な交流を図るラヒームは、前作でタッチ・オブ・ジャズ(ATOJ)一派とも絡んでいたが、今回はATOJ卒業生で旧知の仲だというカルヴィン・ハギンズ&アイヴァン・バリアスも参加。さらにスコット・ストーチがフィリー時代に培ってきたメロウなヴァイブを注ぎ込んだような“Love Drug”もある。ビッグ・ボーイが客演した“Energy”もスコット制作だ。

「スコットはマイメンさ! 彼がルーツの初期(準)メンバーだったことを忘れてしまう人が多いと思うんだけど、彼はヒップホップ界の重鎮でもあるし、プログラミングから楽器まですべてをこなすリアル・ミュージシャンなんだよ。彼との曲はマジックのように完成した。スコットは、俺がワンテイク歌う時間と同じくらいの速さで曲を完成させる(笑)。まるでスタジオの猛獣さ。ターゲットを定めたら一気に攻めていくんだ」。

 また、アリシア・キーズの『As I Am』にも関与していたジャック・スプラッシュやマーク・バトソンの起用も話題だろう。

「最高だろ? ジャックは、俺のA&Rが〈スゲエ変な男がいてさ。だけど最高の音楽作るんだよ〉って言ってきて、好奇心で会ってみたら俺と同じ変人だった(笑)。それに、彼が率いるプラント・ライフは俺がアーバン・アヴェニュー31でやろうとしてることにも似ているって気付いたんだ。つまり、ふたりともヒッピーなんだよ。ジャックは俺のウッドストック・フレンドさ! クレイジーだぜ」。

“Marathon”で美声を添えているのはコンビを解消する直前のフロエトリーで、ラヒームが直接声を掛けたのだという。さらに“Empty”を手掛けたブライアン・マイケル・コックスも「実は以前から曲をいっしょに作っていた」そうで、とにかくすべてが意味のあるコラボレートとなっているのは、己の進むべき道が見えているラヒームならではだ。メジャーからアンダーグラウンドまで志を同じくするアーティストからの共演依頼も多く、DC名物のゴーゴーにも挑戦するというラヒーム。ブラック・ミュージックの未来は、こういう男にこそ託したくなるってもんだ。今回の新作を聴いて、その思いはさらに強まった。
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