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インタビュー

T.I.P.のストリート・マインドを継承するアトランタ周辺の注目アクト

 そもそもT.I.P.とは、アリスタと契約した当時のT.I.が名乗ってMCネームである。それが、(当時レーベルメイトだった)Q・ティップに配慮するというレーベル側の判断で名前を縮めさせられたのだ。そんなわけでT.I.P.という名前は、苦境や屈辱に耐えながらアトランタの路上でギラギラと闘ってきた〈あの頃〉の心持ちを取り戻すためのキーワードなのかもしれない。ここでは、T.I.P.がT.I.として頂点を極めた現シーンにおいて、明日のキングを狙う逸材や注目株をアトランタ周辺から紹介してみよう。

 まず、T.I.率いるグランド・ハッスルでは出世頭のヤング・ドローやアルファ・メガ、ビッグ・カントリー・キングが待機中。T.I.の盟友であるヤング・ジーズィのクルー=USDAではスリック・プラーがソロ・デビューを控えている。他にもT.I.やジーズィ系のトラップ・スターは層も厚くなり、ジーズィの宿敵であるグッチ・メインもメジャー昇格を決めたばかりだし、“It's Goin' Down”の異常ヒットに続く次の一発が待たれるヤング・ジョック……と逸材の宝庫だ。毛色の違うところでは、ダンス・ヒット“Walk It Out”で知られるアンクや、クランク界隈からよりダークな独自性を獲得したクライム・モブ、新作も間近なデム・フランチャイズ・ボーイズ、ゴリゴリのギターを旗印にしたショップ・ボーイズらのユニークな存在感も見逃せない。また、ポロウ・ダ・ドン肝煎りのリッチ・ボーイ(彼自体はアラバマ出身)もここに並べておくのが相応しいだろう。かように数多くの荒くれどもが王位を狙って奮闘中なのだ!

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年07月26日 18:00

ソース: 『bounce』 289号(2007/7/25)

文/出嶌 孝次

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