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インタビュー

R. Kelly(2)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年09月16日 13:00

更新: 2004年09月30日 18:32

ソース: 『bounce』 257号(2004/8/25)

文/荘 治虫

ステッパーたちの目を覚まさせた

 表舞台に出てこないナードな裏方さんたちがサイエンティスト気取りなのはわかるが、彼のように動物的な直感に優れた(ホメ言葉です)シンガーにそう言われると、違和感を覚える。しかし、今回のアルバムに関する限り、確かに彼は直感ではなく、考え抜いた末に作ったと言える。『R.』以来となる2枚組アルバム『Happy People/U Saved Me』は、彼のアルバム史上もっともコンセプチュアルな作品だ。2枚の内訳は、アルバム・リリース前に先行カットされたシングル“Happy People”と“U Saved Me”をそれぞれアルバム・サイズに拡大したような形をとっている。まず〈Happy People〉のディスク。こちらにはいわゆるシカゴ・ステッピンがぎっしりと詰まっている。いわずもがな、“Step In The Name Of Love”を発端とするR・ケリー流クラシカル・ダンス・ミュージックだ。

  「“Step In The Name Of Love”はオレの叔父への挑戦として作ったんだ。彼が〈お前はステッパーの曲を作るまでは本物じゃない〉とか言いやがってさ。叔父は相手を間違えたんだな。オレは誰かに挑戦されると、絶対に負けたくないって思うタチだから! だからオレは〈今晩もう一度スタジオに来てくれよ。それまでにはステッパーの曲が出来てるはずだから〉って言ったんだ。叔父はステッパーだから、良い曲か悪い曲かすぐわかると思ってね。この曲がステッピンのカルチャーとステッパーたちの目を覚まさせたんだ」。

 プライヴェートな事柄からスタートしたこの曲がヒットしたことにより、彼はまるごとステッピンのアルバムを作ることを思いついたという。サウンドの統一感の高さもさることながら、全編に渡ってケリー本人がラジオDJよろしく軽快なしゃべりを挿入しており、これがさらにエンターテイメント性をブーストする。

  サム・クック、スティーヴィー・ワンダー、ダニー・ハサウェイ、ジェイムズ・イングラム、グラディス・ナイト、アレサ・フランクリン、ルー・ロウルズ。今回の〈Happy People〉盤に関してはこうしたアーティストから影響を受けたと彼は語っていた。サウンドはもちろんシカゴ・ステッピンを基調としているものの、ケリーの〈歌声〉から匂ってくるという意味では、マーヴィン、スティーヴィー、オージェイズといったところだろうか。特に“Love Street”における〈ひとりオージェイズ〉調の掛け合いは相当な聴きもので、ディスク全体に立ち込めるハッピー&ラヴリーな世界観は80年前後のオージェイズっぽくもある。このあたりは、彼が育ってゆくなかで無意識のうちに吸収したソウルが自然と表出してきていると見るべきだろう。

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