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インタビュー

勝手にしやがれの世界観を描き出す武藤昭平が、自身の音楽遍歴について熱く吠える!

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年05月27日 12:00

更新: 2004年06月10日 19:17

ソース: 『bounce』 254号(2004/5/25)

文/ダイサク・ジョビン

「ウチのお袋が詳しくて、ちっちゃい頃から傍らで聴いてた」と映画音楽について武藤は語る。

「だから単純に懐かしかったり安心するんですよ。そこが勝手にしやがれの音楽が持ってる哀愁さ加減に繋がってるかも」。特に「太陽がいっぱい」やフェリーニ作品などニーノ・ロータが手掛けたものが好きだそうで、なかでも「ゴッドファーザー」のサントラがいちばんのお気に入りだとか。

 ヨーロッパのサントラに続いて彼が好きになったのが、「なにげにサントラに通じるヨーロピアンな哀愁があって」という、シンセ・サウンドに傾倒した後期のジャパン。そのジャパンにハマってる時に「イギー・ポップ……〈意味わかんねえ!〉って衝撃だった(笑)」と、そこからパンクの衝撃を受けて彼はパンク・バンドを組む。

「クラッシュからは〈等身大〉でやるってことを学んだ。勝手にしやがれには、その姿勢や〈気〉の出し方っていうパンクのスタイルがある」。

 しかし、コード進行やメロディーのキメなど曲作りにおいてパンクだけをやることに限界を感じ、「だんだん疲れてきちゃって(笑)」いた彼は、トム・ウェイツの『Rain Dogs』に出会う。「今までの常識や、それまでの自分自身などすべてを崩して作ってる」とそのアルバムについて語る彼は、そこにパンクの精神を感じると同時に、「アレンジやサウンドはヘンテコなのに、メロディーには懐かしさを感じた」という。また、「ただ崩すだけじゃなく、その新しいもののなかに自分の血を通わす」といった、勝手にしやがれの〈等身大〉という姿勢に近い感覚をアストル・ピアソラの音楽からも嗅ぎ取った。

 トム・ウェイツからビートニクの世界に入った彼は、そこでジャズ……チャールズ・ミンガスの『Mingus Ah Um』と出会う。「押し殺した怒りっていうか、怒りを出す前のすごい静寂みたいなものとかを、本当に見事に表現しているなって思った」。ジャズのコードワークやメロディーなどの表現方法を身につけたところで、勝手にしやがれのコンセプトのひとつ――パンクをジャズでやる――が生まれる。「やってる気分はロックンロールなんだけど、ワザと13th、9thコードを追って独特の怒りを表現するっていう」。

 ビート・ムーヴメントの同時期、パリではセルジュ・ゲンスブールが登場した。「特に初期のゲンスブールが好きなんですよ。彼の持っていたスノビズムっていうのも大好きだし。デカダンっていう言葉もそこで流行ってくるわけじゃないですか。それがゴダールの〈勝手にしやがれ〉とかにも結びついてくるし。そんな〈ヌーヴェルヴァーグ〉って呼ばれてた映画音楽が、ジャズにも密接に絡みついてくる。そこでマイルス(・デイヴィス)の〈死刑台のエレベーター〉があって。映像を観ながら吹き込んだっていうあの緊迫感。で、終わるとき〈フィーッ〉って口笛が聞こえてきて、あ、終わるんだ……みたいな(笑)。あのサントラがスゲエかっこいいんですよね(笑)」。

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