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インタビュー

Date Course Pentagon Royal Garden(2)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年10月02日 21:00

ソース: 『bounce』 247号(2003/9/25)

文/MOODMAN

なにかのきっかけで回路が外れたら……

 DCPRGがスタートしたのは、99年。〈ダンス・ミュージック〉という意識が実感としてさらに高まってきたのは、結成から「ちょうど1年ぐらい経った頃」(菊地)だと言います。

「音圧ではないけれど、〈客圧〉のようなものを感じたのは、始まってしばらくしてから。客が踊りたい感じの切実さっていうのは、毎年というか、毎ライヴ、毎ライヴ、更新されている気がします」(菊地)。

 観客の狂気にも近いヴァイブレーションの高まりは確かに、今、小生でもびりびりと感じるぐらい、日本のさまざまな音楽の現場に充満しています。DCPRGのライヴではその傾向が特に顕著だと思うのですが、演奏、あるいは作品への直接的なフィードバックはあるのでしょうか。

「なんかのきっかけで回路が外れたら、客席にシンセを持って飛び込むかもしれない(笑)。今はそんな気分」という菊地さん。

「不安神経症の治療を始めてほぼ1年半になるんだけれど、発症前夜と、発症直後と、治療1年……ではだいぶ気分が違っていて。このアルバムを作っている時は治療の意味合いがまずあった。ファーストはどちらかというともっと不安なアルバムで、〈発症前〉という感じでした。とても不穏で、戦争不安というか。時はまさにミレニアム景気で、香港返還だったり、ノストラダムスもなかったし、けっこうオプティミスティックな空気が流れていたんですが、自分は病の発症前夜だったから、ひとりで不穏になっていた。それがファースト・アルバム。今回のアルバムはそれでいうと、その〈治療開始〉的な意味合いが強いです」(菊地)。

 ライヴで頻繁に演奏していた曲、知られている曲をそのままライヴ・レコーディングした前作に対し、「曲を全部書き下ろし、プリプロに時間をかけた」(菊地)という本作。「演奏可能なぎりぎりの線を設定」(菊地)し、プリプロを制作。プリプロ完成後に、メンバー全員でスタジオに入って6~7回リハーサルを行い、6月の最後の週から約2週間でレコーディングを行った、といいます。

 高井康生さんいわく、「弾いていて思ったのは、前作よりもアレンジが細かい。細かくなったところと、放任主義になったところと、パートによってはっきり別れた、演奏家に対する指示はそうなった気がします」(高井康生、ギター)。
 そのアレンジの細かさがおそらく、むずがゆかったり、こそばゆかったり……ダンス・ミュージックとしての体感を高めているのだろう、そう思いながら、アルバムの聴きどころを、各自に訊ねてみました。

「新しくギタリストとして参加した、ジェイソン(・シャルトン)のギター・ソロがおもしろい。凄いビザール(笑)」(高井)。

「70年代のブギーな感じのギターではなくて、80年代の神経症的な、いうなればアーバン神経症的なギター。(DCPRGも)地道に80年代っぽくなっているというか(笑)。それがまず、ジェイソンのギターに憑依している」(菊地)。

「藤井(信雄、ドラムス)さんの凄いフィル。何回も聴いてしまいました」(後関好宏、サックス)。

「あれは実は後で、サンプラーを手で叩いているんだけどね(笑)。レコーディングした時に忘れてた部分をCG的というか、ハリウッド的な制作の方法で(笑)。撮影時は人間だけど、CG処理によって超人的な力を発揮するといったような……」(菊地)。

 このアルバムを新たなスタートとして、DCPRGはセカンド・ステージに突入します。最後に、現在の心境を訊いてみると。

「治療から1年たった今は、〈怒り〉の部分が大きいですね。純粋な怒り。結局、みんな根底に怒りはあるけれども、それを穏やかに抑えることで日常を保っているわけじゃないですか。それが最近、その怒りの検閲みたいなものが外れてきていて、その対象が特定個人だったらまだいいのだけれど、もっと面的な、状況的ものに対して外れている。そんな雰囲気ですよね」(菊地)。

 最近のDCPRGのライヴにいちいち感銘を受けていたのは、その漠然とした怒りへの共感なのかもしれない……と個人的に納得しつつ……インタヴューは、DCPRGと小生の接点であります、京浜兄弟社と岸野雄一さんの話題へ。おもしろいお話がたくさん訊けたのですが、誌面が尽きたようなので、いずれまたどこかで。ではでは。

▼DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENの作品を紹介。

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