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インタビュー

RIP SLYME(2)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年07月25日 21:00

更新: 2003年02月10日 15:09

ソース: 『bounce』 234号(2002/7/25)

文/小野田 雄

彼らが切った新たなカード

ことバンド・サウンドとの接点に関して言えば、前作以上にその結びつきが密である点は本作の特筆事項。EAST END解散後のGAKU-MCに誘われる形でFUMIYAが、とあるジャズ・バンド(GAKU-MCがバンド形態でのソロ活動を開始するきっかけとなった)と夜な夜なセッションを繰り返していたという知られざるエピソードは、ゆっくりと時間をかけて生楽器との接点を模索していた彼らの一側面を浮き彫りにしている。

「Totzanっていうギタリストとはいまでもいっしょに曲を作ってて、“楽園ベイベー”とか“STEPPER'S DELIGHT”もそうだし……Totzanが導いてくれてる部分は大きいですね」(FUMIYA)。

また、ゲスト陣に関しては……。

「俺、昔バンドやってたんですけど、ラップやってなかったら森くんみたいな音楽をやってたと思いますよ」と、PESが熱っぽく語る“奇跡の森”に参加したアーバン・ファンク・スター、森広隆。ヒップホップを起点に多彩なリズムがファンク~ブラジリアンへと導かれる旅の道連れとして“花火”でベースを聴かせるDragon Ashのkj。“FUNKASTIC”で前作に続く登場となるKYONバンドなど、実に興味深いメンツが揃っている。

「そういや、音楽を突き詰めると南へ向かうって誰かが言ってたな」(RYO-Z)。

「じゃあ、和太鼓は?」(ILMARI)。

「でも、あれは様式美だしさ、ループも長いじゃん? あっ、でもさ、RYO-Zにはそういう和な様式美を感じるな」(SU、MC)。

「俺のソロ曲は演歌ですよ(笑)。前からやりたかった曲なんですけど、この曲はマディ・ウォーターズが21歳のときに〈Mannish Boy(大人な男)〉って歌ってるから成立するんであって、28歳の俺が歌ってるのは……(笑)」(RYO-Z)。

そう、忘れてならないのがRYO-Zがもつ和の様式美を全開させた(ブルースマン、マディ・ウォーターズのカヴァー)“MANNISH BOY”をはじめとする4MCそれぞれのソロ曲だ。全員が個性を勝手にそそり立たせているさまは、アーバン・ジャングル=東京のサウンドトラックたる本作にこそふさわしい。

「まず最初にPESのソロのアイデアがあって、それをやるんだったらスキット感覚でみんなやるのが、グループのアルバムとしてはおもしろいんじゃないっていう話になった。でも、いいと思いますよ。どの曲も〈そうそう、そういう感じ〉っていう、別に無理せずにそれでいて、やりたいことをやったんだなって」(FUMIYA)。

イントロに続き、〈このまま永久に共に行こう/回り続けるSUそうだろう?/Yes 俺らに明日はいらねぇ/この心燃やす 灰になるまで〉という印象的なアカペラで始まる“By the Way”でも象徴されるように、ソロ曲に限らずやりたいことが貫かれた本作は、しかし、まとまりという点でも文句の付けようがない。ある意味で本作の肝といえるその点に関してPESがズバリ一言。

「俺らって、その枠が広すぎるし、音楽だけに限らず僕らの活動自体、いろんな人が携わるようになって、いろんなことが動いているじゃないですか? だから、〈いまは音楽だけじゃない、音楽をやるためにいろんなことをする必要があるんだな〉って。考えたらキリがないけど、もともとそういうことってあるもんなんですよね。たとえばライヴをやれば、PAさんがいて、照明さんがいて、お客さんがいて……結局俺らもそのクルーの一部なんだっていう。そういうことに気がついて、悩みどころがリリック云々みたいな〈近い〉ところか、聴き手に向けたところの〈遠い〉どっちか。その間のところで悩むことがなくなり、シンプルになってきたとは思いますね」(PES)。

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