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インタビュー

シーンに衝撃を与えたネリーのシンギング・ラップ

 訛りを交えた独特のパンチライン満載で、楽曲全体をフックに変えてしまうかのような、ネリーのラップ。そのメロがあるようなないような喋りが炸裂しまくった“Country Grammer”が前情報抜きに多くの耳目を惹き付けたのも当然だった。さらに、かのフロア・フィラー“Ride Wit Me”で、MCとして一線を越えた(?)滑らかでファンキーな歌いっぷりを聴かせるに至って、彼の奇妙なフロウは完全に新たな個性として認知された。ラキムやジェイ・Z、グッディ・モブあたりを好んで聴いてきたらしいネリーだが、それらを全部融合してもあんなフロウは生まれ得ない。

 そんなネリーの凄さがはからずもプレゼンされたのが、チャリティー・シングルの“What's Going On”。ネリーとナズが続けてラップを披露するのだが、恐ろしくタイトなナズに比べ、ネリーのルーズな語りのなんと表情豊かなことよ!伝統的なMCの最高峰であるナズが悪いわけはない。が、ネリーのラップは、昔から美しいとされているライム・テクニックから外れ過ぎている……そういう感じ。いつまでも古い物差しを使っているつもりがないリスナーは、この新しさを絶対に楽しむべき!!

ネリーの参加作品。


チャリティー・シングル"What's Goin' On"(Columbia)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年07月18日 13:00

更新: 2003年02月10日 20:51

ソース: 『bounce』 233号(2002/6/25)

文/狛犬

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