CPO レーベル~2025年9月発売新譜情報(8タイトル)

CD(8タイトル)
■作品詳細
知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。
今回はマルクス・ボッシュとカペッラ・アクイレイアによるベートーヴェン生誕250年記念企画『劇場のための音楽集』をセット化した4枚組BOXに、アレッサンドロ・デ・マルキが指揮する初期ロッシーニの歌劇《幸運な間違い》、グリフィス&ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズによるギロヴェッツ:交響曲、ピアノ協奏曲と協奏交響曲、ウィレンズ&ケルン・アカデミーによるローレ:シンフォニアとチェンバロ協奏曲、ボストック&プフォルツハイム南西ドイツ室内管によるスメザーゲル:序曲集第2集など、CD8タイトルがリリースされます。
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827):劇場のための音楽集(4枚組)
マルクス・ボッシュ(指揮)カペッラ・アクイレイア
マルクス・ボッシュとカペッラ・アクイレイアによるベートーヴェン生誕250年記念企画『劇場のための音楽集』をセット化。第1集では、1812年初演の『アテネの廃墟』(「トルコ行進曲」を含む)を脚本家カイ・ヴェスラーによる新しいテキストで、当時の政治的メッセージを現代にも通じる物語として再構築。同様に第2集の『シュテファン王』も現代ドイツ語で再構成されています。第3集には劇音楽『エグモント』全曲を収録。こちらも現代作家によるテキストが用いられています。第4集ではバレエ『プロメテウスの創造物』を紹介。台本が失われたこの作品の音楽そのものの魅力に焦点を当て、他の代表作との関連も示唆しています。そのほか「静かな海と楽しい航海」や「奉献歌」、《フィデリオ》の序曲を収録。ベートーヴェンの舞台音楽の魅力を今の時代に伝える意欲的なシリーズです。
(ナクソス・ジャパン)
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ジョアキーノ・ロッシーニ(1792-1868):歌劇《幸運な間違い》(2枚組)
アレッサンドロ・デ・マルキ(指揮)テレジア管弦楽団(古楽器オーケストラ)
19歳のロッシーニが作曲し、ヴェネツィアで初演された《幸運な間違い》。彼の特徴である躍動感あふれる音楽が魅力です。この上演の大成功によってロッシーニは一躍注目を集め、「チマローザの後継者」と称されるようになりました。本盤では、ペーザロ・ロッシーニ音楽祭でも活躍するアントニオ・ガレスと、ウィーンで研鑽を積みバロック・オペラに定評のあるミリアム・アルバーノ他、実力派の歌手たちが出演。指揮は、バロックからベルカントまでを得意とする名匠アレッサンドロ・デ・マルキ、演奏は、2012年に「女帝」マリア・テレジアに因んで結成され、世界中の若手奏者から成るピリオド楽器オーケストラ「テレジア」が担いました。
あらすじ…権力者オルモンドの奸計により不倫の噂をたてられた公爵夫人イザベッラは、夫ベルトランドにより海に流されますが、鉱山で働くタラボットに救われて彼の姪として暮らします。数年後、彼女の正体を知ったタラボットは公爵との再会を計画。再び邪魔を企てるオルモンドの陰謀は失敗に終わり、イザベッラと公爵は無事に和解します。
(ナクソス・ジャパン)
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ヘンリエッテ・ボスマンス(1895-1952):チェロ・ソナタ、夜想曲、3つの印象
ラファエル・ウォルフィッシュ(チェロ)、エト・スパンヤールト(ピアノ)、シャロン・グリフィス(ハープ)
ピアニストの母と、コンセルトヘボウ管の首席チェリストであった父のもとに生まれたボスマンスは、幼い頃に父を亡くし、母やヤン・ヴィレム・ケルスベルゲン、さらにコルネリス・ドッパーに学んで作曲家としての基礎を築きました。彼女の作品は一時期忘れられていましたが、1980年代以降、再評価が進みその芸術的価値が見直されています。
「チェロ・ソナタ」は1919年にアムステルダムで作曲者自身のピアノと、コンセルトヘボウ管弦楽団の首席チェリスト、マリックス・レーヴェンゾーンの演奏によって初演された、ロマン派の影響が色濃い作品で、ボスマンスにとって最初のチェロ作品です。「ノクターン」はチェロとハープのための抒情的な作品で、レーヴェンゾーンのために書かれたと考えられていますが、生前に演奏された記録は残っていません。フランス印象派の影響が感じられる、繊細な音の世界が広がります。
「3つの印象」は、若きチェリスト、フリーダ・ベリンファンテと、著名なフランス人チェリスト、ジェラール・ヘッキングへの敬意を込めて書かれた、ボスマンス最後のチェロ作品です。これらの作品は、前作《チェロ協奏曲》に続き、ウォルフィッシュとスパンヤールトによって、深い共感とともに演奏されています。
(ナクソス・ジャパン)
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ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767):フランス風典礼歴カンタータ集 1714/1715 第5集(2枚組)
フェリックス・コッホ(指揮)ノイマイヤー・コンソート、グーテンベルク・ソロイスツ
テレマン作品の復興に力を注ぐcpoレーベルのシリーズ、1714年から1715年にかけてフランクフルトのバルフューサー教会の礼拝のために作曲したカンタータ全72曲の録音プロジェクトの第5集。このカンタータ集はフランス風舞曲の要素や、オペラ・アリアを思わせるソロ・パートと聖書詩句の融合が特徴で、今作には9曲を収録。昇天祭と聖霊降臨祭、さらに三位一体後の日曜日のための作品も含まれています。これまでと同じく、テキストはエルトマン・ノイマイスター(1671-1756)によるもの。フェリックス・コッホの指揮によるこのプロジェクトは、バロック歌唱に実績のあるヴェテラン歌手とともに、このプロジェクトのために選抜された若き歌手たちが組織するヴォーカル・アンサンブル「グーテンベルク・ソロイスツ」及び器楽アンサンブルの「ノイマイヤーコンソート」が演奏します。
ジャケット…「フランクフルト・アム・マインの眺望」、ウルスラ・マグダレーナ・ラインハイマー(1777-1845)作、1825年から1830年
(ナクソス・ジャパン)
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アダルベルト・ギロヴェッツ(1763-1850):交響曲イ長調、ピアノ協奏曲ニ長調、協奏交響曲ニ長調
ハワード・グリフィス(指揮)ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ
チェコに生まれ欧州諸国で活躍した後にウィーンで没したギロヴェッツは、古典派からロマン派へと移り行く時代を代表する作曲家。交響曲がハイドンの名前で出版されたりもしましたが、モーツァルトと親交を結び、ショパンがウィーンにデビューした際にギロヴェッツの協奏曲を弾くなど、非常に高い人気がありました。41歳の年にウィーンの宮廷歌劇場の副楽長となったのを境に舞台作品を中心に作曲するようになりましたが、ここに収められたのはその前、器楽作品を多数手がけ、「ハイドンの最良の作品に匹敵する」と讃えられた時期のものから選ばれています。当盤の指揮とオーケストラは、この時代の音楽の第一人者。ソリストはChallenge Classicsでベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集を録音しているマイケル・フォイルをはじめ、欧州のレーベルから録音を発表している実力者の若手演奏家たち。ギロヴェッツの再評価は室内楽曲が先行している感があるだけに、オーケストラ作品をハイレベルの演奏で収めた当盤には大きな意義があります。ウィーンの古典派から初期ロマン派の音楽が好きな人には是非聞いて頂きたいディスクです。
(ナクソス・ジャパン)
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ヨハン・カスパール・フェルディナント・フィッシャー(1656-1746):賛歌と詩篇
パトリック・デブラバンデレ(指揮)アンサンブル・グロリオースス
ベルギーからまた新たな古楽アンサンブルが登場。ラテン語で「栄光のある」「立派な」を意味するGloriosusを冠する「アンサンブル・グロリオースス」は、2022年にパトリック・デブラバンデレによって創設されました。ベルギーの古都ゲントを拠点に、古楽が盛んになって久しい今日でさえ見過ごされている傑作があると主張し、それらを世に出すべく活動しています。創設指揮者のデブラバンデレはピアノとオルガンを学んだ後、エリック・ファン・ネーヴェルに合唱指揮を学び、彼のアンサンブル・クレンデにテノール歌手として参加。特にバッハのヨハネとマタイの両受難曲のエヴァンゲリスト役が高い評価を得ました。ここでは声楽が各パート3人、器楽がヴァイオリン2、チェロ、コントラバス、オルガン各1にアルト、テナー、バスのサクバット各1という編成でJ.C.F.フィッシャーの宗教声楽曲をとりあげています。
フィッシャーは鍵盤楽曲「アリアドネ・ムジカ(音楽のアリアドネ)」がバッハの「平均律クラヴィーア曲集」の先駆的存在として引き合いに出されるなど、主に鍵盤音楽の作曲家として知られています。もう一つの有名作「音楽のパルナッソス山」や管弦楽作品ではフランス・バロックの影響が顕著で、ここに収められたラテン語の宗教曲の多くは、イタリア初期バロックからシュッツやブクステフーデの宗教曲に通じるスタイルとサウンドで書かれながら、独唱パートの旋律にフランス風の優美さがうかがわれるという興味深いものです。
(ナクソス・ジャパン)
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ヨハン・ハインリヒ・ローレ(1716-1785):シンフォニアとチェンバロ協奏曲
マイケル・アレクサンダー・ウィレンズ(指揮)ケルン・アカデミー(古楽器使用)、ミヒャエル・ボルクシュテーデ(チェンバロ)
バロック最後期から古典派の黎明期を生きたローレは、オラトリオや受難曲といった宗教音楽やオペラなど、声楽作品が比較的良く知られています。一方で器楽作品は録音の数が極めて乏しかったので、このアルバムは特に注目です。収録曲はいずれも急緩急の3楽章構成という古風な形式をとりつつ、古典派に通じる明晰で新鮮な情感を伝えて来ます。3曲のシンフォニアは演奏時間8分程度とコンパクトなのに対し、チェンバロ協奏曲は2曲とも20分前後と規模が大きく、特に長い第2楽章では複雑な情緒が表現されます。
ウィレンズ率いるケルン・アカデミーの演奏は堂に入ったもの。ボルクシュテーデを迎えたチェンバロ協奏曲でもテンポとダイナミックスをメリハリよく変化させ、速い楽章の爽快感と緩やかな楽章の抒情を美しく表出しています。
ジャケットに描かれているのはローレ所縁の街マクデブルク。
(ナクソス・ジャパン)
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ウィリアム・スメザーゲル(1751-1836):序曲集 第2集
ダグラス・ボストック(指揮)プフォルツハイム南西ドイツ室内管弦楽団
古典派とのその前後の時代の豊饒さを紹介するcpoならではの企画。スメザーゲルはロンドンで教会のオルガニストを務め、ヴォクソール・ガーデンでヴィオラを演奏していましたが、その生涯に関する情報は乏しく、まとまった録音となると当盤のコンビが2023年に発表していた作品5の序曲集くらいしかありません。ここに収められた作品2は1778年出版。急緩急の3部分からなるイタリア風序曲のスタイルで、作曲年代を考えるとやや保守的ですが、緩徐楽章の整った旋律美と爽やかな抒情が流れてゆく中にふっと陰影がよぎるところはモーツァルトに通じる風情があります。弦5部(4/4/3/2/1)にチェンバロ、オーボエとファゴットとホルンが各2本という編成から多彩な音色を引き出しているところはスメザーゲルの才能の証であると同時に、校訂譜を用意したボストックの功績もあるのでしょう。ウィリアム・ボイスやクリスティアン・バッハのシンフォニアを好む人にお勧めしたい1枚。
ジャケットにはスメザーゲルの演奏活動の場であったヴォクソール・ガーデンが描かれています。
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2025年08月14日 13:00