CPO レーベル~2025年8月発売新譜情報(7タイトル)

CD(7タイトル)
■作品詳細
知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。
今回はレーナ・ノイダウアーが、満を持して録音したベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲に、メラルティンの交響曲第5番&第6番、ボスマンスの世界初録音となる2曲のチェロ協奏曲、ヴァンハルの4曲の交響曲、エゴン・ヴェレスの弦楽四重奏曲全集第1集など、CD7タイトルがリリースされます。
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827):ヴァイオリン・ソナタ全集(3枚組)
レーナ・ノイダウアー(ヴァイオリン)、パウル・リヴィニウス(ピアノ)
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(777559)やシューベルトのヴァイオリン・ソナタ全集(555153)などのアルバムで高く評価されているヴァイオリニスト、レーナ・ノイダウアーが、満を持してベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲を録音。ドイツ古典派からロマン派作品を得意とする彼女の演奏は、初期の習作的な作品から有名な第5番「春」を経て、第9番「クロイツェル・ソナタ」で聴かれる力強さ、感情的な深さまで、それぞれの作品が持つ異なる特徴を描き出し、作曲された時代やベートーヴェンの心情を鮮やかに反映しています。
ノイダウアーはザルツブルク・モーツァルテウム音楽院でヘルムート・ツェートマイアーに師事。2006年、15歳の時にアウグスブルクで開催された「レオポルト・モーツァルト国際コンクール」で第1位を受賞した後、ソリストや室内楽奏者として幅広く活躍しています。共演するピアニストのリヴィニウスは、2004年からモーツァルト・ピアノ四重奏団のピアニストも務め、北米、南米、アジアでの大規模なツアーを通じて国際的な評価を得ています。
(ナクソス・ジャパン)
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エルッキ・メラルティン(1875-1937):交響曲第5番、第6番
アリ・ラシライネン(指揮)トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団
リンと鳥のさえずりを思わせるフルートの旋律が印象的な第2楽章、素朴な舞曲による民謡風の第3楽章、そして4つの主題が精巧に絡み合い壮大なクライマックスを築く終楽章で構成されます。
第6番はメラルティンが完成させた最後の交響曲。1918年末に構想され、1925年、作曲者の50歳の誕生日に初演されました。激動の時代に生まれたこの作品は、第5番とは対照的に、内面的・神秘的で悲劇的な色合いを湛え、智学や薔薇十字団の思想と関わりを持つとされています。第1楽章のモットー主題が全体を貫き、印象派的な第2楽章、五音音階に基づいた第3楽章、そして終楽章では主題が回帰し、勝利のようなクライマックスに至ります。緩緩急急という異色の4楽章構成で、調性感が希薄になり、メラルティンの新境地を感じさせます。彼はこの後も交響曲の創作に取り組みますが、完成させることなく世を去りました。
(ナクソス・ジャパン)
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一部世界初録音
ヘンリエッテ・ボスマンス(1895-1952):チェロ協奏曲第1番、第2番、詩曲
ラファエル・ウォルフィッシュ(チェロ)、エト・スパンヤールト(指揮)BBCスコティッシュ交響楽団
【オランダの作曲家ボスマンスの世界初録音となる2曲のチェロ協奏曲を名手ウォルフィッシュが演奏!】
ピアニストの母と、コンセルトヘボウ管の首席チェリストであった父のもとに生まれたボスマンスは、幼い頃に父を亡くし、母やヤン・ヴィレム・ケルスベルゲン、さらにコルネリス・ドッパーに学んで作曲家としての基礎を築きました。1919年にコンセルトヘボウ管弦楽団の首席チェロ奏者マリックス・レーヴェンゾーンの依頼により、チェロとピアノのための「詩曲(ポエム)」を作曲。初演の成功を受けて1927年に管弦楽版を発表し、こちらはピエール・モントゥー指揮のもと初演されました。スペイン風の旋律とリズムが印象的なこの作品は高く評価されましたが、第二次世界大戦後は長く忘れられていました。1922年に作曲されたチェロ協奏曲第1番も、レーヴェンゾーンが初演を務め大きな成功を収めました。批評家たちは、旋律の独創性、形式の巧みさ、管弦楽の扱い、そしてチェロの書法に高い評価を与えており、特に第2、第3楽章にはボスマンスが愛した歌劇《カルメン》の影響とされるスペイン風の要素が見られます。一方、1923年作曲の《第2番》は若きチェリスト、フリーダ・ベリンファンテに献呈されたもので、第1番とは異なり、劇的な要素や物語的手法は控えめで、チェロの独奏による静かな序奏や田園的なスケルツォ、神秘的な中間部が特徴的ですが、終楽章でタンバリンを活躍させるところにボスマンスらしさが垣間見えます。
(ナクソス・ジャパン)
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ヨハン・バプティスト・ヴァンハル(1739-1813):交響曲集
イヴァン・レプシッチ(指揮)ミュンヘン放送管弦楽団
ヴァンハル(ヴァニュハルとも)は、ウィーンを拠点に作曲家として高い名声を得た人物で、音楽教師の活動を経て、作曲のみで生計を立てた最初の作曲家の一人とされています。彼の交響曲は短期間でヨーロッパからアメリカまで広まり、極めて高い需要に応じる形で交響曲73曲以上、弦楽四重奏曲100曲ほど、宗教曲90曲以上などを残しました。この録音に収められた4つの交響曲は、構成の巧みさ、豊かな色彩感、劇的効果、記憶に残る旋律を兼ね備え、ヴァンハルの才能をよく示しています。作品番号を付した研究家ブライアンによると、ト短調とヘ長調の作品は1769年のイタリア渡航前、イ長調とイ短調はドイツに帰国した1770年以降の作品と推定され、これらはヴァンハルの作風の変化を検証する資料ともなります。特に短調の2作品は、ハイドンの「シュトゥルム・ウント・ドラング」期の作品と比較されてきました。また、ヴァンハルのホルンの使用は非常に革新的であったことでも知られており、彼のオーケストレーションの柔軟性と響きの豊かさを際立たせています。彼の交響曲は、同時代のディッタースドルフやモーツァルトにも影響を与え、18世紀ウィーンの交響曲発展において重要な位置を占めています。
(ナクソス・ジャパン)
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エゴン・ヴェレス(1885-1974):弦楽四重奏曲第2番、第5番、第7番
アロン四重奏団
【アロン四重奏団が奏でるエゴン・ヴェレスの弦楽四重奏曲全集、第1集】
ウィーン生まれの作曲家・音楽学者エゴン・ヴェレスは、シェーンベルク門下で、後期ロマン派から現代音楽への架け橋となる重要な存在です。教師としても名高く、日本の作曲家・橋本國彦も彼の弟子の一人として知られています。第一次世界大戦中に構想された弦楽四重奏曲第2番は、ヴェレス自身が「平和の崩壊」に深く影響を受けたと語り、調性感がギリギリのところで保たれた内面的で重厚な作品です。第5番は、ナチスによる亡命を経験したヴェレスが5年間の沈黙を経て「故郷と過去への追悼」として書き上げたもの。第1楽章は不協和音を織り交ぜつつも調性感を保っていますが、第2楽章と第3楽章にはシェーンベルクの十二音技法が完全な形で用いられています。1948年に作曲された第7番は伝統的な形式を踏まえながらも、調性の限界に挑戦した意欲作です。対位法の技法が駆使された第1楽章が特徴的です。
(ナクソス・ジャパン)
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ヤン・ピーテルスゾーン・スヴェーリンク(1561-1621):ダヴィデ詩篇集
マンフレート・コルデス(指揮)ブレーメン・ヴェーザー=ルネサンス、エドアルド・ベッロッティ(オルガン独奏)
【「アムステルダムのオルフェウス」と称賛されたスヴェーリンクの詩篇集をルネサンス音楽の泰斗が録音】
鍵盤音楽の歴史において大変重要な位置を占めるスヴェーリンクですが、教会音楽の分野においても重要な貢献を果たしました。その中でも有名な作品がカルヴァン派のジュネーヴ詩篇に作曲した全4巻に及ぶダヴィデ詩篇集です。1604年の第1巻を皮切りに、1613年に第2巻、1614年に第3巻、そして死後の1621年に第4巻が出版されました。ジュネーヴ詩篇集にはオランダ語訳が存在していたのですが、スヴェーリンクはおそらくその訳の不完全さを避けて、原典のフランス語訳に曲を付けました。各曲は詩篇の旋律を基にしながらも、最大8声部に至るさまざまな編成で作曲され、スヴェーリンクの精巧な作曲技法が発揮されています。
この録音には、スヴェーリンクが生涯の長い間に渡って作曲したラテン語による教会音楽集「カンツィオーネス・サクレ」から、詩篇をテキストとした作品も併せて収録されています。作曲家晩年の1619年に、当時カトリックの都市であったアントワープで、カトリック教徒の友人に献呈する形で出版した当曲集は、フランス語によるダヴィデ詩篇集とは言語が異なるだけでなく作曲技法も異なっており、聴き比べることでスヴェーリンクの教会音楽作曲技法の多様さを知ることができます。教会音楽の合間にはスヴェーリンクの鍵盤音楽の名曲が挿入されており、当時のオランダの礼拝における音楽のあり方を偲ばせるプログラムとなっています。
コルデス率いるヴェーザー=ルネサンスの精緻な歌唱は、楽曲の魅力を存分に堪能させてくれる上に、ダヴィデ詩篇とカンツィオーネス・サクレの作曲技法の違いも明快に示されているので、スヴェーリンクの教会音楽を多角的に知ることができます。当アルバムは、この録音で見事なオルガン独奏を披露しながらも、録音からわずか1ヶ月後の2022年の2月に急逝した歴史的オルガン演奏の名手エドアルド・ベッロッティに捧げられています。
ジャケット絵画 エマヌエル・デ・ヴィッテ(1617年頃-1692年)アムステルダム旧教会の内部
(ナクソス・ジャパン)
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フランチェスコ・バルトロメオ・コンティ(1682-1732):セレナータ《名声の凱旋》(2枚組)
オッタヴィオ・ダントーネ(指揮)アカデミア・ビザンチナ、ノヴォ・カント&ラ・スタジョーネ・アルモニカ
【インスブルック古楽音楽祭2024年のハイライト、神聖ローマ皇帝カール6世を称える華やかなるセレナータ!】
フィレンツェに生まれたフランチェスコ・バルトロメオ・コンティは、10代からテオルボ奏者として名声を博し、1701年、弱冠20歳でその腕を見込まれハプスブルクの宮廷楽団に雇われました。また作曲家としてもメキメキと頭角を現し、1713年には宮廷作曲家に任命されるなど、同楽団で重要な地位を確立しました。
トランペットとティンパニが加わる祝祭的な合唱で始まる1幕のセレナータ《名声の凱旋》は、1723年にプラハで行われたカール6世聖名祝日の祭典で上演されました。一般的な歌劇に含まれる登場人物たちの対話や重唱がほとんどなく、名声、栄光、才能、運命、剛勇といった擬人化された登場人物たちが順番に現れてはカール6世の偉大な功績を称える内容となっており、当時のハプスブルク宮廷が擁していた世界最高の実力を持つ歌手たちが代わる代わる登場し、皇帝を称えて歌いに歌った壮麗な舞台が偲ばれます。
若き実力派カウンターテナーのバルドゥッチをはじめとする今をときめく実力派歌手たちが揃った当録音の陣容は、往時のハプスブルクの宮廷歌手もかくやと思わせるもの。指揮のオッタヴィオ・ダントーネ率いるアカデミア・ビザンチナは、長年に渡り古楽演奏を牽引してきたオーケストラで、オペラやオラトリオなどバロック時代の劇作品の復活上演も数多く手がけ、2024年からはインスブルック古楽音楽祭のレジデントを務めています。この録音ではダントーネが音楽学者ベルナルド・ティッチと共同で作成した批判校訂版を使って演奏し、18世紀のハプスブルク家の威容を示した華やかな祝祭音楽を彷彿させます。
ジャケット絵画 ヨハン・ゴットフリート・アウエルバッハ:カール6世肖像(1735年)
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2025年07月09日 16:00