レイチェル・ポッジャー&ブレコン・バロック 『ビーバー:ヴァイオリン・ソナタ集』 2025年7月3日発売

ビーバー芸術の洗練を名手ポッジャーと味わう
CD
※国内仕様盤解説訳…白沢達生■作品詳細
モーツァルト父子に先駆けザルツブルク大司教の宮廷で活躍、ドイツ語圏随一の凄腕ヴァイオリン奏者兼作曲家として高い名声を博し貴族にも序されたハインリヒ・ビーバー。その芸術の粋が示された1681年の独奏ソナタ集に、現代を代表するバロック・ヴァイオリン奏者の一人レイチェル・ポッジャーが正面から向き合い、見事な演奏解釈のアルバムに結晶させました。ビーバーが主君ザルツブルク大司教マクシミリアン・ガンドルフに捧げた曲集としては、変則調弦(スコルダトゥーラ)を駆使した異例の手法がめだつ『ロザリオのソナタ集』(1674/78年頃)が有名ですが、作曲家37歳の年に刊行されたこちらの曲集では変則調弦の利用を最小限に留め、より洗練された技巧と表現力を追求するものとなっているのが特徴。ビーバーならではというほかない美しい和声と歌心がきわだつ名品揃いで、近年は競合録音も少なからずありますが、ポッジャーは豊かな活動歴に裏打ちされた精緻にして端正な演奏を通じ、まさに彼女でなくては成し得ない境地を味わえる充実解釈に仕上げています。
当該曲集からの5曲に加え、鳥や猫、蛙の啼き声や銃士の活躍などをヴァイオリンで活写する「描写的ソナタ」(ビーバーの自筆譜はシュメルツァーの作品を筆写したものという説あり)も収録。手練の通奏低音陣と共に、バロック期の南ドイツらしい遊び心も縦横無尽に楽しませてくれるのが嬉しいところです。
(ナクソス・ジャパン)
■収録曲
ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・フォン・ビーバー(1644-1704):『ヴァイオリン独奏[と通奏低音]のためのソナタ集』(1681)より
1-4. ソナタ 第5番 ホ短調 C 142
5-9. ソナタ 第1番 イ長調 C 138
10-15. ソナタ 第2番 ニ短調 C 139
ビーバー(あるいはハインリヒ・シュメルツァー〔1620/23頃-1680〕):
16-24. 描写的ソナタ イ長調 C 146
ビーバー: 『ヴァイオリン独奏[と通奏低音]のためのソナタ集』(1681)より
25-29. ソナタ 第6番 ハ短調 C 143
30-34. ソナタ 第3番 ヘ長調 C 140
【演奏】
レイチェル・ポッジャー(ヴァイオリン)
使用楽器: ジェノヴァのアントニオ・ペザリーニ1739年製作のオリジナル楽器/
弓: ルネ=ウィリアム・グロップ製作のオリジナル弓
ブレコン・バロック(古楽器使用)
マルツィン・シヴィオントキェヴィチ(チェンバロ、オルガン)
エリザベス・ケニー(テオルボ、バロックギター)
ダニエレ・カミニティ(アーチリュート)
市瀬礼子(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
フレッド・トーマス(打楽器)[23]
【録音】
2024年12月 イングランド、グレート・ヘイズリー、セント・ピーターズ教会
収録時間: 70分
レイチェル・ポッジャーのビーバー録音
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2025年05月23日 15:00