フランク・ザッパ、1973年12月のロキシーでのライヴ・フィルムが遂に登場
カセット、Tシャツ、「ロキシー読本」、ディスク2枚分の紙ジャケを封入した限定ボックスセットは15%オフ!
1973年12月、米ロサンゼルスにて、4公演に渡って4台の16ミリ・カメラによって撮影されたライヴ・フィルムが遂に陽の目を見る。73年のフランク・ザッパ&ザ・マザーズ(以下、ザッパ&マザーズ)のロキシー・シアター公演はまさにファンが待ち望んだものであり、超のつく蔵出し映像となること間違いなし。
「今夜はカメラが入っていて、こいつで音と映像を記録するんだが…でも何かとんでもないことが起きている」。
作品の冒頭でいきなりフランク・ザッパの声が鳴り響いているのは、実はこの時、録音機材の問題が起こり、その間を埋めるためだ。この“とんでもないトラブル”のおかげで、この作品は何十年もの間、陽の目を見ることがなかった。テクノロジーの進歩により、この素晴らしい作品がようやく発表されることになった。このエピソードについては共同プロデューサーで編集も行ったジョン・アルバリアンのライナーノーツに詳しく書かれている。
演奏については、ジョン・アルバリアンが「マジックで物が消えるのを見た子どものようにただ笑うしかなかった」と言うくらい、とにかく超絶という表現しか思い当たらない、プログレッシヴでファンキーで、ブルースにジャズ・ロックがごった煮となったハイブリッドなロック。宙をうねる様なザッパのギターに、ナポレオン・マーフィー・ブロックのソウルフルなヴォイスと、ジャジー&ムーディな曲でより発揮されるジョージ・デュークのヴォーカル&キーボード・プレイ。ベースのトム・ファウラー、チェスター・トンプソンとラルフ・ハンフリーのツイン・ドラムが織りなすファンキーなグル―ヴ。そしてバンドのパワーに彩りを添えるブルース・ファウラーのトロンボーンとルース・アンダーウッドのパーカッション。
ザッパ&マザーズ楽団は変拍子を変幻自在に操り、達人たちが展開するインプロヴィゼーションはグレイトフル・デッドの“緩さ”とは対を成す“厳格さ”が特徴だ。
圧巻はラストの「ビーバップ・タンゴ」で、観客をステージに呼び込みダンスをさせ、さらにはストリッパーまで招いて繰り広げられる猥雑な魅力に満ちたエンターテインメント・ショーはロック・ヒストリーにおける最重要シーンで、ザッパ・ファンならずともロック・ファン必見の瞬間だ。
そして今回、ロキシ―・ザ・ムーヴィー日本盤での特徴はセリフも歌詞も完全日本語字幕対応している事である。
ザッパの曲は風刺、おちょくり、エロといった歌詞にもその面白さがあるのは周知の事実だ。これまで日本語字幕が許されなかったことも多いザッパの映像作品とは違い、本作はステージでのザッパのジョークや、観客との愉快なやりとり、そして歌詞にも字幕を付けた完全日本語字幕対応になっていて、演奏だけではないザッパの音楽の魅力がたっぷり味わえる映像作品だ。
さらに嬉しいことにサウンドトラックCDまで収納されており、レコード/CDのコレクターには見逃せない逸品となっている。
最後に、本作には隠しトラックが収録されている。隠しトラックなのだから本来この場で発表してはいけないことだが、隠しておくにはもったいなさすぎるお宝映像が収録されているので、ヒントだけ残して、これを探すのは、ファンにとってもう一つのお楽しみだ。
<ゲイル・ザッパ(フランク・ザッパの妻)>
「フランクは音楽のバリアを打ち壊し、オーディエンスに現代音楽の真の可能性を教え、彼らを楽しませて来た。決して真面目に捉えられ過ぎることなく。どんな人にも楽しんでもらえるんだ、8歳から13歳の子供達だってね、と彼はいつも言ってたわ。母親になってみて分かったけれど、ちょうどその年頃は、想像の世界がどんどん広がっていて、その頃得た色んなアイディアはずっと残っていき、その後も広がっていくの」
<アーメット・ザッパ(フランク・ザッパの息子)>
「ロキシ―・ザ・ムーヴィーが遂に発売されることになり、とても嬉しいよ。ヘラクレスばりの努力のおかげだね。作品の復活に向け、細部に渡り、たくさんの愛や時間、エネルギーや労力が注がれているんだ。このムーヴィーは相当ロックしてるし、古くからのファンはもちろん新しいファンも認めてくれるはずさ。エンジョイ!」