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追悼 佐伯茂樹氏(1960~2019)

カテゴリ : Classical

掲載: 2019年08月05日 00:00

佐伯茂樹氏

古楽器演奏家・音楽評論家の佐伯茂樹氏が2019年8月1日、心不全のため亡くなりました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

佐伯氏は演奏家と評論家の両面で活躍され、同時に斯界随一の管楽器研究者として単行本、雑誌記事、ライナーノーツ、大学での講義、講演会、テレビ出演で、音楽愛好家だけでなく、専門の音楽学生、音楽家をも幅広く啓蒙し続けてきました。このような立ち位置での活動は、他の誰にも真似できないところで、近年は管楽器が絡んだ雑誌や特集記事ではほぼ100%、佐伯氏の名前をお見かけするほどでした。佐伯氏の58歳での急逝は、日本の音楽界のみならず、世界の音楽界にとっても大きな損失と言えるでしょう。

佐伯氏のこの10年の仕事量は膨大で、それは10冊を超える単行本に明らかです。CD解説でもすっかりお馴染みとなっていました。タワーレコード限定盤へのライナーノーツ執筆も2016年12月発売のベルリン・フィルハーモニー金管アンサンブル/ブラスのクリスマス(PROC-1998)を皮切りに、ネーメ・ヤルヴィ/シベリウス: 交響曲全集、管弦楽曲集(PROC-2050)、イーゴリ・マルケヴィチ/ストラヴィンスキー: 兵士の物語(PROC-2077)、ゲオルグ・ショルティ/マーラー:交響曲第5番・6番≪悲劇的≫・第7番≪夜の歌≫(PROC-2079)、ゲオルグ・ショルティ/マーラー: 交響曲第8番《千人の交響曲》, 交響曲《大地の歌》(PROC-2105)と続き、演奏論ばかりではない、使用楽器についての考察を含む詳細な解説が、好評をもって迎えられました。6点目となった2019年7月10日発売のザイフェルト&カラヤン/モーツァルト: ホルン協奏曲全曲(PROC-2220)が、タワーレコード限定盤への最後の執筆となってしまいました。

ここに改めて、佐伯氏への感謝の意を表したいと思います。
(タワーレコード)

佐伯茂樹氏が演奏に参加したCD

ショパン:ピアノ協奏曲第1&2番
仲道郁代(ピアノ:オリジナル・プレイエル)
有田正広指揮 クラシカル・プレイヤーズ東京
クラシカル・プレイヤーズ東京のメンバーとしてレコーディングに参加。佐伯氏はショパン時代のオリジナルのヴァルヴトロンボーンを演奏しています。スライドトロンボーンではなくヴァルヴトロンボーンを使用することで、ショパンが本来望んだアーティキュレーションを再現するという、世界初の試みでした。

※ ページ下部の【関連商品】には、佐伯茂樹氏がライナーノーツを執筆したCD、及び単行本を掲載しています。

佐伯茂樹(さえきしげき)氏
古楽器演奏家・音楽評論家
1960年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東京藝術大学でトロンボーンを学ぶ。ピリオド楽器を中心に演奏活動をし、クラシカルプレイヤーズ東京を始め、国内の古楽オーケストラで古典アルトトロンボーンを担当し、古楽器を中心とした演奏活動を行なっている。日本で数少ないオフィクレイド奏者としても定評があり、バッハ・コレギウム・ジャパンなどにも参加した。ピリオド楽器による東京ヒストリカルブラスを主宰。

管楽器全般の研究でも知られており、2008年4月から2012年4月まで東京藝術大学大学院で楽曲と楽器に関する講議を担当。2012年には同大古楽器科で集中講義を担当した。放送大学の講義ビデオに出演。東京藝術大学古楽科、浜松市楽器博物館、福岡古楽音楽祭、日本ワーグナー協会などの招きで講演会をおこなった。2012年には、NHKテレビの「N響アワー」に、2015年には、同「らららクラシック」にゲスト出演した。

一方、数多くの音楽雑誌で記事や論文を執筆。国内外アーティストのインタビューでも定評がある。ラトル=ベルリンフィルなどのCDでライナーノートを執筆もしている。NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団の機関誌で連載を執筆するほか、コンサートの監修も手掛ける。『バンドジャーナル』(音楽之友社)でディスクレビューとコラムを担当。『レコード芸術』(音楽之友社)で月評を担当。レコードアカデミー賞選定委員。ミュージック・ペン・クラブ・ジャパン会員。

著書に『名曲の暗号』(音楽之友社)『金管楽器 演奏の新理論』『木管楽器 演奏の新理論』『管楽器おもしろ雑学事典』(ヤマハ・ミュージック・メディア)『カラー図解 オーケストラの世界』『カラー図解 吹奏楽の世界』『カラー図解 楽器の歴史』(河出書房新社) 『オーケストラ・吹奏楽が楽しくわかる楽器の図鑑(全5巻)』(小峰書店)『名曲の常識・非常識 オーケストラの中の管楽器考現学』(音楽之友社)『楽器博士 佐伯茂樹がガイドするオーケストラ 楽器の仕組みとルーツ』(音楽之友社)など多数。最新刊は『名曲の真相』(アカデミアミュージック)。『リチェルカール古楽器ガイド1』『リチェルカール古楽器ガイド2』(マーキュリー)日本語版監修