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68年のサンフランシスコが生んだ空気を象徴する名演集

Janis Joplin

Don Hunstein

 

 こちらもまた68年という時代の空気を存分に反映した作品の筆頭格となろう。ジャニス・ジョプリンを擁するビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニーの『Cheap Thrills』に50周年記念盤『Sex, Dope & Cheap Thrills』が登場した。68年8月にリリースされたオリジナルの『Cheap Thrills』は、サンフランシスコで結成された彼らの通算2作目にしてメジャー・デビュー作。ガーシュインのスタンダード“Summertime”やアーマ・フランクリン“Piece Of My Heart”などのカヴァーをレパートリーの中心に、〈モンタレー・ポップ・フェスティヴァル〉で一躍脚光を浴びたジャニスのソウルフルな歌唱と鮮やかな存在感を堪能できる名盤だ。

 〈今回の『Sex, Dope & Cheap Thrills』という表題は、当時〈過激すぎる〉という理由でレコード会社に却下されたという幻のタイトル。『Cheap Thrills』の増補版ではなく、あくまでも名盤の完成に至るまでのスタジオ・セッションからのアウトテイク集という体裁になっている。68年のスタジオ・セッションから選ばれた29曲(うち24曲は今回が初出)の別テイクに、68年4月の〈Winterland Ballroom〉公演における“Ball And Chain”のライヴ音源を加えた全30曲。グレイス・スリック(ジェファーソン・エアプレイン)とバンド・メンバーのデヴィッド・ゲッツによるライナーノーツも含め、カウンター・カルチャー全盛だった60年代サンフランシスコの空気を新鮮に感じることができるだろう。

掲載: 2018年12月17日 17:08