カスタマーズボイス一覧

マニャール: 交響曲 第3番&第4番 / ファブリース・ボロン、他

2曲とも曲自体は短いものの、そこに収められた情報量は多彩で時間的ハンデを全く感じさせない。特に第3番はドイツ・ロマン派好きなら必聴。音源としてはプラッソン(廃盤)、T.ザンデルリンクの名演と比べてしまうと、いささか性急にすぎ軽く聞こえてしまう点があるのが難点。それを除けば十分な演奏。

商品詳細へ戻る

anealholapaHさんが書いたカスタマーズボイス

(全161件)

ポーランドのシリーズなので、パデレフスキだけ聴いたら星一つなのも分かる気がする。けど、このCDのメインは間違いなくマルトゥッチだ。技巧派ゲルナーの縦横無尽っぷりが楽しめる。オーケストラがついて行くのがやっとこさ、なんてピアノ、そうそう聴けるもんじゃないよ。

表舞台の活動から裏街道へ移行(この人に至っては、本人の意思としか思えないけど)と、それに伴うマニアック街道への変遷が分かるオモシロアルバムとして推したい。POPS一辺倒だったものが様々な音楽(ワールドミュージックまで)を取り込み味わいとしてゆく。こういう年の取り方をしたいもの。

…簡単なのは分かるんですが、あくまで「料理に興味がある方向け」です。野郎の一人暮らしにこんな器具や調味料なんかねぇとツッコミを入れた瞬間もチラホラ…。あと、やる気がいらないというより省略レシピですね。簡単ですよ、確かに。

マンネリ、と言えば聞こえは良いが、悪く言えばバラエティが無さすぎる。それをド直球のROCKで延々とやられるのだから実に重苦しい。好きな人なら星5で全く問題ないが、肌に合わない人間には非常にキツイ。二郎系やド豚骨ラーメンに似ている。

「歌詞が無くてもオリコン1位は取れるよ」と豪語しそれを成しえたenergy flowをはじめ、ピアノを基調とした作品として作り上げられた傑作。なのは分かるが坂本氏本人としても商業的な成功が仇となったのか、以降氏の音楽はどうにも攻撃性が失われてしまったように感じる。そういう意味では枷となってしまった作品ではないかと。

今も続くエヴァ人気や、数多アニメを生み出したガイナックス、そして貞本義行・ 庵野秀明・坂本龍一ら現在も第一線で活躍するアニメーターが一同に会した伝説のアニメ。ブルーレイになって当時の作画技術の高さも証明された。

桑田佳祐のソロという意味合いも強いが、ファンとしてはKUWATA BANDの4枚のシングル、しかもスタジオ録音がまとめて聞けるというのが一番嬉しいのではないかと。しかも4チャン連発で。ベストなんだけど1枚のアルバムとしての出来も凄い。さすがです。

最近はカバーで人気の「化粧」をはじめ、中島みゆきの代名詞ともなった「わかれうた」、そして金八先生での伝説の逮捕シーンで流れた「世情」など、初期中島みゆきの人気曲が詰め込まれた傑作アルバム。って、この時代のアルバムは全部凄いってのが、この人の恐ろしさなんだけどね…

昨今見かけなくなった現代ピアノによる演奏。颯爽としたテンポで余計な仕掛けなどせずにすっきりとしたものに仕上げていて、曲の良さをストレートに楽しめるものとなっている。第2巻の録音もしっかり進めて、ぜひ全集にしてほしいところ。

ジャズピアニストというより、かの高名な教育者ナディア・ブランジェの愛弟子、キース・ジャレットと録音当時気鋭のリコーダー奏者ミカラ・ペトリによる演奏と言うべき。その冠にそぐわぬ教科書のような演奏で、裏を返せば緊張感と真面目っぷりでガッチガチ。聴き続けるにはパワーがいる。

キースとの演奏は彼の独特な間の取り方もあって異様な緊張感漂うものであったが、こちらでは肩の力の抜けた柔らかさが伺える。またパールのガンバ、エスファハニのチェンバロ共に(2019年)望みうる最良のパートナーと言え、ただバックとしてだけでなくしっかりと主張もある楽しい演奏だ。

BOX収録とはいえあまりに高額の全集だったので入手困難だった、と言っていいだろう。20年待ったかいがある単発登場だ。古楽器ならではの独特な柔らかさを生かしながらも、決して音ブレしないパールの演奏が光る。じっくりと聞き込める。

難しい顔をした現代音楽作曲家・武満徹の「素顔」ともいうべき優しい作品が揃う。また名曲のギター編曲は、原曲の雰囲気を失わない編曲の妙が光る逸品ぞろい(ビートルズものは涙もの)。作者本人の師事も受けた鈴木大介の演奏は、さらりとした音作りで曲にしっくりと合う。

伸びやかなテンポの揺らぎや、曲想に合わせた音の歌わせ方、そして実にまとまりの良いオーケストラ。いかにルイージがフィルハーモニア・チューリッヒと良好な関係を築き、そして鍛え上げてきたか分かる良い演奏。今年でこのコンビも解消との事だが、もったいない気がする。

これだけの大物の音源がPENTATONEレーベルというメジャーとは言い切れないレーベルから発売されるのも時代の流れか。しかし、今回はそれが良い方向に向かってくれた。余計な手が加えられないだけに、ワイラースタインが仕掛けた細かな揺らぎや音の強弱がしっかりと伝わってきた。

曲ごとに、違う人が弾いているんじゃないか? と思わせてくれるほど、表情が違う。ベートーヴェンでの堅実かつ愉悦感溢れる演奏を。現代の作曲家になると、音の広がりが凄い。ロマン派はうねるような響きを。ブッフビンダーの充実ぶりがうかがえる。

「遠き光」はクレーメルが鬼気迫る熱演を残しているが、グルズマンは温度を低めに保ちながら曲の美しさをクローズアップしている。それに勝るのが、リントゥのオケ捌き。ヴァスクスのリトアニアの作曲家らしい幻想的かつどこか宗教チックな和音を余すところなく響かせており、思わず聞き惚れてしまった。

名人集団とも言うべき室内楽オケとこれまた芸達者のマツーエフによる演奏という、夢のタッグに恥じない名人芸のオンパレード。近現代の小難しい曲をいとも簡単(そう)に颯爽と弾ききってしまうところなど、思わずワクワクしてしまった。特にルトスワフスキは聴きモノ。

ショスタコーヴィチも既に失われた時代の足跡となった。交響曲が漂わせるロシア色や政治色も、この人の演奏からは聞き取れない。あくまで純音楽としての完成度の高さを訴える。だからこその迫力や不気味さが素晴らしい。これからのスタンスを生み出したとも言える凄い演奏だ。

困った演奏だ(良い意味で)。人気曲フランクに名盤が少ないのは、間違いなくこの音源があるからだろう。逆を言えば、この音源の劇性に触れると、殆どの音源がなんとも頼りなく聞こえてしまう。バイロイトの第九にも負けず劣らずのフルトヴェングラーが残した「呪い」のような超絶大名盤。音質が当時としては頗る良いのも、特筆の一つ。

コンプリート版『イーチ・タイム』全部入り。←残念、違います。 レイクサイドストーリーのエンディング、更にカットされちゃいました…それを除けば満点なんですが…本当の復刻を一刻も早く望みます。

「オリコン」が一番力を発揮してきた頃ではないかと。販売枚数は多いがその全てが名曲とはいかないのが「売れる曲」の宿命か。昔を懐かしんでも今は共感できない曲があったりと、良くも悪くも時代を感じてしまった。

凄いですね、本当に。細野~大瀧~達郎の流れと対をなすと言っても過言ではない、日本POPS界の車輪を担った編曲家が手掛けた作品集。40代以上なら1枚目の豪華さに驚かされよう。そして2枚目は日本屈指の歌姫・中島みゆきの作品を中心に聴き応え重視となっている。時間を忘れて楽しめる内容だ。

シューベルト~リスト~ベルクという難曲の流れがつながっているし、テンポを落とすことなく弾きこなせている。タメと走るところのコントラストも鮮やか。チョ・ソンジンというピアニストがしっかりと育っているのを感じられる1枚に仕上がっていて、好感が持てる。

ガーシュウィンと言えばアメリカンな…というイメージで演奏する色々足りない音源が蔓延るなか、ティルソン=トーマスは様々な角度から光を当て、この作曲家が持つ彩り豊かな技巧をシッカリと導き出している。CD5~6のミュージカルはその好例で、様々な文化のせめぎ合いを聴くことができる。

イタリア純音楽を聴いてみたい方には最良のBOXではないかと。カゼッラの色彩感、マーラーが好んで取り上げたマルトゥッチ、映画音楽だけでないニーノ・ロータなどなど…本当に聴きどころが多い。またヴェルディ、プッチーニもあくまでオーケストラメインを取り上げ、いかにイタリア音楽が管弦楽に支えられているかを示している。素晴らしい!

この人の演奏で聴くと、改めてショスタコーヴィチの交響曲はオケの力量で決まる点が多いのだと痛感させられる。ロシア色は薄いが万全のコントロールで時代背景的な不気味さや狂気を存分に引き出してくる。これ以上を望むなら、ムラヴィンスキーの正面切ったバケモノ対決しかないだろう。

全体を通して彼らしい息の長い美しさ溢れる演奏なのだが、第3番や第6番は聴き応え十分なのに対し、第4番や第7番は綻びも多い。興味の有る・無しでハッキリと出来が違い、ジュリーニという指揮者の特徴が良くも悪くも現れたBOXだと思える。

晩年の重っ苦しい演奏が、見事に当てはまった。重厚感に溢れ、ゆったりとした幅の広い演奏が和音の美しさを引き出している(特に第3楽章は見事というほかない)。振りたい曲を振った時のジュリーニがいかに凄かったかを知ることのできる貴重な演奏。録音も最良で言う事なし。

色物扱いされがちなヴィラ=ロボスだが、この演奏をシッカリ聞き込んでいただければその評価も改まってくれるのではないか。シャーマーホーンの演奏は統一感があり、曲の持つ構成力の見事さや近代の作品ならではの独特な和音の美しさを余すところなく聞かせてくれ、この曲になぜ「バッハ」というタイトルが付けられたのかをはっきりとさせてくれる。

文字通り荒れ狂うレスピーギ。とはいえ、それが目立つのは「祭り」くらいで、例えば「松」などはシルヴェストリのBBC放送音源と比べれば大人しいし、ロイヤル・フィルの上手さも手伝って音の崩壊は無いに等しく、全体を通してちゃんと聞ける。まあ、今こんな演奏をしたら狂人扱いされかねないが…

かの「ローマ三部作」の一発屋みたいな扱いになっている、可哀そうな作曲家レスピーギの真価を問うことのできる名盤2枚組。「教会のステンドグラス」のオルガン込み大爆発や、「ベルキス」の色彩感の豊かさ、そして「変容」の細かな管弦楽法など、この作曲家の凄さを堪能できる。演奏・録音共にいまだコレを超えるものはない。

まかり間違っても、これをもってモーツァルトやラフマニノフを聴いた気になってはいけない。特にラフマニノフ! オーケストラはどこ行った? と言いたくなるくらいピアノの音が圧倒的で美しさも規格外。協奏曲でこれができるのはソコロフだけ。ある意味稀代のトンデモ演奏。

繊細・病弱・流麗というモーツァルト像を頭っからぶち壊すような豪放磊落にして仕掛けいっぱいな演奏。けれどそこから漂う音の楽しさは決して作者の枠からははみ出さない。重要ポストには恵まれなかった職人気質の名指揮者が晩年に残した宝石。

ここのところ、リマスターという名の改悪に晒されてきた5~60年代の音源にとっては朗報のような改善ではなかろうか。セルならではの精密さがハッキリとなったうえ、この音源ならではの熱気も損なわれることなく聞こえてくる。演奏に関しては恐らくセルの頂点を極めた1枚と言っても過言ではないだろう。

2曲とも曲自体は短いものの、そこに収められた情報量は多彩で時間的ハンデを全く感じさせない。特に第3番はドイツ・ロマン派好きなら必聴。音源としてはプラッソン(廃盤)、T.ザンデルリンクの名演と比べてしまうと、いささか性急にすぎ軽く聞こえてしまう点があるのが難点。それを除けば十分な演奏。

後年(1965年)のルガーノ・ライブを知る耳としてはいささか物足りなさを感じえないが、シェルヒェンが目指そうとした音はむしろこちらの方が分かり易い。ただ惜しむらくは、この時代の音源の宿命かリマスターで音が痩せていて、この指揮者の持つ溌溂さが削がれてしまった。

「イェルサレム」など一部声楽曲が有名なパリーだが、是非にオススメしたいのがこの交響曲。ブラームスに影響を受けた作風で全5曲どれも聴きモノ。こちらの4番のオリジナルVerも、ブラームスの第3番に似た重厚なドイツ・ロマン派を継承した作り。ガンバの颯爽とした指揮も曲のイメージに合っている。

第2番や第5番はルービンシュタイン等名手の録音があるが、他番号の録音が少なかったので、名手による全集の録音が出てくれたのは誠に有難い限り。ハフの演奏はテクニックに特化したもので、サン=サーンスの緻密な技巧を逃すところなく表現していて、実に素晴らしい。

ArchivではなくDGから発売される、という点に時代を感じた。そしてそれに納得のいく演奏だったように思う。中庸でゆったりした演奏からはロマンティックさが溢れ、ピアノにも負けない彩りを感じる。刺激を求めるようなものとは違うが、こういう演奏があってもイイ。

時代ですねぇ、この本が売れるってのは。感染症の流行と、それによって起こる「何か」。その「何か」こそが真に恐ろしいものだと作者は語っています。今も猛威を振るう「何か」に立ち向かう為にも、必読書だと思います。中学生の読書感想文にも最適じゃないでしょうか。

アニメの2期って株価暴落の可能性が高いんだけど、内容・キャラ共に更に追い打ちをかけるが如く面白さが増したのが素晴らしい!「本当に!うちの変っ態がすいませーん!」には笑ったわ。映画化もしたし、TV第3期…というより、完結までアニメ化してくれい!

何が凄いって、放送終了からすでに35年が経過しているというのに、ストレートに面白く笑える点。ジャケットの内既に二人が鬼籍に入ってしまったというのがとても信じられない。今だからこそ本当は必要なんじゃないのかな? こういう笑いって…(2020/5/6記載)

言うならば「日本のPOPS史」そのもの。時代時代に名曲がある…というより、この人がいて、後から皆が付いて来たと言った方が正しいのだろう。それほどの内容。日本人なら必ず1曲は知ってる曲がある。個人的にはやっぱり「翳りゆく部屋」かなぁ。現役世代じゃないけど。

この人には珍しい短編集のような1枚。今や中学国語の教科書に歌詞の載る「永久欠番」、1986年のニュース・ステーション用に書かれお蔵入りとなっていた「おだやかな時代」、そして1992年アルベールビル冬季五輪のCM(パナソニック)で使用され絶大なインパクトを残した「Maybe」と聴きどころ満載。

亜蘭知子の作曲技法から20代とは思えない歌唱も然る事ながら、錚々たるバックがこれまた凄い! 後の90年代ビーイング系を生み出した長戸・西村・中島といったメンツから若き日の織田哲郎までが参加した夢のアルバム。80年代を代表する裏名盤にして、シティ・ポップの教科書ともいえる一枚だ。

割と厳しく言えば、この方の場合アルバム毎に作品として完成しているので、細切れのベスト盤を買う意味はあまりない。宣伝文句にもあるように『浮遊空間』を一から聞いた方が、よほど亜蘭知子を楽しめる。

オケがいらない。叶うなら、ピアノパートだけで聴いてみたい。今の技術なら可能じゃないかな?
特にラヴェルはその気が強く、第2楽章の美しさは、今となっては失われてしまったものの一つ。

普段からショパンを聴いている人ほど困惑するんじゃないかと。楽譜通りに弾いているはずなのに、強烈にして正確無比な打鍵やクリスタルのような響きが、これまでの演奏からは聞き取れなかった音を響かせてくるから正直参った。ミケランジェリの怪物っぷりが際立つ反則級の1枚だ。

選曲に始まり指揮&オケの選定から演奏、果ては録音に至るまで、全てピアノのため。刻みつけるようなタッチながらも軽やかさを失わない奇跡のようなピアニズムが実にミケランジェリらしい。この人でないと決して成しえない快(怪?)演。間違ってもモーツァルトの協奏曲を聴こうとして手を出してはいけない。

(全161件)