カスタマーズボイス一覧

沈黙-サイレンス- プレミアム・エディション [Blu-ray Disc+3DVD]<初回生産限定版> / マーティン・スコセッシ、他

遠藤周作の小説「沈黙」を巨匠マーティン・スコセッシ監督が映画化した今作。
しんとした美しい映像と監督や俳優陣の眼差し、熱量に始終心が震えたが、中でも塚本晋也と笈田ヨシの凛とした演技が心に残った。
神とは。信仰とは。人とは。重ね合わせる自分の強さと弱さ。沈黙の意味。
この余韻と葛藤、そして衝撃からしばらく抜け出せそうにない。

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wkgnさんが書いたカスタマーズボイス

(全95件)

ジョン・マッケンタイアをプロデューサーに迎えた6枚目は、ストリングス等を取り入れた芳醇なバンド・サウンドと、切なく美しいメロディーラインに感情が揺れる名作。
コミカルさと繊細さが共存した詩世界、甘美に折り重なるハーモニーも素晴らしい。

臼田あさ美、仲野太賀主演で映画化された、90年代のカルチャーシーンを代表する名作。
男女の恋愛を軸に、揺れ動く心とかけがえのない日常への思いを描いた今作は、その繊細な絵のタッチと心象風景が多くの支持を得た。
「わたしたちのこのありふれた平凡は、本当はとてもこわれやすくてなくさないことは奇跡」。このセリフが胸に突き刺さる。

90年代のシーンを代表する金字塔的傑作。デビューシングル「太陽手に月は心の両手に」も鮮烈だったが、朝本浩文、大沢伸一らプロデューサーを迎えた「情熱」「リズム」もスタイリッシュで衝撃的だった。感情豊かに歌い上げるハスキーなUAの歌声と、クラブミュージックにもアプローチしたサウンドがJ-POPシーンの最先端を提示した名盤!

実在の人物をベースにしたマーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオによるエンターテインメント大作。欲望のままに突き進み、金とドラッグと女を次々に手にしていくな痛快なストーリ展開に魅せられっぱなし。何よりも始終ハイテンションで快楽を追い続けるディカプリオの演技が最高すぎる!このぶっ飛び具合…まさに名演!!

目が覚めたら部屋に虎がいたり、歯が折れていたり、誰かの赤ちゃんが泣いていたりと、カオス極まりない最高のシーンで幕開けするコメディー映画。
もはや勢いで突っ走るしかない彼らとスリリングな展開に抱腹絶倒必至ですが、振り切れまくったぶっ飛び具合がこれまた最高すぎます!!「恐るべしアルコール」…まさに!!!

豊川悦司と山口智子の主演による岩井俊二監督作品。愛を信じるために部屋のものを縛り始め、最終的には自分を縛ってと願う妻と、応えようと愛し続ける夫の姿を幻想的に描いた今作は、そのストーリー性とアート志向の強い映像が印象的だった。
彼らの美しく歪んだ愛が崇高に感じられる問題作!

日本にある街で移民たちの生きる姿を描いた『スワロウテイル』。日本語、英語、中国語が飛び交う会話や雑多な街中や部屋など、無国籍感が漂う映像はとにかくクールで強烈だった。
YEN TOWN BANDの音楽も、三上博史、CHARA、伊藤歩、 江口洋介、渡部篤郎、山口智子の演技も、ひたすら眩しくて憧れた思い出が蘇る。

少年少女の淡い恋と儚い想いが交差した岩井俊二監督による金字塔的傑作。誰もが胸に抱える幼いころの切ない想いを喚起させるストーリーに加え、夏の緑や夜のプール、花火の色彩など、その映像の美しさも胸に迫る。心の琴線に触れるサントラも◎。

「全員悪人」…まさにこの一言に尽きる北野武監督の世界観が炸裂したバイオレンス映画。暴力、罵声、裏切り、駆け引きなど、ヤクザの世界で生きる極悪非道な人達の半端ないキレ方&振り切れ具合がむしろ清々しいほどだった。
重みありすぎるビートたけし、椎名桔平、三浦友和、加瀬亮の怪演も、スリリングさを増していく鈴木慶一が手掛けた音楽も絶品!

青春映画というには名作すぎる北野武監督作品。目的もなく生きていた落ちこぼれの2人が夢を見つけ、挫折し堕ちていく姿を描きつつも、決して悲観的に持ち込まなかったラストには思わず感涙…。
金子賢と安藤政信の「まーちゃん、俺たち終わっちゃったのかな?」「バカ野郎、まだ始まっちゃいねーよ」の名台詞にもぐっときます!

原発事故をモチーフにした『希望の国』。人間の欲望や闇の深さをどこまでも追及したこれまでの園子温監督作品とは一線を画し、原発事故で起こった混乱、差別、不安の中でも人の繋がりや家族の思いを描いた今作は、希望を信じる監督の前向きな姿勢が見えた気がした。
何よりも夏八木勲の温もり溢れる演技が胸を揺さぶる。名演。

水野美紀、冨樫真、神楽坂恵が欲望と官能、罪に堕ちていく女性たちを熱演した「東電OL殺人事件」をベースにした園子温監督作品。しとしとと降りしきる雨の夜や、薄暗い部屋など、不気味なシーンを織り交ぜながら、園子温監督節が炸裂した人間の闇の深さを提示する。「わたしのところまで堕ちてこい!」…このセリフが胸を刺す。

井上三太による人気漫画を園子温が実写化。鈴木亮平、YOUNG DAIS、清野菜名、佐藤隆太、染谷将太、窪塚洋介らキレまくる演技で魅せる俳優陣に加え、日本のヒッポホップシーンで活躍するMC漢、D.O、ANARCHYらがクールなラップ・パフォーマンスを披露するシーンも見どころの一つ。
リズミカルに展開する音楽とストーリーの相性も抜群だが、ぎらつく街や部屋のセットもB級感が炸裂してニヤケること必至!

宗教、犯罪、暴力、快楽など、あらゆる人間の欲望をむきだしにした6時間超えのストーリーは、脳を揺さぶるほど強烈で衝撃だった。
盗撮と女装に扮した西島隆弘と、アクションシーンが魅惑的な満島ひかりの主人公2人に加え、当時から異彩を放っていた安藤サクラの怪演は今見ても神懸りすぎ…。
ゆらゆら帝国の音楽も最高な、園子温監督の映画史に残る金字塔的傑作だ!

古谷実『ヒミズ』による漫画を園子温監督が映画化。無責任な大人と非情な社会に囲まれながら、もがきながらも真っすぐに生きていく主人公たちの姿が印象的だった。哀しく可笑しく純粋な染谷将太と二階堂ふみの演技にも圧倒されるばかり…。
原作とは異なるラストに、監督の込めた未来の希望が見えた気がした。

実在の事件をベースにした園子温監督の衝撃作。バイオレンスやエロスなど、人間の欲望と快楽をむき出しにした怒涛のシーンは圧巻の一言。気迫あふれる俳優陣も素晴らしかったが、中でもカメレオンのように変化していくでんでん演技はトラウマになるほどでした…!
園子温の代表作とも言えるべく大傑作!!

美しく官能的なシーンに目を奪われる中、騙し騙され二転三転していくストーリー展開に何よりも惹きつけられました。映像美に加え、儚く妖艶な女優陣の体当たりの演技も強烈な残層が…!
鬼才パク・チャヌク監督の世界観が炸裂した問題作です!

バイオレンスとアクション満載の今作。ジェットコースターの様に展開していくストーリーが素晴らしい!身体を張った俳優たちの演技、映像美に惹きつけられる哀愁漂うシーン…始終目を奪われっぱなしだった。そして驚愕のラストには鳥肌!心にずっしりくる傑作!

橋本徹監修の名シリーズ"Free Soul"にオリジナル・ラブが登場。90年代の楽曲を中心に、アシッドジャズやファンク、ソウル、ファンクを昇華したグルーヴィーなサウンドが繰り広げられる今作は、「接吻」「朝日のあたる道」「いつか見上げた空に」」など、未だ色褪せない名曲がずらり!

95年にリリースされたファースト・アルバムの再発盤。サンプリングや打ち込みを軸としたヒップホップ・サウンドと、小説を彷彿とさせる文学的なリリックが日常を映し出した名盤。名曲「さいだぁぶるーす」「冬へと走りだそう」「じゃ夏なんで」も収録。

名曲「Kiss Of Life」「No Ordinary Love」を収録した4作目。妖艶かつ感情豊かな歌声と、ポップ、ロック、オリエンタルな要素を昇華したムーディーなサウンドに酔いしれるばかり。話題となったモノクロのジャケットのセンスも抜群です!

よりシンプルに、よりポップに、より深遠なサウンドを展開した名盤『宇宙世田谷日本』。佐藤伸治のヴォーカルが音の波と泳いでいく「WEATHER REPORT」、柔らかなピアニカの音色と緩いグルーヴに揺れる「WALKING IN THE RHYTHM」など、心温まる音世界に引き込まれるばかり。『空中キャンプ』同様、後世に語り継ぐべき金字塔的傑作!

1曲35分16秒を収録した超大作。ASA-CHANG、佐藤タイジ、UAら多彩なアーティストが参加し、ダブ~レゲエを基盤とした緩いビートと浮遊するヴォーカル、エフェクトを駆使したダビーな音像が白昼夢のようなトリップをもたらす。瞬時に消えてしまうような…ひたすら儚く美しいサウンドが胸に響く。

90年代の音楽シーンに燦然と輝く名盤。ダブ~レゲエ、ロックステディーを昇華した揺らめくサウンドと浮遊感あるヴォーカルは、ここではないどこかへ誘うような極上のトリップ感をもたらす。名エンジニアZAKの手腕も光る名曲「BABY BLUE」「ナイトクルージング」も収録と、まさに後世に語り継ぐべき金字塔的傑作だ。

全世界で大ヒットを記録し、その名を世に知らしめたジャミロクワイのサード・アルバム。床が動く中ジェイ・ケイが華麗に踊り回るPVが衝撃だった「Virtual Insanity」や、疾走感あふれる「COSMIC GIRL」など、飛ぶ鳥を落とす彼らの勢いをそのままパッケージ化したような、超絶グルーヴィーでスタイリッシュな仕上がりに。緻密なサウンドメイキング、メロディーセンスの秀逸さも白眉モノです!

アシッド・ジャズ・ムーブメントに一石を投じた、ジェイ・ケイ率いるジャミロクワイのデビュー作。生楽器の躍動するグルーヴに、ジャズ、ファンク、フュージョンを注入したスタイリッシュなサウンドは享楽感が溢れるばかり。「When You Gonna Learn」「Too Young To Die」などの名曲も収録!

彼女の内省的な側面にフォーカスを当てた『The Velvet Rope』。強いメッセージ性を打ち出しながらも、ポップ~R&B、ロック、ファンク、ヒップホップを昇華し、スタイリッシュでクールな彼女色に染め上げた手腕がさすがの一言。
ア・トライブ・コールド・クエストのQティップとジョニ・ミッチェルをフィーチャーした「Got 'Til It's Gone」は大名曲。

フージーズのラッパーとして活躍していたローリン・ヒルによるファースト・アルバム。ヒップホップ~ソウル、R&Bを変幻自裁に操り解き放つ彼女の歌唱力には圧倒されるばかり。メアリー・J・ブライジやディアンジェロら豪華アーティストをフィーチャーした楽曲に加え、泣きの名曲「To Zion」も収録と、まさに永遠に色褪せない名盤!

EP

D.A.N.

5:

★★★★★

3人組バンドによるデビュー盤は、陽炎のようなサウンドが静かに燃え広がる「Now It's Dark」、クールなビートで身体を揺らす「Morrison」などを収録。メロウと哀愁を行きかう音世界に、彼らの才能の片鱗を痛感する秀作EPです!

D.A.N.

D.A.N.

5:

★★★★★

ジャパニーズ・ミニマル・メロウというサウンドでシーンに一石を投じた3人組バンドによるファースト・アルバム。浮遊するヴォーカルにタイトなドラム、地を這う重厚なベースが織りなすクール&ドープなサウンドに気付けばどっぷりハマるばかり。「Native Dancer」「Pool」など、ライブでも人気の高いトラックが収録されているのも聴きどころのひとつです!

ベネチア国際映画祭での受賞を始め、数々の映画祭で高い評価を得た、鬼才キム・ギドク監督による問題作『嘆きのピエタ』。天涯孤独な借金取りの男と母親と称する謎の女を中心に物語は展開していくが、非情なまでの暴力の中で、愛を信じて変わっていく男の姿はどこか悲壮感が漂った。俳優たちの気迫も驚愕のラストも、まさにギドクの世界にひたすら魅せられた傑作。

巨匠イ・チャンドン監督による一人の男の半生を追った幻の傑作。
冷酷で自己中心的な主人公の姿は、韓国の歴史や時代に飲み込まれるしかなかった哀れみが漂うばかり。逆回転で進むストーリー構成、ペパーミント・キャンディーのはっとする描写には思わず唸った。
未来の希望を夢見ているのか、未来のを絶望を知っているのか…。遠い目をするラストシーンにも心が揺れ動いた。

女子高生7人とその25年後を音楽とともに描いた韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』。彼女たちのキラキラした笑顔と、笑いあり、踊りあり、涙ありのストーリーはスカッした爽快感が!
決して順風満帆ではない人生の中で、7人の友情の深さに感涙するラストにも拍手です!

鬼才キム・グドク監督がスパイ容疑を掛けられた漁師を軸に、南北問題を取り上げた問題作。国家に踊らされる不条理な現実。希望よりも絶望で締めるギドク節に、これこそが現実、そして国の在り方なのかと考えさせられた。
哀しいだけでは表せない虚無感こそ全て。

黒沢清監督、西島秀俊、竹内結子、香川照之という実力派俳優が終結したサスペンス・スリラー『クリーピー』。黒沢監督特有の不穏な空気が全編を漂う中、始終不気味な表情を浮かべ、無感情さを徹底的に表現した香川照之の演技が圧巻だった。ラストの緊張感も◎。

ショーン・ベイカー監督による、フロリダの安モーテルで暮らす母子の姿を描いた『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』。現実問題であるアメリカの下級社会を浮き彫りにしつつも、子供の目線を中心としたカラフルでポップな色彩が印象的だ。何よりも子役のブルックリン・プリンスと母親役のブリア・ヴィネイトの存在感が輝きに満ちている。

往年のタランティーノ節炸裂に加え、もうデカプリオとブラピとの佇まいが完璧すぎて神レベル・ウィンクや歯の鳴らし方、情けない佇まいや泣き顔など、年輪を重ねた表情と仕草に目を奪われっぱなし…!
当時の映画製作風景を完璧に再現したセットや、元ネタとなった事件など見どころ満載だが、滅茶苦茶大笑いした終盤のシーンが何よりも強烈すぎる!そこら中に「映画愛」があふれていた余韻。

全7曲、全70分超となる6人編成のインスト・グループによるセカンド・アルバム。
揺れ動く感情を表したかのような繊細なギターと咽び泣く管楽器の音色、骨太なリズム隊によるサウンドは心の隙間に入り込み、郷愁と涙を誘う。
内田直之による録音とミックスが深遠さを増長する名盤!

PUNPEEと5lack、GAPPERによるPSGによるファースト・アルバム。今作を代表するキラーチューン「愛してます」「かみさま」を筆頭に、遊び心にあふれたユニークなリリックと力の抜け具合がいい塩梅なラップはまさに中毒度大!
都会的なスタイリッシュさとマニアックさが共存した、2000年代のジャパニーズ・ヒップホップシーンを照らす金字塔的名盤!

サウンドプロデュースやビートメイキングに加えDJとしても活躍するG.RINAによる5作目は、やけのはらやPUNPEEらを迎え、いなたさ全開の80年代ポップス~ディスコを昇華した、煌めくアーヴァン感が印象的なサウンドを展開。「音に抱かれて」「黄昏のメモリーレーン」など極上なトラックが並ぶ中、tofubeatsをフィーチャーした「愛のまぼろし」は、今作を代表する泣きの名曲です!

宇川直宏、高橋透、Moodmanによる伝説のアンダーグラウンドパーティ“GODFATHER”10周年を記念したMIX CD。ダンスミュージック界のゴットファーザーこと、大ベテランの高橋徹が手掛けた今作は、パーティーの熱狂をそのままパッケージ化したような快楽度満点!ディープ~ミニマルテクノを軸に繰り広げられる阿鼻叫喚の展開に昇天必至です!

もはや日本を代表するDJと称しても過言ではないほど、世界中のパーティーでクラウドを熱狂させるDJ NOBUによるMIX CD。ミニマルテクノ~ディープハウス、トライバルなエレクトロ等を、超絶ドープなストーリーで展開していく彼の手腕に悶絶必至!ほとばしる強烈なエネルギーとゴリゴリに畳みかけて躍らせるビートの嵐は最強で最狂です!

シンガーasuka andoのファーストアルバムは、甘美なラバーズロックやロックステディ、レゲエのサウンドと、時に妖艶に、特にメロウに歌い上げる彼女のヴォーカルに酔いしれる好盤。ライブでお馴染みのキラーチューン「ゆめで逢いましょう」、切ない歌詞が心揺らす「煙の中のマーメイド」など、胸キュン必至の楽曲にもときめくばかりです!

20年ぶりとなる『トレインスポッティング』の続編。
当時は何もかも新鮮で刺激的だった…。そのカメラワークと音楽、疾走感は健在!ろくでもないけど愛すべき主人公たちにワクワクした気持ちを思い出したり。
リズム感、ストーリー展開も含め、彼らの格好良さに未だ青春感が高まる。

アカデミー賞主演女優賞等を獲得した、フランシス・マクドーマンド主演による『スリー・ビルボード』。3枚の看板と3人の善悪。交差する人間模様と隙のない展開に終始釘付けになった。「怒りは怒りを来す」。その終わりのない連鎖に愕然とするけれども、結局断ち切れるのは人の愛かと。最後の笑顔に少しの希望が見えたような気がする。
何よりも俳優陣の迫力が凄かった‥怪演!

カンヌ国際映画祭にて審査委員グランプリ、男優賞、女優賞の3つを受賞したミヒャエル・ハネケ監督の代表作。
抑圧。倒錯。欲望、極限。連鎖する愛のかたち。描かれている主人公の姿が共感から遠く哀しいからこそ、もっと深く知りたくなった。ラストの美しさと狂気に未だに感情の整理できず。何だこの衝撃…!
監督の世界観に引きずり込まれて胸が騒いでる。虜になりそうだ。

最果タヒによる詩集「夜空は最高密度の青色だ」を石井裕也監督が映画化。劇中の見慣れた渋谷の街も新宿の雑踏も、孤独と違和感と諦めとやるせなさが漂う。
池松壮亮と石橋静河を始め、俳優たちの存在感に心が囚われた。2人が抱える確かめたい希望、どこまでも走れる衝動が余韻を残す。

アカデミー賞監督賞等を獲得した、アン・リー監督、ヒース・レジャー&ジェイク・ギレンホール主演による『ブロークバック・マウンテン』
主人公2人の姿はなんて苦し哀しく、真っ直ぐで尊いのか。恋とか愛では受け止めきれない、不安定だけれど確かな二人の関係に静かな感動が沸き起こる。変わらない美しい風景と揺るがない気持ち。変わっていく年月と環境。変わりようのない社会。そのコントラストも素晴らしかった。

実在の人物である金子文子と朴烈の愛と闘争の半生を描いた今作。
ここで描かれている朴烈事件、関東大震災朝鮮人虐殺事件、弾圧そして残虐の歴史は痛々しく苦しいくらいだったが、事実を突き詰めた悲痛感よりも、主人公2人の愛おしさ、温かさ、くすりとしたユーモアの描写がなによりも印象的だった。
彼らの強くてまっすぐな姿に、政治に対して無関心、無知ではいけないと改めて思う。

巨匠アキ・カウリスマキ監督が難民問題をテーマに描いた『希望のかなた』。
暴力や排除が渦巻く厳しく理不尽な現実は変わらないけれども、人の温かさに救い救われることで、世の中はまた違って見えるかもしれない。困っているから助ける。ただそれだけ。シンプルだからはっとすること。
登場人物のキュートさと、シュールでユーモアが溢れたシーンにくすり笑ってしまったり。
心がじんわり満たされる作品だった。

(全95件)