カスタマーズボイス一覧

モーツァルト: ピアノ・ソナタ全集 / 内田光子

内田光子のピアノはとても良い香ほりがいたします。透き通った音で遠くまで響きを飛ばすような残音が魅力です。1番ソナタの1楽章から、張りのある響きと、整った装い、さらに変化にとんだ茶目っ気ある曲相をただ演奏するのでなく、少し離れたところから見ている感じも致します。モーツァルトをまさに自分の弟が作曲した作品のように慈しみ、穏やかに愛情込めて弾いている。そんな感じがいたします。

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foolaibounotebaさんが書いたカスタマーズボイス

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(全33件)

ピーターと狼、集めに集めたり。フランス語、英語、オランダ語、スペイン語、ドイツ語、日本語の6バージョン。外国語のお勉強には役立つのかな。(なぜロシア語がないのか?残念ワーナーにはありませんでした)

この中で、名演だなと思うのは、いくつもありますが、たくさんCDあるなか、ロミオとジュリエットの組曲、ジョルダン指揮の演奏をあげたい。きめの細かい丁寧な演奏でありながら迫力は最高。楽器の隅々まで聞こえる透き通る音。またオーケストラがうまい。スイス・ロマンドの奥深さを感じます。
さらにムーティのシンフォニエッタ。どちらかというと出だしからファゴットの音が、日向ぼっこを思わせるような、ぼんやりした音楽だと思っていたのに、よく引き締まった音楽となっています。
サンソン・フランソワの7番ソナタには新しい音符が加わっているのじゃないかと思うほど、エスプリにあふれた録音。こんな演奏聞いたことがありません。これ1曲聞くだけに36枚購入しても惜しくはありません。

ラフマニノフ組曲1番はさすがに弾き慣れている演奏です。曲の魅力をそのピアノ表現でいっぱいに表しています。今までの演奏では気がつかなかったこんな音、こんな表現があったのか?と感じるところがありました。良くできた作品だけに旋律と和声だけ淡々と弾けば綺麗に響くので特にこだわることもないと思っていましたが、そうでもないことがわかりました。
1楽章舟歌にこんなブレスを入れてみたか?とか2楽章にこんな音あったっけ?そんなところがありました。また曲そのものの力強さを演奏で感じることができました。
アレンスキーのシルエットも素晴らしかった。2台のピアノではもっと取り上げられてしかるべき曲だと思っています。このCDがその突破口となってアレンスキーの2台のピアノ曲が知れ渡るといいなあと思う次第です。

お二人ともウクライナのハリコフ出身と聞きます。2022年2月、いまや紛争が大きな戦争になってしまい、心を痛めていらっしゃると思います。クションジェクご夫妻はピアノ演奏を通じて、オーディアンスも心よりウクライナ地域の平和を祈るばかりです。

パルティータ2番のクーラントでは、装飾音が前回のスタンウェイと異なり繰り返しに変化を持たせています。ただ前回でバッハの神髄を語っているので今回のアプローチも基本的に変わりません。ファツィオーリの音はヒューイットに合っているのでしょう。いぶし銀の光を持った音色は前回の少し綺麗すぎるスタンウェイとは異なり,さまざまな音色を持ちます。ヒューイット好きであればお気に入りになること間違いないと思います。

パルティータ2番のクーラントでは、装飾音が前回のスタンウェイと異なり繰り返しに変化を持たせています。ただ前回でバッハの神髄を語っているので今回のアプローチも基本的に変わりません。ファツィオーリの音はヒューイットに会っているのでしょう。いぶし銀の光と音色は前回の少し綺麗すぎる前回のスタンウェイとは異なります。ヒューイット好きであればお気に入りになること間違いないと思います。

エッシェンバッハの叙情と組んだバルトの磨かれたテクニックで彩られた最高のラフマニノフピアノ協奏曲3番だと思う。2楽章の悪魔的なテクニックを求められる中間部のワルツをこうも綺麗に弾くことができるのは希。ゆっくりとしたテンポではあるが、すべての音が聞き取れる。スピードに任せてがむしゃらに弾くのではなく、あくまでも優雅に聴かせる。素晴らしい。

シフのバッハはとても自由で、さりげない装飾音も嫌み無く聞こえます。パルティータの2番のクーラント。繰り返しはまるでまるで踊り出しているようなポロネーズ風にリズムをつけています。自由だなあ!他のピアニストと比較しても面白い演奏。飾りのアルペッジョも、逆アルペッジョにしたり、変化に富んでいます。これはヒューイットもやっていた。聞くにつれバッハの面白さ奥深さが感じられます。自由な演奏とは言っても、決して奇をてらうものではなく、音楽の本質を突いた演奏です。今ではこの演奏が私の宝物になっています。

約50年前LPで聴き、30年前CDで買い直し、今回のリマスタ盤で聴き直しています。同じ演奏ではないか、なぜそんなと思いきや、この演奏のスリリングさやアンサンブルの正確さが見事に切れ味良く再現されています。

ウィーン謝肉祭の道化が、明るくって楽しい。1楽章にほんのかすかにフランス国家がでてくるので面白い。2楽章がフランク風なアダージョ、3楽章は特徴的なリズム、4楽章はドビュッシーの月の光のなかにメンデルスゾーン風な無言歌。最終楽章はシャブリエ風な曲想がコロコロ変わっていくようなめまぐるしさを持った曲。ヴュルツは曲調をよくとらえた演奏!作曲家はウィーンの体制に反してフランス風音楽を書いたのでしょうか?

フランスピアノ音楽史に燦然と輝くデュカのピアノソナタ。がっちりとした古典的な4楽章の中に装飾音をふんだんにちりばめた美しい極彩色のピアノソナタ。作曲家が亡くなる前、自らの作品を焼き、世に出さなかった作品も多い中、世に問うた名品。4楽章の上昇和音の旋律はシューベルトの21番1楽章と同様、鉄腕アトムのテーマ曲に似ている。演奏の困難さを感じさせないアムランの見事なテクニックとさわやかな音色がマッチする。

なくなる日まで石の花の編曲をしていたプロコフィエフが残した管弦楽組曲OP126とOP127。もう少し生存していたらロミオとジュリエットの組曲のように、よく演奏会に取り上げられたナンバーであろうに、非常に惜しい。第7交響曲「青春」の延長線上にある、美しくわかりやすく非凡でかつ民族的な旋律に富んだ管弦楽です。スロボデニクの丁寧で品のある指揮は透明性を持った演奏となっています。バレエ全曲聴くのもお勧め。

3番は白眉。ここってスタカートで弾くんだっけ?楽譜を見るとまさにスタッカート!他の演奏者はこうじゃない。そんな発見が随所に見られ、楽譜に忠実でありながらも切れ味鋭い実に新鮮な3番が聞けます。4番左手の協奏曲は3楽章の不気味さが強調されておりこれも見事。またプレヴィンLSOのオケのつけ方がうまい。ラフマニノフでウェットな音を付け、プロコフィエフではドライでクリアな音を出している、まさにプロの演奏。

協奏曲はプレヴィンかハイティンクか、デッカとして迷ったと思います。2枚増量してプレヴィン盤をいれてもよかったと思います。それほどの名演です。2000年にOP11の連弾を入れ、頑なに録音を拒否していたソナタ1番が録音され、デッカとしてアシュケナージ完全全曲録音を狙い、漏れていた小品も網羅されました。OP11は舟歌が素敵。曲集にはバラライカに編曲された曲もありボリスゴドノフの主題も出てくる傑作です。

バレエ全曲盤の中で最優秀と思われるマゼール、クリーブランド盤。録音良し、独奏者のテクニック良し、アンサンブル良し、緊迫感と抒情性がメリハリ良く演奏されます。バレエの一舞台の再現ではなく、卓越した管弦楽作品として味わうべき演奏となっています。幻想性という言葉で誤魔化されてしまうような、ぼやけた曖昧な演奏は見つかりません。きりっと引き締まった演奏で、クリーブランドの底力を感じさせる名演です。

内田光子のピアノはとても良い香ほりがいたします。透き通った音で遠くまで響きを飛ばすような残音が魅力です。1番ソナタの1楽章から、張りのある響きと、整った装い、さらに変化にとんだ茶目っ気ある曲相をただ演奏するのでなく、少し離れたところから見ている感じも致します。モーツァルトをまさに自分の弟が作曲した作品のように慈しみ、穏やかに愛情込めて弾いている。そんな感じがいたします。

1番ソナタは絶品。名だたる演奏と比べてもピカイチ。何度でも聴きたくなります。全体の構成力でしょうか。4楽章への伏線が各楽章に張り巡らせてあり、その連関性が繋がっていくような、ミステリーを読んでいるよう。できの良いミステリーは、その伏線を再度確認したいが為、ネタばらしだけでなく伏線の張り方を更に楽しむことができるように、ヴュルツにはこのような伏線を研ぎほぐす聴き方側の楽しみがあるように感じられます。

この全集の中のトルコ行進曲を聞くためだけに購入しても惜しくはありません。一般のトルコ行進曲のように、堂々と胸を張り勇ましいトルコ行進曲とはなっていません。この短い楽曲の中に、反戦の思想がトルコ行進曲の外形をもって伝わってくる悲しみのトルコ行進曲です。ピリスがここでは白衣の天使となって、強く反戦を訴えているように感じるのは私だけではないと思います。ソナタ各曲にピリスのテイストが味わえる全集。

15番の演奏は2016年7月9日(土)のライブで、当日は天皇皇后両陛下(現上皇、上皇后)の天覧演奏会でした。ラザレフが登壇し、両陛下に向かいきっちり深く頭を下げられました。この演奏の見事さは日フィルの熱いアンサンブルにあります。全員の緊張と陶酔の混じった「気」のようなものを感じる演奏です。最終楽章コーダの小太鼓と木魚とカスタネットの独特のリズムがお経のように感じ、最後はチーンとリンが鳴りました。

演奏には流れるような演奏と、何か際立って強調しようとするような演奏とがあるのでしょうか。音の塊を大切にするクナッパーツブッシュやゴロヴァノフ、ストコフスキーのなかにフェレンチクも入るのではないかしら。協奏曲2番の演奏はフェレンチクの深い音楽的造形と際立った「カッコよさ」を持った演奏で、カッチェンの魅力が存分に発揮された名演。特に2楽章中間部には強い弦の響きが楽団員の汗とともに感じられます。

1番5番とも切れ味の良いプロコフィエフの演奏です。よどみのないすっきりとした演奏で、清涼剤を含んだ時のようにスカッと爽やか。楽器の鳴らし方からレヴァインが適切な指示を出していると思われる演奏で、特に5番の2楽章、4楽章は分離されたハーモニーの中から独奏楽器の音が良く聞こえてきます。そして弦が力強い。少しメカニックな感じがしないでもありませんが、それがレヴァインの特徴でしょうか?

金管を大きく鳴らすロシアのオケのように、読売日響が変貌していた。これが日本のオーケストラか?マエストロの棒の前になにか完全に楽団員全員が催眠術に罹って洗脳されてしまったようにオケが鳴る。その響きと音楽の作りの大きさに圧倒される。金管だけじゃない。弦も強く、金管に押されることなく響いている。約80分の壮大な音の絵巻物のように表現される。その色はカラーではなく、墨で書かれた大樹と大河のように感じた。

アシュケナージのスタジオ録音は聴く前に大体の完成度が見え、聴いた後にやっぱりそうだった、という感じがあります。しかしライブは異なります。この亡命直前のライブ録音には形を崩さない端正な作りながら緊迫感と切迫感、鬼気迫るものが感じられます。突き抜ける打鍵の強さ、解釈の大胆さ、目の覚めるようなテクニックの切れなど聞き逃すことができない演奏となっています。リマスタの技術が成功した逸品。

1980年初頭に録音されたラフマニノフの交響曲。特に第1番では分厚い和声をキリッと響かせ、スリムで無駄のない音楽に仕上げられています。2番の名演はいくつもあり、その中をくぐり抜けて1番になっているわけではありませんが、アシュケナージが求める自らの音作りは達成していると思います。甘さを極力控えた大人の味付けの中にロシア魂を込めた力強い表現に40年経過しても心打たれるものを感じます。

1980年初頭に録音されたラフマニノフの交響曲。特に第1番では分厚い和声をキリッと響かせ、スリムで無駄のない音楽に仕上げられています。2番の名演はいくつもあり、その中をくぐり抜けて1番になっているわけではありませんが、アシュケナージが求める自らの音作りは達成していると思います。甘さを極力控えた大人の味付けの中にロシア魂を込めた力強い表現に40年経過しても心打たれるものを感じます。

ピアノソナタ2番はその初演当初、マンモスの大群の移動か?と言われたほど諧謔味と荒々しさに富んだ曲と評されました。確かにそのような荒々しさを持った曲で、ちまたのCDではそれをことさらに強調した演奏が多い。しかしプレトニョフの演奏はこの曲の持つ抒情性に光を当て、穏やかに耳障りのない2番を作り上げています。既製品と一線を画す優雅な2番となっています。

プレトニョフの独壇場であり、2曲ともに聞いていて安心感のある演奏です。ここでのロストロポービッチはプレトニョフの表現を極力邪魔しないように、控えめにサポートしています。プロコフィエフの硬質な音楽とプレトニョフのレガート張りの滑らかな音とは相いれないと思いきや、これが案外マッチし、プロコフィエフの硬質な音楽の特徴が穏やかなものになっています。マッチかミスマッチかは皆様聞いてのお楽しみです。

深みと温かみにあふれる嬰ヘ短調にふれ心底感動を味わいました。美しい旋律で有名な作曲家でありながら、ここには歌えるようなメロディーはでてきません。何かすべて伴奏だけで音楽が進んでいきます。こういった音楽を奏でるのはピアノの音自体に魅力がないとなかなか味わえません。アシュケナージのピアノ演奏の魅力があふれる24曲。どの曲にもアシュケナージの魅力が詰まった1曲となっています。録音秀逸の逸品。

優しく穏やかな語り口はケンプの真骨頂ですが、シューベルトの音楽そのものがケンプにあっているのでしょうか。またその逆なのかしら。13番のソナタは、まるでお花畑の中を歩いているような、春のような温かみにあふれた演奏で、大きく包み込まれる優しさと幸福感を感じます。リマスタリング前の録音でありながら、初期ステレオのレベルの高さを感じるDGの録音です。

アシュケナージが前面に出てぐいぐい音楽を引っ張っている珍しい演奏。トリオとしてのバランスを保つ演奏とは異なり、この曲はこのように解釈するのだという気持ちでアシュケナージがピアノパートを演奏している。それがまたアシュケナージファンにとっては珍しくもありがたい貴重な録音となっている。他のトリオではアシュケナージは控えめな演奏がほとんどです。

メカニックな6番、緊張感に満ちた7番、抒情的にはじまり一転終楽章は戦闘的に燃え上がる8番。アシュケナージのロシア魂の叫びが聞こえる演奏。1940年代ソ連邦の政治体制の緊張状態が伝わる傑作、戦争ソナタ。この演奏は打鍵の強さより奥行き感を持った録音となっています。

若きアシュケナージの新鮮な感性が聞ける初期録音。貴重なショパンコンクールの演奏もさることながら、テクニックに一切の揺らぎのないエチュード。さらに2回のデッカ録音の前のプロコフィエフの7番のソナタは怖くなるぐらいの緊張感を持った迫力で音楽の神髄に迫ります。

超絶技巧の1曲1曲がきらきら光る宝石のような輝きを放つ演奏です。深みのある低音部ではその音量に圧倒され、さらに高音部は透き通ったきらめきを放つブリリアントの音。鬼火の演奏は、音楽的アプローチ、深さ、テクニック、どれをとっても随一の演奏です。またこの最後の10秒の波立つような音の鳴らし方は他の演奏では聞いたことがありません。まさにこういう弾き方をしなくてはこの曲の良さがわからないだろうと思います。

まず3番から。テンポもよくメリハリが聴いていて、聴きやすく、ことさらに大上段に構えることなく淡々と弾いている。甘さを排除したスリムなコンパクトな演奏。細かい音の巧みな扱い、聴かせどころの細やかなフレージングの扱いには手を一切抜かない。だから聴きどころははずさない。抜群のテクニックで弾ききっている。気持ちよくすがすがしい演奏でした。誰の演奏に似ているのだろうと考えたが思い当たらない。

モーツァルト21番協奏曲は、より幻想的な雰囲気に誘うようなような演奏が多くみられる中、レヴィーンの演奏は、くっきりと楷書で明確な音作りに徹している。透明感ある明快な演奏で、全体を統一しており、音楽の素直な表現に心を打たれる。

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