カスタマーズボイス一覧

モーツァルト: ヴァイオリン協奏曲全集 / イザベル・ファウスト、他

バッハからベルクまで素晴らしい演奏を我々に提供してくれたファウスト、ピアノ協奏曲でカデンツァを自作するシュライアーがこの全集のために書き下ろしたカデンツァ、ブランデンブルグで鮮烈な演奏を繰り広げたアルモニコ。この三つが揃えばとてつもないことが起こりそうであるが、CDから聞こえて来たのは至ってまともな演奏。これはこれで第一級の演奏であるが、期待が大きかったのか、虚を突かれた感じだ。

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ひでちゃんさんが書いたカスタマーズボイス

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(全10件)

グラズノフの交響曲、管弦楽曲、協奏曲に関して、これだけ網羅的にまとめられているセットは他にはない。とても貴重なセットである。演奏についても、交響曲、管弦楽曲は、レコード芸術誌の特選、準特選、推薦に評価された名盤である。なお、ブックレットは付属されていないとあるが、実際には付属されている。お買い得なセットと思われる。

「革命的」という言葉が相応しい「クルレンツィスのドン・ジョバンニ」!!序曲からただならぬ雰囲気を醸し出している。本編に入っても緊張感が全曲を覆い、フォルテ・ピアノは意味ありげに全編を走り抜けていき、今までの「ドン・ジョバンニ」と趣が異なっている。歌手は小粒であるが、アンサンブルの機微を心得ている。クリップス盤・ジュリーニ盤のように「ドン・ジョバンニ」の演奏史に長く残っていくかを注目していきたい。

ツィメルマンが奏でる深く静謐なシューベルトの世界!!
ピアニストの内田光子さん曰く、「26歳以降のシューベルトは、心の芯が抜けちゃったのね」。この言葉通り、ツィメルマンが弾くシューベルトの最後の2つのピアノ・ソナタは、端正かつ磨き抜かれた美しい音の合間から、シューベルトの心の葛藤、すなわち死への恐怖と生の喜びが滲み出ている最高の名演だと思う。

バッハからベルクまで素晴らしい演奏を我々に提供してくれたファウスト、ピアノ協奏曲でカデンツァを自作するシュライアーがこの全集のために書き下ろしたカデンツァ、ブランデンブルグで鮮烈な演奏を繰り広げたアルモニコ。この三つが揃えばとてつもないことが起こりそうであるが、CDから聞こえて来たのは至ってまともな演奏。これはこれで第一級の演奏であるが、期待が大きかったのか、虚を突かれた感じだ。

近年オペラはCDで聴くものからDVDで観るものにとってかわり、CDの発売は激減している。そのような状況の中CDでオペラを聴くことの大好きな私にとって、このCDは嬉しい限りだ。演奏については、歌手陣も好調でただただ美しいの一言。LSOからドビュシーらしい色彩感のある音色が引き出されているのも、望外な喜び。ラトルは、BPOのシェフを退任することが決まり、LSOとのびのびと演奏しているように思われる。

ウィーン・フィルによるメリー・ウィドウの初めての録音!! カラヤン盤のBPO、マタチッチ盤のPOに比べて伴奏を務めるウィーン・フィルのなんと優雅な調べ、まさに水を得た魚のようだ。この録音のあと、このコンビでオペレッタではこうもりしか上演しないウィーン国立歌劇場で初めて上演されたのも、さもあり何と思う。これ1枚で再発されても良いところに、カップリングがウィーンの夜会とはセンスの良い企画だ。

ウィーン・フィルの佳き時代の響きが再現!! 宇野功芳氏がクリップス指揮のハイドンの交響曲第99番を大推薦されていたので、購入したCDである。カップリングされたブラ1、チャイ5、未完成いずれも古き良き時代のウィーン・フィルの典雅な響きに満たされていて大満足。とりわけチャイ5は、金管楽器の咆哮を基軸とした爆演が多いなか、しっとりと落ち着いた響きの中に色彩感があり、これぞウィーン・スタイルの演奏だ。

生まれ変わった「ダフニスとクロエ」、故郷フランスから見参!これまでの演奏と比較して楽器の音色が、特に木管楽器の音色が明らかに違う。ソロ楽器は夢心地でであり、ずっと聴いていたいほどだ。時代楽器で演奏しているが、20世紀初頭の音楽の再現ではなく、これは未来を志向した演奏だと思う。ソロ楽器が活躍するボレロをこのロトとレ・シエクルのコンビで聴いてみたいと思うのは、私だけではないだろう。

58年録音のカール・リヒターのマタイから遠いところに来てしまったというのが、私の率直な感想。一糸乱れぬ器楽アンサンブルと独唱陣、モンテヴェルディ合唱団の正確なピッチ。完璧な演奏ながら、心にぐっと来るものがない。60年も昔のリヒターのマタイを持ち出すのもおかしいが、やはりそこに戻ってしまう。声楽曲と見るか、宗教曲と見るかで、評価が分かれると思う。
私はマタイを特別な宗教曲と見ている。

いま現れる「悲愴」のあるべき姿。とかく感傷的になりがちな悲愴であるが、クルレンツィス指揮の悲愴は峻烈きわまりない演奏である。一例をあげると過度な甘さを排した第2楽章のワルツ。優雅をそぎ落とし、スコアにある音符を見事に音楽として再現している。過去のしがらみから解放され、これほど生々しくかつ生命力にあふれた演奏録音を聴けることを素直に喜びたい。

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