CHEMISTRYのハーモニーと愛を奏でる詞がじわじわ沁みる、男性も女性もそれぞれの立場で感情移入できる作品。セカンド・アルバムとなる本作は、「君をさがしてた~New Jersey United~」「FLOATIN'」「Let's Get Together Now」「SOLID DREAM」他、6曲のシングル曲を含む全14曲を収録。 (C)RS
JMD(2010/07/29)
数年前にプロデューサーの松尾“KC”潔が話していた〈右ハンドルのR&B〉のこと。『Second to None』の名で実ってみればナルホド、これでしたかと思い知らされるわけで。米のダイナミズムと和の情緒というセンチメンタル・グルーヴ・ライン。お箸の国のソウルはかくあるべきというところでは、アプローチこそ違えど、たとえば御大・山下達郎がずっと取り組んできたこととも視座を同じくしていることがよくわかります。で、当の御両人。そのあたりの意図を首尾よく踏まえて、というか、もはや極まった自覚とスキルで雄々しく立ち回る頼もしい域にあります。つまり化学反応を起こす最後の魔法までモノにしたらしい二人のグレイテスト・ヒッツ&ワークス'02というべきセカンド・アルバム。トップ・シングルズと肩を並べている自由な風合いのマテリアルがポイントでしょうか。ケツメイシ・クルーとのメロウなコラボ“STILL ECHO”や奥田民生が書き下ろした飄々ミッド・ファンク“マイウェイ”の新味もさることながら、それぞれのソロを収めているところもウレシイ。川畑のオープンなユニティー・ソウル“No Color Line”、堂珍のナイーヴな私的心情“RIPTIDE”。みずから手掛けた詞からは人となりも深く知れるという。で、これらをたとえばボーイズIIメンやアッシャー、ときには安全地帯や米米クラブなんかとも併せて受け止めるパブリック・リアクションが物語る圧倒的なポピュラリティー。そこが最大の強みでしょう。
bounce (C)萌木 里
タワーレコード(2003年01,02月号掲載 (P78))