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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2025年05月28日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 丸善出版 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784621311332 |
| ページ数 | 166 |
| 判型 | 46 |
構成数 : 1枚
第1章 味覚と嗜好、そしておいしさ
感覚のなかで味覚の占める位置は
第2章 味覚と嗅覚・食感
味覚の受容機構/味覚を受容するのは七回膜貫通型受容体タンパク質/分子生化学の発達で味覚の受容体が次々に明らかにされた/塩味はナトリウムだけでは説明できない/酸味は水素イオン/においの受容体は三八八種類もあるが、うま味や甘味の受容体は一種類ずつしかない/味覚の周辺にあるさまざまな感覚/痛みや不快な感覚もおいしさの要素口から鼻へ抜けるにおいである風味はおいしさの決め手、懐かしい"味"も実はにおい(風味)の記憶/食感もおいしさの主役候補/つぶつぶの快感/究極のおいしさは食感にある?/指でも味わっている?
第3章 味覚伝達のメカニズム理論は激変時代
味覚の研究者たちは右往左往/舌の表面には乳頭があり、味細胞が集まっている/味を受容する細胞/意外などんでん返し――甘味などの受容体は神経とつながっていない細胞に発現していた/細胞と細胞をつなぐ新しいメカニズムを考えなければならない/一本の神経は何種類の味を伝えているのか/神経と細胞はどのように互いを見つけるのかそれでも延髄には神経から信号が入っている
第4章 おいしさを探求する
味覚から感性そして嗜好へ/食嗜好とおいしさは表裏一体の関係/生理的なおいしさ/食文化のおいしさは重要/情報のおいしさ/四番目のおいしさはやみつきになるおいしさ
第5章 油脂は味覚か
油脂の口腔内受容機構/油脂に対する執着のメカニズム
第6章 味覚の脳内伝達とやみつきの発生
イチゴはどうしてイチゴとわかるのか/扁桃体はおいしい・まずいを信号出力の大きさに変える/側坐核に登録されるとやみつきになる
第7章 食べ物のコクとはなにか
コクの定義はないが、複合が高く嗜好性のもとになる/コクのなかに日本の味覚・嗜好・食文化がみえる/コクの三つの階層構造/コクのおいしさは生命維持の根源/第二層のコクは学習のコク/第三層(最外層)のコクは比喩のコク/原型のコクの特徴は報酬の快感/人間の文化として先鋭化された比喩的なコク/上品なコクとそうでないコク
第8章 おいしさの快感と品位
おいしさにも上品とそうでないものがある/上品なおいしさをもたらす物質はあるのか/ネズミの嗜好はあまり品がよくない/味わう人に肉付けを求めるのが品位/極限にまで要素をそぎ取るほど精神世界に依存するコクとなる/満喫したら虚無へ戻る、昨今のラーメンつゆのコクにみる嗜好の振り子運動
第9章 トウガラシの辛味と痛み――痛みまでがおいしさになる倒錯の世界か?
日本は韓国料理ブーム/辛さの成分はカプサイシン/トウガラシはなぜ辛い/辛さに対する嗜好を動物実験で再現する試み/「辛味」と「痛み」と「熱」に一つの受容体がかかわっている――カプサイシン受容体TRPV1の発見/TRPV1はカプサイシンだけでなく熱にも酸にも応答する/トウガラシの辛さは「体温が痛い」という信号?/温かい飲料や食品が甘く感じるのもTRPファミリーの関与
第10章 伝統の味、ダシのおいしさを分析する
日本のだしの主流はカツオとコンブ、料理によって使い分けられる/コンブの香りも特定が難しい/生理的メカニズムはまだわからない/動物性の食品が乏しかった日本では、だしの味わいが基調であった/...
「味覚」と「嗜好」は食行動を考えるための『基本』であるが内容は大きく異なる。「味覚」は口腔内での信号の受容と脳への伝達という単純な生理学的現象であるが、一方「嗜好」は食物に対する好悪の判断や長期的な学習・記憶による総合的な判断基準を指す。「おいしさ」は個人の嗜好から生まれる。嗜好の個人差には著しいものがあるが、その要因を整理してみると科学的に捉えることも可能となってくる。本書では「食を考える地平を確立する」という目的で、味覚と嗜好から、おいしさに至る感性の世界を生理学・行動学・脳科学・食文化・食品科学などの幅広い視点から興味深く解説。

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