ノイマン=チェコ・フィルの極め付きレパートリー、東京公演の白熱の名演《わが祖国》初演100周年記念コンサートをライヴ収録。ORTマスタリングを用いたハイレゾ化による初SACD化。最新マスタリングを施した名録音・名演奏が最新で蘇る!
ノイマンとチェコ・フィルが1982年の来日で初演100周年を迎えた名作《わが祖国》を演奏、記念すべき白熱の名演をライヴ収録。発売以後長らく聴き継がれてきた名盤を日本コロムビアが独自に開発したORTマスタリング技術によりハイレゾ化を行い、初SACD化。音場・音質が鮮やかに向上しています。CD層も今回のマスタリング音源を使用しています。
両者にとってのみならず、チェコの国民にとっても特別な作品である「わが祖国」の初演100年を記念して1982年に東京文化会館で行われたライヴを、今回最新のORTマスタリングを施した上で復刻します。ノイマンにとってはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とのETERNAへの初録音(1967年。Berlin ClassicsとのSACD復刻企画で2020年に0301618BCとしてリリース済)、そしてSUPRAPHONへのチェコ・フィルとの2回目の録音となる1975年のアナログ録音(TWSA1068として2020年にSACDハイブリッドをタワー企画盤で復刻)に続き、正式音源としては4回目(他ライヴを入れると6度目)の「わが祖国」の音源となりました。この録音は、それまでのセッション録音とは異なるライヴ収録という点と、記念碑的な演奏会ということもあって会場の熱気は凄く、特に最後に向かって白熱した演奏となっているのが特徴で、これまで何度も再発されてきた音源であり一般的な認知が高い盤です。原盤は日本コロムビアということでSUPURAPHONと比較すると録音面でのスタイルは多少異なるものの、当時のデジタル録音に関して実用面で進歩していた技術陣による収録は現在聴いても水準が高く、両者の音源の中でも評価が高い盤と言えるでしょう。今回のORT復刻では、当時の日本コロムビアによるデジタル録音の優位性が如実にわかると思います。また、ライヴ録音ということで、細かなニュアンスが従来以上に確認できます。
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タワーレコード(2023/06/15)
今回のORTマスタリングは、従来以上に間接音や倍音の豊かさ、個々の録音の特筆が把握できますので、その意味でも演奏の楽しみ方がより拡がる復刻となっています。80年代のデジタル録音とはいえ、当時の日本コロムビアには既にいくつもの経験とノウハウがありましたので、音質自体は元々良く、安定感があることは言うまでもありません。今回は、より鮮やかに、奥行きもあるクリアな音質を堪能できます。これらの最新復刻で、蘇った名盤の評価が一層高まることを期待します。尚、今回のDENON原盤の第7回発売(通算第9弾)は、3タイトルを発売いたします。
<ORTマスタリングとは>
CDスペックにて録音されたDENONレーベルの数々の名盤、そのデジタル変換時に失われてしまった楽音の高域成分を、低域部分の倍音を利用して予測、 再構築する技術「Overtone Reconstruction Technology(ORT)」を開発しました。この倍音再構築技術と、従来から導入されている"Master Sonic 64bit Processing"による高品質なマスタリング技術が組み合わさったものが、"ORT Mastering"です。ORTによって得られた広い周波数帯域とダイナミックレンジを最大限に活かし、原音に忠実に、名演奏、名録音の魅力をお届けします。
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タワーレコード(2023/06/15)
1982年11月5日、初演からちょうど100年目の日に、またとない担い手であるチェコ・フィルが万感をこめて東京で響かせた魂からの音楽。この年の「プラハの春」音楽祭開幕でも同曲を指揮したノイマンが共感豊かにオーケストラを歌わせた忘れがたい記念碑的演奏だ。前年に『プラハの春~人間たちのシンフォニー~』というTVドキュメンタリーが放送されており、『わが祖国』を指揮するノイマンはじめ、演奏家たちがプラハで生き生きと音楽を奏でる姿に魅了され、プラハという地への素朴な憧憬を抱いたものだった。白熱する「ターボル」「ブラニーク」。自然、人間、歴史。この大作に触れるためにこの一枚も欠かせない。
intoxicate (C)森山慶方
タワーレコード(vol.165(2023年8月20日発行号)掲載)