聴き所満載の驚異的なケーゲルの"幻想"を新規で高音質化!アナログ録音最終期の1984年の優秀録音を、最新復刻のSACDで再現。アナログ領域でのみマスタリングを行い、ダイレクトで
DSD化!本国のETERNAオリジナル・アナログテープ最新復刻企画。SACDハイブリッド化第27弾

日本での、ある意味一時期のケーゲル・ブームの火付け役ともなった特徴的な「幻想交響曲」を、今回の発売のために新たに本国のオリジナル・アナログ・マスターテープから新規で復刻しました。あらゆるケーゲル録音のなかでも、一歩抜きんでている驚異的な演奏です。収録自体も、ETERNAではデジタル化が遅れていたこともあり、アナログ録音末期の1984年に行われています。最終完成期のアナログ録音は鮮明に細部を捉えており、SACD化によって余すところなく高音質で演奏を堪能することができますので、音質を含めてETERNAの録音史に残るこの卓越した音源を再評価できると思います。尚、今回の復刻ではカップリングとして、1974年に作曲されたドイツの前衛作曲家であるシェンカーの大規模作品、「大オーケストラのための風景」を組み合わせました。

これまでも「幻想交響曲」のアプローチは華麗なオーケストレーションを前面に出す演奏が多く、名盤もかなりの数が生みだされてきました。それらのなかでも一線を画しているのがこのケーゲル盤です。曲の背景を深く掘り下げ、内容に則った演奏解釈を実践した、と簡単に言えないほど徹底した演奏となっているのが特徴で、当時の旧東独末期の状況やケ-ゲル自身の考えもあったとは言え、ここまで人間の狂気や曲の奥底に潜む不安や不快を表現できた演奏は他にはありません。もっともケーゲルらしい演奏であるとの評価も頷けます。そのため、解釈が真っ二つに割れている第5楽章の鐘でさえも、あえて一般的な楽器のチャイムではなく、深くおどろおどろしいまでの音色を発する、まるで弔いの鐘のような音を採用したケーゲルの卓越した考えは評価に値すると言えるのではないでしょうか。併録のシェンカー共々、強烈な印象をリスナーに与えます。尚、以前「幻想交響曲」は国内盤でSACDハイブリッド盤が発売されていましたが、今回の復刻に限らずこの企画では、日本にある本国からのコピーマスターからではなく、本国のオリジナルのアナログ・マスターテープに遡ってマスターを一から作り直していますので、良質なテープのコンディションを基にした一世代上の品質を存分に味わうことができます。それにより以前の評価を超える、まさにケーゲルらしいこれらの音源の再評価を期待しています。
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タワーレコード （2023/01/17）

今回の復刻に際して、マスターテープはレーベルからウィーン在住のマスタリング・エンジニアであるクリストフ・スティッケル氏のスタジオに空輸し、アナログ領域でのマスタリングを行った上で、デジタル化にあたってはSACD層用のDSD化とCD層用のPCM化を別系統で行い製品化。この企画では、現在考えられる限りの理想的な方法でのマスタリングを実現しました。その効果は著しく、マスターテープに残されていたクオリティを極めて忠実に再現することが可能となり、さらにアナログ領域のみでのマスタリングとダイレクトDSD化が、より音質的に効果をもたらしています。従来と比較して鮮明で解像度が高くなったことにより、演奏に対する更なる評価が期待できるほどの出来です。尚、解説書には今回使用したオリジナルのアナログ・マスターテープの外箱の写真も掲載してあります。
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タワーレコード （2023/01/17）