Doggerel

元祖USオルタナ巨人による最新作!11月にはリベンジ来日も!
ピクシーズ無くしてニルヴァーナもレディオヘッドもナンバーガールも誕生しなかった!?USグランジの元祖にして、文字通りのオルタナ巨人ブラック・フランシス率いるピクシーズによる3年振り最新作!2014年の23年振り新作以降、コンスタントに新作を届けてくれる彼らですが、今作もバンドの調子の良さと勢いを感じる快作。1stシングル(8)の出音一音からピクシーズ節が全開で、歪なポップセンス溢れるの(2)、ユニークな語りからの轟音ギターが痛快な(3)、と相変わらずの泣き叫びも健在!真新しさは無いものの(それが良い!)、破格の説得力で確かなTHIS ISオルタナティヴ・ロックを届けてくれる事にただただ感謝です。 (C)オンライン:巻本 拓也

90年代以降のインディ・ロック・シーンに大きな影響を与えたカリスマ・バンド、ピクシーズ。円熟味を感じさせつつも、陰惨なフォーク、ボールルーム・ポップ、そして暴力的なロックが直感的に入り混じったサウンドに、ダークなバーレスク的狂詩世界が絡んだダークで美しい最新作『DOGGEREL』完成――!今秋には"リベンジ"来日公演も決定!!

90年代以降のインディ・ロック・シーンに大きな影響を与えたカリスマ・バンド、ピクシーズ。2004年に再結成した彼らは2014年に23年振りとなるスタジオ・アルバム『INDIE CINDY』を発表した後、2016年の『HEAD CARRIER』、そして2019年の『BENEATH THE EYRIE』とコンスタントにアルバムをリリースしてきた彼らが、新たなアルバムを完成させた!

1986年に米ボストンで結成されて以来、USグランジ/オルタナ・ムーブメントを牽引してきた彼ら。狂気を孕んだ歌詞と、ディストーションや轟音ギターを響かせながらも奇妙なまでにポップなサウンドで、多くの熱狂的ファンを獲得した彼らは、カート・コバーン(ニルヴァーナ)をはじめトム・ヨーク(レディオヘッド)、パールジャムなど様々なアーティストにも影響を与えていった。5作のアルバムをリリース後、バンドは1993年に一旦解散するが、2004年4月に再結成。2014年に23年ぶりとなったアルバムを発表したが、オリジナル・メンバーのキム・ディール(ベース)がバンドから離脱。新メンバーとしてパズ・レンチャンティン(A Perfect Circle、Zwan等)がバンドにツアー・メンバーとして参加、2016年には正式メンバーとして迎えられた。

その彼らの約3年振りとなるスタジオ・アルバム『DOGGEREL』。彼らにとって通算8作目となる本作は、これまでとは少し違う形で制作されたという。スタジオでラフ・アイディアを出しながら形にしていくというこれまでのやり方ではなく、ブラック・フランシスはあらかじめ40曲ほどを用意してレコーディング・セッションに臨んだとのこと。そして2022年冬、バンドのメンバーは過去2作も手掛けたプロデューサー、トム・ダルゲディとヴァーモントにあるギルフォード・スタジオにメンバーと合流、レコーディングを開始した。その模様は、先日バンドの公式YouTubeチャンネルにアップロードされたアルバム・トレイラーにも収められている。(1/2)

1stシングルとなるのはピクシーズらしい轟音ギターと王道クラシック・ロックの間をいく「There's A Moon On」。そして完成したアルバムは、円熟味を感じさせつつも、陰惨なフォーク、ボールルーム・ポップ、そして暴力的なロックが直感的に入り混じったサウンドに、不貞や放蕩の亡霊に憑りつかれ、宇宙の力に奔走されながら、全能の神でさえも想像しえなかったデジタル時代の死後の世界を思い描きつつ、さらに嵐が近づく予感も感じさせる、混沌とした狂詩的世界そのもの。50年代風ポップに暗喩に満ちた文学的な詞を盛り込んだ「Haunted House」や、モリコーネ風デザート・ロックとも表現できそうな「Vault Of Heaven」、そして爽やかなフォーク・ロッのメロディが響く「Pagan Man」から、ピクシーズらしいエッジが効いた緊張感あふれるロックとシュールな詞が組み合わさった「Nomatterday」やザ・フーを彷彿させるような疾走感溢れるロック・ナンバー「Dregs Of The Wine」まで、アルバムにはタイトル『DOGGEREL』が意味するように、美と闇からなる集合体が、滑稽で韻律不整な音世界を作り出しているのだ。

今作で初めてソングライティングのクレジットに名を連ねたギタリストのジョーイ・サンチャゴはアルバムについてこう語る。
「俺たちは成長した。2分以下の曲をもう作らなくなった。今じゃ、ちょっとしたブレイクもあるし、より一般的なアレンジも取り入れている、ただ俺たちなりの捻りはこれまで通りだけどね」
そしてブラック・フランシスも次のように付け加える。
「とてつもなく壮大で大胆、そしてオーケストレーションされたものを作ろうとした。パンクっぽいものを演奏するのは本当に大好きだが、そういったものは人工的には作れない。他のやり方があるんだ、俺たちは自分たちが今体験している超特別なパワーを使って他のことを成し遂げることが出来るのだ」

アルバム発売後の今秋には、一度延期・中止となってしまった来日公演が遂に実現となる。一筋縄ではいかないバンドの一筋縄ではいかない大胆でダーク、そしてアグレッシヴな新作『DOGGEREL』を引っ提げてやってくる彼らのライヴ・パフォーマンスにも注目だ!(2/2)

The first time Pixies took a hiatus and Black Francis wrote a bunch of songs on his own, it led to the launch of his solo career as Frank Black. Three decades later, when a burst of writing resulted in over 40 songs -- including material earmarked for a retro-Americana solo album with Bobby Bare, Jr. -- he brought them to the band and producer Tom Dalgety to get first pick. Though Pixies will probably never perform in Stetsons, Doggerel reflects an acceptance that their music doesnt have to conform to expectations. Leaning into the earthy influences of country and folk may not be an expected move for the band, but it feels surprisingly natural. As a solo artist, Francis explored roots and country elements with great success on Honeycomb and Fast Man Raider Man (which included Bare Jr. among its players). Theres also plenty of shared musical DNA between those genres and the 1950s and 60s pop that colors "Haunted House," a tale of the spirits and memories happily spending their afterlives in an English manor. This feeling of supernatural commitment continues on the title track, which was inspired by folk songs about settlers who couldnt leave their town no matter how often they tried. Folk is an underappreciated building block of Pixies music (this is the band that namechecked Husker Du and Peter, Paul and Mary in that famous want ad, after all) and one that shines on the equally pretty and ominous "Thunder and Lightning." Though comparisons to Pixies earlier albums are inevitable, Doggerel feels more post-Beneath the Eyrie than a callback to their 80s and 90s work. That album marked the first time the band seemed truly comfortable since re-forming, with a confidence that allowed them to pull off some fancier tricks that they embellish on here. On the spacey surf-punk stomp of "Nomatterday," tempo shifts are the new loud-quiet-loud; on "Dregs of the Wine," the group pairs conversational lyrics with the Whos windmill riffs and a typically great solo from Joey Santiago (Santiago wrote the music to "Dregs" and co-wrote the words to another song, "Pagan Man"). Eyrie also added a slower burn to Pixies repertoire that they make the most of on Doggerel. Slowing down enhances "Vault of Heaven"s interstellar spaghetti Western drama, while the galloping, biblically minded breakup song "Youre Such a Sadducee" heightens its poignancy by letting the fundamental disagreement of its coda ("Im turning around/Youre burning it down") ring out infinitely. Even with some of the edges smoothed off, Pixies are still as idiosyncratic as ever, but where "Get Simulated"s musings on the digital afterlife might have been punctuated more emphatically before, they now slither into listeners ears. Doggerel pushes the boundaries of what a Pixies album can be, but not aggressively -- quite the opposite, in fact. The peaks may not be quite as high as they were on Beneath the Eyrie, but its still a lot of fun to hear the bands reinvention. ~ Heather Phares

2014年以降、順調にリリースを重ねてきた延長で鳴らす轟音オルタナ・ロックに、もはや90年代の頃のスリルはない。しかし、紅一点ベーシスト=パズ・レンチャンティンのハーモニーも含め、安定のピクシーズ節を聴き続けられるなら、それも悪くない。円熟を印象づける一方で、アコギで新しい音像を作ったり、ジョーイ・サンティアゴ(ギター)が初めて作詞・作曲を手掛けたりとバンドは確実に前進している。
bounce (C)山口智男