美しい花々を冠した珠玉の名曲をセレクションした、ピアニスト山元香那子のデビュー・アルバム。西洋、東洋を問わず、広く名曲として知られている"花"の名曲の数々は、馥郁たるロマンティシズムを湛えながらも、時に力強い生命の営みを感じます。まさに百花繚乱たる薫り立つような音の花束Bouquetをお楽しみください。 (C)RS
JMD(2021/04/13)
世界中の美しい花をモチーフにした、優雅で洗練された音の花束
美しい花々を冠した珠玉の名曲をセレクションした、ピアニスト山元香那子のデビュー・アルバムです。
西洋、東洋を問わず、広く名曲として知られている「花」の名曲の数々は、馥郁たるロマンティシズムを湛えながらも、時に力強い生命の営みを感じます。まさに百花繚乱たる薫り立つような音の花束Bouquetをお楽しみください。
【美とやさしさに溢れた、音楽のブーケに寄せて】
ピアニスト・山元香那子の演奏にずっと憧れてきた私が、今回こうしてデビュー・アルバムの解説を書かせて頂けることを光栄に思う。山元さんとは国立音楽大学の附属中学校から大学院までの先輩後輩の関係であり、中学1年生のときに初めて先輩の演奏を聴いたときから、長きにわたってひとりのファンとしてその演奏を聴かせてもらってきた。普段は常に柔らかい笑顔をたたえて明るい山元さんだが、ピアノを演奏するときには、纏う空気がたちまち一変する。どこまでもまっすぐで、揺らぐことのない芯の強さがあるのだ。その一本筋の通ったひたむきな演奏が、たくさんの色を感じさせる音色を届けてくれる。
今回、アルバム制作にあたってはコンセプトや曲目を決めるところから関わらせて頂いた。山元さんのふんわりとした優しさや凛としたたたずまいを余すことなく伝えられる曲目は一体何だろう…と考えていくうちに、"花"のイメージが浮かんだ。花は美しい姿はもちろんだが、うっとりとしてしまう香りや、時には場の空気を一変させてしまうような力強さも持っている。これはまさに山元さんの演奏のイメージにふさわしい!!…ということから、"花"にまつわる楽曲を中心としたプログラムができあがった。今回の収録曲、どれも旋律の歌いまわしからはソリストだけではなくアンサンブルピアニストとしても活躍している山元さんだからこその歌心が感じられ、ハーモニーの変化を大切にしながら、音楽を立体的に作り上げていることも伝わってくるだろう。
リストの「森のささやき」、「ラ・カンパネラ」については、直接"花"に関わる曲ではない。しかし、この作曲家は山元さんにとってとても大切な作曲家であり、私自身、ぜひ山元さんの演奏するリストを多くの方に届けたいという想いもあり、収録をお願いした。慈しむように音を奏でる山元さんのリストは、未だに多くの人々に根付いている、"超絶技巧"で"派手"なイメージのリスト像を崩してくれる美しさに満ちており、"花"をコンセプトにしたアルバムに、より鮮やかな色彩感を与えている。
最後になってしまったが、コンセプト決めから収録、ブックレットまで、制作にあたってはプロデューサーでありエンジニアである武藤敏樹さんに多くの助力を頂いた。山元さんと私の咲き乱れるように広がった想いとアイディアを最大限に汲み取りながら、美しい「ブーケ」に整えてくださったその手腕に、心からの尊敬と感謝を述べたい。そしてこの音楽の花束が多くの人々の手に渡ることを願っている。
長井進之介(1/2)
ナクソス・ジャパン
発売・販売元 提供資料(2021/04/12)
山元香那子(ピアノ) Kanako Yamamoto, Piano
国立音楽大学音楽学部器楽学科ピアノ専攻卒業、同大学大学院音楽研究科修士課程器楽専攻修了。第8回日本ピアノ調律師協会主催新人演奏会に出演。在学中最優秀により岡田九郎記念奨学金、国内外研修奨学金を授与される。平成18年度日本学生支援機構JASSO優秀学生顕彰事業文化・芸術部門奨励賞を受賞。
第1回日本演奏家コンクール、第3回YBP国際音楽コンクールで第1位、第5回国際ウィーンピアニストコンクール(オーストリア)第3位、第22回市川市文化振興財団新人演奏家コンクールピアノ部門最優秀賞、第10回Citta di Massa国際コンクール(イタリア)第3位、さらに室内楽においてもザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクール2021 in Tokyo第3位を受賞。国内外の数多くのコンクールにて優勝および上位入賞を果たす。
2015年「文化庁/日本演奏連盟主催新進演奏家育成プロジェクトリサイタル・シリーズTOKYO」に選出され、リサイタルを開催。「清澄な音色、濃厚な色彩、鋭い表現を兼ね備えたピアニスト」と高い評価を得た(ムジカノーヴァ2015年5月号掲載)。さらにこの公演の内容が評価され、2016年都民芸術フェスティバルに招聘。東京芸術劇場にてモーツァルトの「ピアノ協奏曲第21番KV.467」を東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団と共演(指揮:高関健)。また、2019年東京オペラシティリサイタルホールにてオール・リスト・プログラムによるリサイタルを開催し好評を得た。2018年川口市芸術文化三賞芸術奨励賞、2020年第2回市川市文化振興財団芸術文化奨励賞を受賞。社会貢献活動にも積極的に取り組んでおり、「一般社団法人音の花束」のアーティストとして、病院や老人ホームなど、コンサートにお越しになれない方々に向けたコンサートも定期的に行っている。
2011年より、毎週月曜19時から放送中のBS日テレ「BS日本・こころの歌」にて混声コーラスグループ・FORESTA(フォレスタ)のピアニストとして出演中。同番組エンディングテーマ「夢」「願い」「心をこめて」の演奏を担当。ジャンルの垣根を超えた2000曲近い曲目をレパートリーとし、国内外年間100公演あまりの公演に参加している。現在、FORESTAのピアニストとしてはテレビ出演時のみの参加となっている。(2021年4月現在)(2/2)
ナクソス・ジャパン
発売・販売元 提供資料(2021/04/12)